飲食店経営を成功させるノウハウ徹底ガイド:安定経営の4要素と5つの改善策

飲食店の安定経営に必要な資金や資格のほか、理想的な利益率の目安、FLコストの管理術、QSC向上、売上・集客・利益の最大化、リピーター獲得の戦略などを解説。さらに、経営不振に陥る原因と「客単価が低い」「回転率が悪い」といった現場課題への具体的な対策、ツールの活用法、多店舗展開や事業多角化のポイントまで、お店の開業前から軌道に乗った後まで、繁盛店を作り、成長させ続けるための実践的ノウハウを紹介します。

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飲食店の安定経営に必要な要素やノウハウをまとめて解説!

飲食業は、自分が作った商品(料理やドリンクなど)に対するお客様のリアクションや満足度をその場で感じられる魅力的な仕事です。また、自分が思い描いた店をスタッフたちとともに作り上げていく、やりがいのある仕事でもあります。

一方で、飲食業は参入障壁こそ低いものの、何年にもわたって安定した経営基盤を築くのは簡単ではありません。では、なぜ経営がうまくいかないのでしょうか。大きな理由として「開業時の準備不足」が挙げられます。開業時に設定したコンセプト・ターゲットに対して、立地・物件選びやメニュー構成、人材配置、販促方法などにズレがあれば、当然集客や収益面で成果を出すことは難しく、経営は苦しくなります。

もし、あなたがこれから飲食店を初めて開業しようと考えているのであれば、まず、以下の記事を読んでみてください。開業に必要な費用や手続き、物件選びや業態開発のポイントなどが理解できるはずです。

飲食店を開業するには?必要な資金(初期費用)の目安や準備の流れを業態別で解説

とはいえ、しっかり計画を練って開業したとしても、まだスタートラインに立ったに過ぎません。そこから経営を軌道に乗せて繁盛店を生み出し、店舗展開や事業拡大を進めていくためには、さまざまな課題を克服・改善していく必要があります。飲食店を安定的に経営し、事業を成功に導くために必要な考え方やプロセス、ノウハウを紹介します。

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目次
飲食店の経営に必要な4つの要素
経営を成功に導く5つの取り組み
経営不振の飲食店に起こる現象と対策
経営が軌道に乗った後に考えるべきこと
経営者たちの成功事例
まとめ

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飲食店の経営に必要な4つの要素

まず、飲食店を経営する上で経営者に必要な要素である、
資格」「資金」「知識」「素質
を紹介します。

(1)必要な資格
飲食店を経営するためには、

食品衛生責任者(必須)
防火管理者(収容人数30人以上の店舗)

が必要です。

上記以外にも業態によって別の資格が必要だったり、保健所などに提出しないといけない届け出があります。飲食店の経営に必要な資格の種類や取得方法、届け出などの詳細は、

居酒屋開業にマストな資格は2つ。ほかにも必要な届出や手続きって?

をチェックしてみてください。

(2)必要な資金
飲食店の経営に必要な資金は、開業時に必要となる初期資金(イニシャルコスト)と、毎月の運転資金(ランニングコスト)に分けられます。

まず、初期資金(イニシャルコスト)の主な内訳は以下の通りです。

・物件取得費
・内装工事費
・厨房機器/備品費
・販促費
・運転資金(予備費)


それぞれの金額の目安や資金調達の方法などは、

居酒屋開業資金は500万円で足りる?業態別の初期費用と調達法を徹底解説

をチェックしてみてください。

次に、運転資金(ランニングコスト)と収益の主な項目と目安となる売上比率は以下の通りです。

食材費・・・売上の30%
人件費・・・売上の30%
家賃・・・・売上の10%
水道光熱費・売上の5%
その他経費・売上の10%
営業利益率・売上の15%

上記の数値はあくまで目安です。上手にコストを抑えながら集客力を高めることで、繁盛店の目安とされる営業利益率30%以上も可能です。安定した経営の最低ラインが営業利益率10%ですので、上記の目安(15%)を目指すのが理想。そこから逆算して、家賃はいくらくらいが妥当で、FLコスト(食材費と人件費)はいくらくらいかけられるのか、毎月どのくらい売上を上げれば安定した経営が可能か、を計算しましょう。

