武蔵小杉・8坪の小規模店で、月商900万円を記録!朝締めのモツにこだわり、お得感を追求

神奈川・武蔵小杉駅近くにある「炭火串焼と旬野菜 きわみ」は、朝締めの新鮮なモツを看板メニューに、お通しの「モツ煮」を食べ放題で提供。立ち飲み席では全ドリンクを半額にするなどし、ファンを獲得している。

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目次
今後の出店を見据え、小規模・少人数で運営できる業態を開発
【POINT1】鮮度の良さが味わえる低温調理の「モツ刺し」が売り!
【POINT2】お通しの「モツ煮」を食べ放題で提供し、ファンを獲得
【POINT3】ドリンクが半額になる立ち飲み席を設置。にぎわい感を演出

今後の出店を見据え、小規模・少人数で運営・経営できる飲食店を開発

炭火串焼と旬野菜 きわみ(神奈川・武蔵小杉)
神奈川県川崎市中原区小杉町3-430 伊藤ビル1F
https://r.gnavi.co.jp/b9ma2mds0000/
東急武蔵小杉駅南口から徒歩1分の飲食店街に、2021年7月オープン。朝締めのモツと八ヶ岳の自家農園で採れた旬の野菜を売りにした居酒屋で、20~60代まで幅広い層を集客する。

 2社6路線が乗り入れ、都心へのアクセスのしやすさや利便性の高さから住宅地として人気の神奈川・武蔵小杉駅周辺。近年は再開発が進み、大型商業施設や高層マンション、大手企業のオフィスが建ち並ぶ。「炭火串焼と旬野菜 きわみ」は、その一角に残る昔ながらの飲み屋街「センターロード小杉」に2021年7月オープン。近隣住民や周辺企業で働くビジネス層など20~60代の幅広い客層をつかみ、8坪という小規模店舗ながら最高月商900万円を記録。坪月商100万円を超える超繁盛店で、経営も順調だ。

カウンター席、テーブル席、立ち飲み席を設置し、最大31名を収容。8坪という小さな作りなので、少人数のスタッフで営業できる

 運営する株式会社KIWAMIは、近隣で居酒屋2店舗を展開しており、グループ全体で朝締めのモツを売りの一つにしている。「きわみ」はその強みを生かし、串焼きと低温調理したモツ刺しをメインにした新業態として出店した。その狙いを代表取締役の阿波耕平氏はこう語る。「今後の店舗展開を見据え、メインスタッフ1人とアルバイトスタッフ1人がいれば営業できる飲食店として業態開発しました。スタッフが独立した時に必ず成功するモデルとして確立させたいと思っています」。気軽に立ち寄れるよう、客単価は系列店で一番低い3,000円に設定。営業時間はオープン当初は15時開店だったが、2021年9月からは11時より営業とし、ランチメニューは設けずに昼飲み需要を獲得している。

【POINT1】鮮度の良さが売りの低温調理の「モツ刺し」が売り!

「朝締めモツのお刺身6点盛り」(1,408円)はカシラ、タン、ハツ、レバー、ガツ、コブクロの6種を低温調理して提供。新鮮なモツを使用するため、他店では珍しい部位もラインナップ

 売りのモツは、横浜の食肉市場でその日の朝締めたものを仕入れている。「モツは鮮度が命で、時間が経つと味も色も悪くなってしまいます。鮮度が一番良いモツを仕入れるため、独立する際に2カ月かけて業者を探しました」と阿波氏は振り返る。その鮮度の良さを楽しんでほしいと提供しているのが、モツ6種を2時間かけて低温調理した「朝締めモツのお刺身6点盛り」(1,408円)。部位や個体よって調理する温度や時間を変えてベストな状態で仕上げており、初めて来店した人には新鮮なモツであることを伝えながらおすすめ。注文率は約7割に達するという。

「串焼きのおまかせ5本盛り」(写真下858円)は6本提供することでお得感を演出。陳建一氏の下で修業した阿波氏による「陳麻婆豆腐」(同上858円)も本格的な味わいで人気
  • 初来店の人には看板メニューの「朝締めモツのお刺身」を積極的に勧め、壁のポスターでも新鮮で臭みがないことを説明
  • モツ料理のほか八ヶ岳の自家農園から直送される野菜も名物。メニュー数を絞り、少人数でも運営できるようにしている

 そのほか、モツや鶏の串焼き(1本132円~)や阿波氏が陳健一氏の下で修業し直伝されたという「陳麻婆豆腐」(858円、ハーフ638円)なども人気が高いという。メニューは日替わりなどは作らずに絞り込み、オペレーションのしやすさも追及している。

【POINT2】お通しの「モツ煮」を食べ放題で提供し、ファンを獲得

お通しの「モツ煮」は食べ放題で提供しており、来店客のほとんどがおかわりをする。野菜などは入れずモツのみで作り、麦・白・赤味噌の3種をブレンドして煮込んでいる
入り口横にお通しのモツ煮の鍋を置いてアピール。一度に10~12kgのモツを煮込んでいるため、旨みがより強く出るという

 さらに好評なのが、食べ放題で提供するお通しの「モツ煮」(418円)。これを目当てに来店する人も少なくなく、ファン獲得につながっている。「お通しは店を知ってもらうチャンスなので、自信のある料理を出しています。他店でやっていない食べ放題にすることで話題にもなると考えました」と阿波氏は話す。野菜などは一切入れず、自慢のモツをたっぷりと使い、3種の味噌をブレンド。モツはやわらかく、深い味わいも人気の理由の一つだ。

【POINT3】ドリンクが半額になる立ち飲み席を設置。にぎわい感を演出

全ドリンク半額となる立ち飲み席。入り口付近に立ち飲み席を設けることで、通行人に店がにぎわっている印象を与えている
店舗前の立て看板では立ち飲み席は全てのドリンクが半額であること、お通しのモツ煮の食べ放題であることをアピールし、フリー客を狙う

 店舗の入り口付近には立ち飲み席を3卓設け、そこでは全ドリンクを半額で提供。利益を求めるよりも「遊び心や集客の意味合いが強い」(阿波氏)と言い、入り口付近に人がいることで「いつもにぎわっている店」という印象を与えている。立ち飲み席を目的に来店する人も多く、来店客の交流の場にもなっているという。

 また、注文は口頭だけでなくモバイルオーダーも採用。LINE公式アカウントと連携したシステムで、注文時に友だち追加が必須となる。そのため導入半年で友だち登録数が約1,500件になり、LINEを通じて営業時間の変更や期間限定メニューなどを案内。そのほか、Google ビジネスアカウントの登録も行い、情報を発信している。

 こだわりのモツ料理やお得感のあるサービスなどが支持され、1日約100人を集客し、平均月商は700~800万円を達成。メニュー全体の原価率は19%といい、モツは毎月一定額を支払うことを条件に安く大量に仕入れ、コストを抑えている。「コロナ禍で卸売業者も食材をさばき切れていない状況なので、なるべく多く仕入れることで業者さんにもお客様にも還元していきたい。お通しの食べ放題、立ち飲み席のドリンク半額にはその狙いもあります」と阿波氏。この業態を確立させ、社員の独立なども支援しながら、今後10年で30店舗の出店を目指す考えだ。

株式会社KIWAMI 代表取締役 阿波 耕平 氏
調理師専門学校卒業後、中国料理の巨匠・陳建一氏の下などで修業。飲食店検索サイト運営会社で営業を担当した後、2014年に1店舗目の「武蔵小杉のもつ屋 じゅうに12」をオープン。