インスタ映えする独創的メニューを拡散し、坪月商57万円を実現!

大阪・梅田の東側・堂山町にある「酒場リベリー episode2」は、“創作天ぷら×イタリアン”がコンセプトの大衆酒場。創作てんぷらやフルーツサワーに加え、Instagramも戦略的に活用し、若い女性などを集客している。

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目次
・創作てんぷらとカラフルなフルーツサワーがSNSで拡散されて認知拡大!

・【POINT1】食材の組み合わせ・ソース・ネーミングにこだわった創作てんぷらが看板!
・【POINT2】ビジュアルにこだわったフルーツサワーで集客&収益アップ
・【POINT3】Instagramでの情報拡散に成功し、フォロワー6,000人以上を獲得!

創作てんぷらとカラフルなフルーツサワーがSNSで拡散されて認知拡大!

酒場リベリー episode2(大阪・堂山町)
大阪府大阪市北区堂山町16-4 パールレジャービル1F
https://r.gnavi.co.jp/nk9d8c0e0000/
大阪・堂山町エリアの路地裏にある創作てんぷらとイタリアンの店。店名の「リベリー」はフランスのサッカー選手(フランク・リベリー)からとったもので、入り口にあるネオン管でかたどったロゴマークもリベリーの顔を表現したもの。

 大阪を代表する繁華街・梅田の東側、JR大阪駅から徒歩圏内の堂山町。かつては風俗店が集まるエリアだったが、4~5年前から女性が気軽に入れるような飲食店が相次いでオープンし、若者が集まる町に変貌した。その一角の、細い路地にある「酒場リベリー episode2」は、週末は予約で満席になり、夜だけで3回転することもある人気店だ。2020年7月にオープンし、4カ月後には坪月商57万円を記録。コロナ禍で休業を余儀なくされた2021年も、緊急事態宣言が解除された後、昨年に迫る好調ぶりを見せている。

内装はイタリアの食堂をイメージ。店内はDIYで煉瓦柄の壁紙を貼るなど、初期投資を抑えつつ、コンセプトに合った空間づくりに成功
  • 天井からイラスト付きのメニューの短冊を下げており、メニューの豊富さを表現しつつ、カジュアルな雰囲気を演出
  • もともと路地側は一面が壁だったが、自分たちで壁を抜いて入り口を作り、ネオン管の看板や小物を置くなどして、印象的なファサードに

 経営母体は、堂山町エリアを中心に出店を進めている株式会社ワンダライフ。「酒場リベリー episode2」は、同エリアにある“創作てんぷら×フレンチ”をコンセプトにした「魚と野菜とてんぷらと 酒場 リベリー」(2019年11月オープン)の2号店。“創作てんぷら×イタリアン”をコンセプトに、20~30代の女性を中心ににぎわっている。

【POINT1】食材の組み合わせ・ソース・ネーミングにこだわった創作てんぷらが看板!

看板メニューの創作てんぷらは、注文を受けた分を大皿に盛り付ける。写真は、「美味タレ半熟卵」(220円)、「おおお海老」(330円)、「アスパラパルメザン」(308円)、「いくら海苔」(308円)、「フォアグラ蓮根」(308円)、「茄子ボロネーゼ」(242円)、「舞茸トリュフバター」(275円)、「ウニ大葉」(308円)、「穴子ロング」(440円)、「とろたく」(308円)、「とうもろこし」(198円)
てんぷらは約30種で198~440円。「フォアグラ蓮根」(308円)などのユニークな組み合わせのほか、イカのてんぷら「イカ2カン」(242円)など、遊び心あるメニュー名で興味を引き、注文につなげている