(3)必要な知識
飲食店を経営する上で、知っておくべき知識がいくつかあります。ただ、これらすべてを最初から完璧に理解している経営者はほとんどいないでしょう。会社やお店を経営する中で学んだり、専門部署を設けて社員に任せたり、外部に委託する経営者も少なくないはずです。しかし、自分以外の誰かに任せるとしても、基本的な知識を知っておかなければ、社員や委託先の業務成果を評価することはできません。経営者として最低限の知識を身に付けておくとよいでしょう。

・資格や届け出に関する知識
飲食店を開業するために資格や届け出に関する知識が必要です。開業した後も、業態変更・多店舗展開・事業多角化など、新しい取り組みをする際に、新たな資格取得や届け出が必要になることがあります。

・計数管理の知識
適切にキャッシュフローを回すためには、FLコストや損益分岐点といった計数管理系の知識が必要です。この知識がないと、どんぶり勘定で店舗を運営することになり、資金不足に陥ったり、健全な収益モデルを構築することが難しくなるでしょう。

・マーケティングや集客の知識
ターゲット(ペルソナ)を設定し、それに合わせてさまざまな販促手段を駆使して集客につなげるために重要です。周辺エリアにどんな客層が多いのか、その客層のニーズと自店のコンセプトが合っているのか、ターゲットに自店の情報を届けるためにどんな手段が有効なのか、といったことを分析・実行していくために重要です。

・法務/労務/リスクに関する知識
法律的なリスクを含めたトラブルから自店を守るために必要です。例えば、労働基準法に違反しない労務環境を整備したり、物件の賃貸借契約、業者との取引契約の内容を理解したり、衛生・防火・クレーム処理といったリスク管理にも役立ちます。

・人材に関する知識
優秀な人材を採用、育成、定着させるために必要です。具体的には、人材募集や面接、採用後の育成・研修・評価制度、マネジメントのノウハウ、組織作り、福利厚生の整備などが該当します。

・店づくりに関する知識
店を魅力的にブラッシュアップしていくために必要な知識です。例えば、デザイン関連(ロゴ・店舗内外観・販促物など)の知識やQSC(クオリティー=商品力・サービス=接客力・クレンリネス=清潔さ)の向上ノウハウ、メニュー(料理・ドリンク・コース)の開発力など、業態開発に生かせるものを指します。

これらの知識を取得するのに最も効率的なのは、実際に飲食店で働くことです。また、すでに成功を収めている飲食FC(フランチャイズ)に加盟してノウハウを学ぶという手法も有効でしょう。ほか、インターネットで検索したり、同じ飲食業の先輩や知人に聞いたり、届け出の申請先に問い合わせるといった手段もありますし、専門書を購入したり、セミナー・講座に参加したり、スクールに入学するのも一案です。ただ、実践に勝るものはありません。実際に働きながら自分の目や耳で見聞きしたことのほうが身につきやすく、より現実に即した知識やノウハウが得られるでしょう。

(4)経営者に必要な素質
飲食店経営者の素質として唯一、絶対に必要なものは、

経営者としての責任感(覚悟)

です。銀行の融資を受けたり、家主から物件を借りたり、従業員に働いてもらったりと、さまざまな人の力を借りて飲食店を経営するわけですから、最終的にそういった人たちに対して店(会社)のリーダーとして責任を負う覚悟が必要です。強い責任感や覚悟があるからこそ、途中で投げ出さず、経営者として成長し、孤独にも耐えられるはずです。

ほかにも、飲食店の経営に必要な素質はいくつかありますが、人それぞれパーソナリティーが異なり、得意・不得意分野があるため、「絶対に必要」とまでは言い切れません。完璧な人間がいないように、どんなに成功を収めている経営者もすべての素質を備えているわけではありません。重要なのは、自分にどんな素質があり、何が得意で何が不得意なのかを理解し、不得意な部分を補ってくれる人材をナンバー2に据えたり、不得意分野を自分なりに磨いたりして補完していくことです。以下に挙げる素質は主だったものですが、自分や自分の右腕となる人材(チーム)がこれらの素質を持っていることが重要だと理解しましょう。

・情熱
経営者が持っている「こういう店を作る」「こういう会社にする」という情熱(信念)は、従業員や来店客を巻き込む力に変わり、店舗運営を軌道に乗せる原動力です。この情熱が「経営理念」や「パーパス(会社の存在意義)」を決める際の源となります。

・人間力
コミュニケーション力や人の心の機微を察する観察眼は、生産者・仲介業者といった取引先や従業員、来店客など、お店に関わるさまざまな人と良好な関係を築き、店を発展させていくために有効です。

・体力
立ち仕事がメインの飲食業を長く続けるために重要です。健康な体を維持することで、正しい判断や新しい挑戦をするための心の余裕も生まれるはずです。

・分析力(客観性)
自分の店づくりや経営判断に問題がないか、立ち止まって客観的に分析することで、間違った方向に進んでいた場合に軌道修正ができます。店づくりを前進させる「情熱」と、軌道修正をする「分析力」のバランスが重要です。

・柔軟性
時代が変化して、顧客ニーズや従業員の考え方が変わったり、技術革新が起こったりして、今までのスタイルが通用しなくなったり、さらに生産性が上がるツールが登場することがあります。その時に、新しい考え方やトレンド、ツールを取り入れる柔軟性を持っていることが、安定した経営には必要です。

・計画性
キャッシュフローや人材管理、メニュー開発のほか、店舗展開や組織づくりなどについても、目標や課題、リスクを明確にして目的地に向かって進めていく計画性が重要です。

・実行力
「情熱」を基に、「計画」「分析」などを生かして、実際に行動に移す実行力も重要です。ポイントはスピード感を持って判断・実行すること。早く新しい課題や目標を見つけて改善・実行していくことで、来店客や従業員の不満が蓄積する前に、問題を解決しておけるからです。

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経営を成功に導く5つの取り組み

飲食店を繁盛させるためには、大きく分けて以下の5つの取り組みを行う必要があります。

第1優先テーマ「QSCの磨き込み」
第2優先テーマ「新規客の獲得」
第3優先テーマ「想定と現実の乖離(かいり)改善」
第4優先テーマ「リピーターの獲得」
第5優先テーマ「組織(チーム)の強化」


これらは、1が終わったら2、その次が3と順番に進めるものではなく、5つ同時に継続していくことが理想。ただ、時間は有限ですし、社員やアルバイトがモチベーション高く同じ方向に進むためにも、あまり多くのタスクを自分や現場に課すことはおすすめしません。優先度の高いものから着手して、徐々にできることを増やしていくのが現実的でしょう。

第1優先テーマ
「QSCの磨き込み」

安定した経営のためには、「QSC」、つまり料理やドリンクなどの商品力(クオリティー)接客レベル(サービス)衛生管理・清潔感(クレンリネス)の3つを磨き込んで、維持・向上させることが必要不可欠です。これは開業前(特にスタッフを採用した時点)から始めておかないと、経営につまずく最大の要因を作ることになりかねません。

QSCを磨くには、経営者が理想とする状態を言語化し、それを実現させるために必要な条件や基準を明示する必要があります。特に料理の調理・盛り付けといった「商品力」と、店内清掃などの「クレンリネス」については明確に理想の状態と基準を明示し、定期的にチェックすることが重要です。

「サービス」についても、最低限のマニュアルやルールは必要でしょう。しかし、あまり細かいルールを増やさずに、スタッフの自主性やアイデアに任せるのもおすすめです。たとえば、「すべてのお客様を笑顔にする」という理想の状態だけを明示しておき、そのためにどんな接客やサービスを行えばいいかは、スタッフに考えさせるのです。これは顧客満足度だけでなく、従業員満足度の向上にもつながりますし、経営者が考えたマニュアルよりも、斬新で画期的なアイデアが生まれる可能性もあります。

いずれにしても、経営者がやるべきことは理想の状態を明示して、スタッフの動きや成果を評価すること。そしてQSCのレベルが上がったと感じたら、それを維持できるように努めたり、もう一段高いレベルの「理想の状態」を提示して、さらなるQSCの向上に努めましょう。