 売りである創作てんぷらは、小麦粉や米粉、コンスターチを独自配合でブレンドしたてんぷら粉と、国産米油とオリーブオイル、ブレンドオイルを混ぜた油を使い、薄衣で軽い仕上がりに。全部で約30種あり、のりのてんぷらにイクラをかけて提供する「いくら海苔」や、大葉のてんぷらにウニを組み合わせた「ウニ大葉」(ともに308円)など、約半数が1号店で人気の高かったメニュー。残りの半分は、レンコンの穴にフォアグラを詰めて上げた「フォアグラ蓮根」(308円)、イチボをフォアグラで巻いて揚げた「イチボのロッシーニ」(440円)など、店長が考案したオリジナルメニュー。イカのてんぷら「イカ2カン」(242円)やキスのてんぷら「君にKISS」(220円)など、ネーミングにも工夫を凝らしている。「てんぷらにはあまり使われない食材を組み合わせたり、食材によってバジルソースで洋風に味付けするなど、見た目や味でインパクトを出せるよう意識しています」と、副社長の沖田正海氏は語る。

 1号店では、揚げた順番に1つずつ提供するスタイルだったが、2号店では、オーダーを受けた分を大皿に盛って提供している。「盛り合わせにした方が写真に撮ってもらいやすいと考えて提供方法を変えました。狙い通り、写真を撮影するために一度にたくさん頼む方が多いです」(沖田氏)。

  • もう1つの名物メニュー「Wブッカケーノ」(写真は2人分、638円)。ウニ、イクラ、マグロなどの刺身を豪快に盛り付けた海鮮ユッケで、写真を撮る人が多い
  • 幅広いシーンに対応するため、てんぷら以外にもピザやパスタなどを用意しており、メニュー数は50種類以上。共通した素材を使うことで食材ロスを抑えている

 営業時間は12~24時の通し営業で、どの時間帯も共通のメニューを提供。売りの創作てんぷら以外に、ピザ5種とパスタ8種、ご飯もの3種、ドルチェ3種、ウニクリームソースをかけた洋風おでん「フレンチ大根」(638円)などの前菜、「霜降り牛のローストビーフ」(1,078円)などの肉料理や「肉寿司」(418円~)も用意する。「メニューのジャンルを幅広くして、食事需要や昼飲み需要など、さまざまなシーンで来店いただいています」と沖田氏。特に「店の“宣伝部長”になる料理として開発した」(沖田氏)のが、ウニ、イクラ、マグロ、サーモン、ブリ、ホタテなどを豪快に盛り付けた海鮮ユッケ「Wブッカケーノ」(1人前638円、注文は2人前~)。原価率65%のお得感と見た目の美しさが話題となり、これを目当てに来店する人も多く、注文した人が写真をSNSに投稿することで情報が拡散され、店の認知度アップに貢献している。

【POINT2】ビジュアルにこだわったフルーツサワーで集客&収益アップ

女性から人気のフルーツサワー「大衆くりめろ」(495円)。焼酎入りのメロンソーダに生クリーム、アイス、チェリーを乗せたクリームソーダ風のサワー。
  • 大ぶりのフルーツやアイスなどが入ったパフェのようなフルーツサワーを10種類用意。「追い酎」も220円で可能
  • アルコールのラインナップは豊富で、全体的に価格は抑え目。ビールなどは原価率が高いが、利益率の高いフルーツサワーに注文が集中

 ドリンクの売りは、1号店でも人気だったフルーツサワー(全10種)。大きくカットした生や冷凍のフルーツのほか、アイスクリームなどをトッピングしており、カラフルなビジュアル。アルコールが苦手な人でも飲みやすいようにシロップを多めに使っており、クリームソーダ風の「大衆くりめろ」(495円)や冷凍のイチゴをふんだんに使った「青春真っ只中いちご」(605円)の人気が高い。ほかにも、ハイボール、サワー、ビール、ワイン、サングリア、カクテル、日本酒、焼酎と幅広く用意。「“安く飲める店”と感じてもらうため、どれも1杯300~400円前後に設定しています。ビールは380円で原価率が45%と高めですが、お客様のほとんどがフルーツサワー(平均原価率30%弱)を注文するため、しっかり収益を上げられています」(沖田氏)。