第2優先テーマ
「新規客の獲得」

どんなに常連客が多い繁盛店も、元をたどれば一人の新規客の入店からスタートします。店の存在や魅力を知ってもらい、新規客を獲得することが安定経営の第一歩といえるでしょう。ですので、集客のための情報発信は、オープン前から開始したほうがよいでしょう。

新規客の集客方法は、看板やチラシなどのアナログツールと、Googleビジネスプロフィール、Instagram、楽天ぐるなびといったグルメサイトなどのデジタルツールに大別されます。それぞれにメリットや特性がありますので、

飲食店の集客アップツール&方法18選!新規客&リピーター獲得のポイント解説

をチェックしてみてください。

上記のツールを使って店のコンセプトや特徴などを発信すると同時に、期間限定のイベントや仕入れたばかりの旬の食材など「今日、来店したい」と思わせる情報を発信することも集客に有効です。

また、新規客の属性(男女比や年齢、利用シーン、予約経路など)を分析することと、次回来店へのアプローチに使える顧客情報(メールアドレスや住所など)を取得することも重要。前者が 第3優先テーマ「想定と現実の乖離改善」 に、後者が 第4優先テーマ「リピーター獲得」 に活用できるからです。

第3優先テーマ
「想定と現実の乖離(かいり)改善」

飲食店の経営において、恐らく一番難しいのが「想定と現実に乖離があったときに、どう修正するか」です。いくらQSCを磨いて、効果的に情報発信をしても、想定していたターゲットが集客できていない場合、さまざまな可能性を考えて多角的に分析し、解決策を練る必要があります。分析はオープン初月からできるので、開業前に用意していた予備の運転資金(3カ月分)が残っているうちに、根本的な問題(想定との大きなズレ)が判明したら、早急に手を打ちましょう。

チェックすべき項目は、

(1)数値を基にした店舗の健康診断
(2)顧客情報を基にした集客&利益の最適化
(3)情報発信の費用対効果チェック


です。

(1)数値を基にした店舗の健康診断
自店が健全に経営できているかをチェックするための指標となるのが以下の数値です。

【毎日チェック推奨】
・客数
・売上


【毎週(or10日ごと)チェック推奨】
・FLR比率(FL比率)

【毎月チェック推奨】
・営業利益率
・損益分岐点比率
・坪月商


毎日チェックしたい数値
「客数」「売上」は、曜日ごとの違いを見るためにも毎日チェックしましょう。想定した数値と比べてどれくらい違いがあるか、もし大きな乖離があるなら原因は何かを分析し、日々対策を講じる必要があります。

毎週(or10日ごとに)チェックしたい数値
「FLR比率」は70%以下「FL比率」であれば60%以下が目安とされています。Rent(家賃)は変動しませんが、Food(食材原価率)とLabor(人材費率)は月の途中でも修正が可能なので、毎週もしくは10日ごとにチェックを入れて、問題があれば仕入れや調理工程、シフトなどにテコ入れをして改善に努めましょう。開業当初は、調理時のオペレーションが安定せずに廃棄ロスが多く出たり、スタッフの生産効率が上がらず、想像以上に人件費がかかる可能性もあるので要注意です。「食材ロス」をしっかりチェックするのであれば、「仕込みロス」「調理ロス」「残飯ロス」に分けて仕入れや調理、ポーションなどの微調整を行い、売上に対するロス金額の比率を0.5~1%に抑えましょう。

毎月チェックしたい数値
「営業利益率」は10%以上「損益分岐点比率」(実際の売上高に対する損益分岐点売上高の割合)は80%以下「坪月商」は15万円以上が安定経営のための最低ラインです。この条件を一つでもクリアしていなければ経営に黄色信号が灯っていると考えましょう。

(2)顧客情報を基にした集客&利益の最適化

(1)の数値は、経営が順調かどうかを判断する業績上の指標ですが、これとは別に重要な情報があります。それが顧客情報で、具体的には、

・客層
・利用シーン
・組人数
・回転率(滞在時間)
・客単価
・メニューごとの注文率
・ドリンク売上比率
・コース利用率


などです。

これらの情報を基に、集客と利益の最適化を図りましょう。集客ばかりを求めて薄利になったり、利益を追い求めた結果、顧客満足度が下がって集客力が下がる、ということがよくあります。どちらかだけではなく、どちらも高められる最適なバランスを模索する事が重要です。

この中でも特に重要なのが「客層(年齢層や男女比など)」です。なぜなら、ターゲットとする客層は、店のコンセプトと直結するものなので、このターゲットが集客できていなかったり、想定と違っていた場合は、安定した経営が難しくなるからです。

もし(1)の数値に問題がなかったとしても、想定と違うターゲットで店がにぎわっている場合、コンセプトと顧客ニーズのズレからリピーターが生まれにくい状態になっている可能性があるためチェックが必要です。逆に、(1)の数値が悪い場合は原因を特定するために上記の顧客情報を活用しましょう。

では、どのように分析するのがよいのでしょうか。まず最初に、自店が以下のパターンのどれに該当するかを把握しましょう。

・根本的に集客自体ができていない
・集客できているがターゲットが想定と全く違う
・ターゲットは集客できているが顧客行動が想定と違う


【根本的に集客自体ができていない場合】
・ターゲット設定が間違っている
→業態コンセプトとターゲットが合っているかもう一度確認しましょう。

・想定ターゲットが店を認知していない
→情報発信のツール選びにミスマッチがないか確認しましょう。

・想定ターゲットに来店動機が生まれていない(競合に負けている場合を含む)
→マーケティング(競合調査)と情報発信の内容に問題がないか確認しましょう。

・想定ターゲットが周りにいない
→マーケティング(エリア調査)や立地・物件選びにミスマッチがないか確認しましょう(目的来店狙いの場合は除きます)。

【集客できているがターゲットが想定と全く違う場合】
原因と対策は、上記にある【集客自体ができていない場合】と同じです。ただ、対処として、

・現状の客層をターゲットとして据え直す

も一案です。その場合、新たなターゲットを基に、コンセプトを含めて店づくりを見直しましょう。

1点、注意したいのは「想定と多少違う」程度であれば、この問題には該当しないということです。例えば、ビジネス層を狙っていたが、思ったよりファミリーが多いとか、20~30代を狙っていたがシニアも多いとか、男性メインの集客を考えていが、女性も意外と多いなどは、飲食店経営においてよくあることなので、決定的な問題とは言えません。むしろメインターゲット以外も幅広く集客できているので喜ぶべきことといってもいいかもしれません。問題は、想定したターゲットが少数(もしくは皆無)で、全く違う層がメインになっている場合です。

【ターゲットは集客できているが顧客行動が想定と違う】
想定したターゲットをしっかり集客できているのに、(1)健康診断の数値が悪い場合は、入店後の顧客行動が想定と違うことが考えられます。具体的には、前述した、

・客層
・利用シーン
・組人数
・回転率(滞在時間)
・客単価
・メニューごとの注文率
・ドリンク売上比率
・コース利用率


などが、想定と違うということです。これは、お客様に問題があるわけではなく、「そういう使い方をする店だ」とお客様に思わせてしまう情報発信や店づくりをしているか、「そういう使い方をするしかない」状況を生み出している店舗オペレーションに問題があります。つまり、「店舗設計」「情報発信」「QSCの磨き込み」のどれかに問題があるということです。

こうした顧客情報に関連する項目について、想定と違った状況に陥った場合は、状況に応じた対策を講じる必要があります。具体的にどんなときに、どんな対策が必要かは、後ほど紹介する「 経営不振の飲食店に起こる現象と対策 」をチェックしてみてください。

(3)情報発信の費用対効果チェック
店舗の数値と顧客情報以外に、もう一つチェックしたほうがよいのが、販促施策の費用対効果です。全く集客できていない場合は、情報発信が足りない可能性がありますし、想定したターゲットが集客できていない場合は、活用するツールや発信する内容がターゲットと合っていない可能性があります。また、新規客は取れていてもリピーターが増えていかない場合、リピーター向けの情報発信が不足していることが考えられます。