 週末は予約で席が埋まることが多く、その半数以上がコースを利用。コースは2,800~4,500円で5種類用意しており、昼飲み限定の2,800円のコース(全8品、3時間飲み放題付き)や、3,000円のコース(全9品、2時間飲み放題付き)が好評。カップルなどの記念日利用も多く、1日5件入ることも。事前に記念日であることが分かれば、メッセージ付きのケーキを無料でサービスするなどして喜ばれている。

 「創作てんぷら」と「フルーツサワー」という、SNSで拡散されやすい売りを押し出しつつ、幅広いメニュー構成にすることで、メインターゲットの若い女性を集客しつつ、主婦グループやカップル、ビジネス層などの昼飲みや食事利用、記念日といったさまざまなシーンにも対応している。

【POINT3】Instagramの戦略的な活用が功を奏し、フォロワー6,000人以上を獲得!

同店のInstagramには6,000人以上のフォロワーがおり、サラリーマンや若い女性など、ターゲットごとに投稿する時間や内容を変えて、1日1~3回投稿している

 今でこそ人気店になった「酒場リベリー episode2」。だが、コロナ禍真っ只中、2020年7月の出店で、立地的にも車が通れない細い路地という不利があり、「最初は集客に苦戦すると予想しました」(沖田氏)。そこで、認知度を高めるためにオープン時から戦略的にInstagramを活用。ビジュアル的に訴求力の高い「創作てんぷら」と「Wブッカケーノ」の写真を中心に、ほぼ毎日投稿を重ねた。加えて、沖田氏の人脈を生かして、約20人のインスタグラマーに来店してもらい、投稿を依頼することで着実にフォロワーを増やしていった。

 さらに追い風となったのが、同年8月に偶然店を訪れたTikTokerによる投稿だ。「おいしかった。大阪旅行に行くならここ」とタグ付けして音楽付きでTikTokに動画を投稿。これが拡散されて、9月に入ってから来店客が急増した。「最初は理由が分からず、お客様に聞いてTikTokがきっかけだったと知りました」と沖田氏は振り返る。さらに、秋から始まったGo To Eatキャンペーンと相まって、連日予約で満席になり、11月は月商850万円を記録した。

 その後、緊急事態宣言などの影響で客数は落ちたものの、現在に至るまで安定した集客力をキープできている。それは、「わざわざ足を運んででも食べたい」と思わせるメニュー(商品力)と、Instagramによる継続的かつ戦略的な販促によるところが大きい。

 Instagramの運用で特筆すべきなのが、ターゲットを意識して投稿のタイミングと発信する内容を変えている点だ。「サラリーマン向けに、朝と夜の通勤時間帯やランチタイムにコースの内容とネット予約のリンクを投稿。一方で、若い人は夕方にその日行く店を探しているケースが多いので、てんぷらやフルーツサワーなどインスタ映えする画像を16~17時くらいに投稿しています」(沖田氏)。さらにInstagramの広告も定期的に活用するほか、投稿を見た人だけに限定メニューをプレゼントするサービスも実施。2021年12月現在、フォロワーは6,000人を超えおり、Instagramが情報発信と集客の原動力になっている。

 2021年の年末は前年ほどではないが、着実に集客に成功し、12月の月商は650万(坪月商43万円)と好調を維持している。「『リベリー』ブランドにこだわらず、店長の個性がしっかり見える店を増やしていきたい。2022年は梅田や難波など大阪市内に5店舗くらい出店したいと考えています」と沖田氏。今後も、「魅力的な商品開発」と「ターゲットを意識した情報発信」で、大阪に新たな繁盛店を生み出していく。

株式会社ワンダライフ 副社長 沖田 正海 氏
大阪市出身。飲食店企業で居酒屋の店長や管理部門、店舗の立ち上げなどを経験。2020年5月から株式会社ワンダライフに入り、新店の業態開発などに注力。