情報発信にかけているコスト(予算)や労力(工数)に対して、どれだけの効果を生んでいるか、チェックすることが重要です。

第4優先テーマ
「リピーター獲得」

リピーターの獲得は飲食店の安定した経営には欠かせません。大型ターミナル駅の構内、有名観光地、大型商業施設・空港など、来店客の9割が新規客だとしても集客力が落ちない(常時、新規客の割合が極端に多い)場所にある店は例外ですが、ほぼすべての店が取り組むべき施策といえるでしょう。

リピーター施策のためには、2回目の来店につなぐアプローチが必要です。その手段となる顧客情報(メールアドレス、住所、LINE登録など)を入手したり、会員カード作成やアプリのダウンロードを促すのも一案です。そこで手に入れたアプローチ手段を使って、来店の動機となる情報を発信したり特典付与などを行い、来店を促進していきましょう。

こうしたダイレクトなリピーター施策は、効果も可視化しやすいのが特徴です。一方で、わざわざLINEに登録したり、顧客情報をお店に渡すことはしなくても、心の中で「この店よかったから、またいつか来よう」と思ってくれる潜在的な(可視化できない)リピーターが数多くいることも忘れてはいけません。こういうライトなファン層をどれだけ生み出せるかがリピーター施策の最重要ポイントといえます。そのためにはQSCを磨き込むほか、お客様がどんな期待をしているのか、どんな部分に不満を持っているのかなどを接客中の会話やお客様アンケート、Googleビジネスプロフィールの口コミなどから吸い上げて店づくりに活かしていくことが大切です。

第5優先テーマ
「組織(チーム)強化策」

安定した経営の基盤となる最後の要素は、「組織の強化」です。1~4の施策をていねいに積み上げていけば、大崩れしない経営基盤を作ることはできるでしょう。しかし、それを何年も続けるとなると話は別です。

まず、経営者が明確なビジョンや目標、理念を打ち出して、社員やアルバイトの目線をそろえることに注力しましょう。

そして、経営者が現場に立たなくても、売上やQSCが維持できるように、店長を筆頭に現場が自走できる力を育てましょう。店の運営が経営者の手を離れれば、経営者は次の一手を考え、新たな事業や店舗展開などに使える時間を増やすこともできるはずです。

また、全幅の信頼を置いていた店長やシェフが独立したり、優秀なアルバイトスタッフが卒業や就職で退職するなど、人の入れ替わりによってQSCのレベルが下がることはどんな店にも起こりえます。その時に、新しい戦力を採用して育て、定着させるための体制づくりも重要でしょう。

そのためには、最初は経営者がすべてを行っていたとしても、ビジョンや経営理念を浸透させつつ、徐々に社員やアルバイトに責任のある業務を託し、自主性を重んじながら人を育て、組織を強くしていくことが大切です。成長できる環境を整備すれば、人材の定着率や採用率にも好影響があるはず。いくら売上を上げても人が育っていなければ、店舗展開もままなりません。強い組織=人が育つ組織と捉えて、チーム作りを進めていきましょう。

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経営不振の飲食店に起こる現象と対策

飲食店が経営不振に陥ると起こる現象と考えられる原因、対策をいくつか紹介します。

(1)集客力が上がらない
集客できない理由には、さまざまな要因があります。

前述した第3優先テーマ「想定と現実の乖離(かいり)改善」の(2)「顧客情報を基にした集客&利益の最適化」にある「根本的に集客自体ができていない」場合の対策が必要です。つまり、

・ターゲット設定が間違っている
・想定ターゲットが店を認知していない
・想定ターゲットに来店動機が生まれていない(競合に負けている場合を含む)
・想定ターゲットが周りにいない

のどれかに該当する可能性が高いです。「コンセプトを含めた店舗設計」「情報発信」「QSCの磨き込み」に問題がないか、改めてチェックしましょう。

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(2)席稼働率が低い
席稼働率を高める方法として、

・テーブルを4人用から2人用に変更する
・カウンター席の設置や拡充
・予約管理で空白時間を作らない
・相席の提案
・時間制の導入や徹底


などが考えられます。

(3)客単価が低すぎる(高すぎる)
想定より低すぎる場合は、

・松竹梅の価格設定戦略で真ん中の価格のメニューへの誘導を行う
・セットやトッピング、カスタマイズできるメニューを増やす
・接客時のサジェスト(提案)を強化する
・メニュー表のデザインを見直して単価アップにつながるメニューを目立たせる

などの方法があります。

一方で、高すぎる場合は、

・ハーフサイズや小皿料理など、小ポーションかつ安価で楽しめるメニューを増やす
・安いサイドメニューの充実
・ハッピーアワーなどライトな利用シーンを促す施策を行う

などの対策が有効でしょう。

(4)利益が出ない
薄利多売になりがちな飲食業において、利益を生む原則は「売上を上げる」か「コストを抑える」のどちらかです。

売上を上げるには、

・集客力(客数)を上げる→上記「(1)集客力が上がらない」へ
・席稼働率を上げる→上記「(2)席稼働率が低い」へ
・客単価を上げる→上記「(3)客単価が低すぎる」へ


があり、コストを抑えるには、

・食材原価の見直し(仕入先変更、ロス削減、メニュー変更など)
・人件費の見直し(DX化、オペレーション改善など)
・家賃交渉
・水道光熱費の削減策(エアコン清掃、LED導入、節水ノズル導入など)
・販促費の見直し(ツールごとの費用対効果の測定)


などが考えられます。

(5)回転率が低すぎる(高すぎる)
回転率が低すぎる(滞在時間が長過ぎる)場合は収益不足になり、高すぎる(滞在時間が短すぎる)と顧客満足度が低下したり、スタッフの疲弊の原因になります。

回転率が低すぎる場合は、

・提供スピードの改善
・食後にお茶やおしぼりを提供することで「締め」を意識してもらう
・時間制限を設ける


などがあり、回転率が高すぎる場合は、

・メニューの増強による注文数アップ
・コースの導入や拡充
・居心地の向上(座り心地のよい椅子など)


などが考えられます。

(6)リピート率が低い
リピート施策については、「QSCの磨き込み」を土台にしつつ、「リピート促進をできる手段を持っているか」「ターゲットに合ったツールでリピート促進できているか」「リピート促進のために発信している情報や付加価値(特典や割引)などは適切か」といった問題があります。詳しくは、以下の記事を参考にしてみてください。

飲食店の集客アップツール&方法18選!新規客&リピーター獲得のポイント解説

(7)QSCが上がらない
QSCを上げるためには、

・明確な目標・基準・条件を明示する
・定期的なチェックと改善のPDCAサイクルを回す
・目標達成時には正当に評価して意欲向上に努める
・覆面調査で第三者の目でのチェックを入れる


といった方法があります。

(8)人が採用できない、定着しない
採用に課題を抱えている場合は、

・競合などと比べた雇用条件の見直し
・募集ツールや告知方法、発信する内容の見直し
・採用対象の見直し(学生や主婦、外国人、スポットワーカーなど)
・採用スタイルの見直し(リファラル採用、インナー採用など)
・面接方法の見直し


などが考えられます。

また、定着率を上げたい場合は、

・面接方法の見直し
・研修などによる理念・哲学の浸透
・定期的な面談などのコミュニケーションの質と量を上げる
・評価制度の見直し
・労働環境の見直し
・まかないや福利厚生などの充実


などが有効でしょう。

(9)人が育たない
人が育たない場合の対策としては、

・教育カリキュラムの整備
・OJT(実際の仕事を通じて知識や技術を指導する教育手法)のブラッシュアップ
・バディ制の導入
・すぐに成果を求めず、まずは任せて、成果をほめて成長を促す

などが考えられます。

経営が軌道に乗った後に考えるべきこと

1店舗目の経営が軌道に乗った後、経営者には次の判断が迫られます。現状維持を目標にすると、会社は必ず下降線を辿っていきます。会社の成長・発展は、単純に年商を上げるためだけでなく、人が集まる魅力的な店・企業であるためにも必要です。新しい挑戦をしない企業に人は長くいたいとは思いません。社員やアルバイトのモチベーションのためにも、経営者には次の目標を提示することが求められるのです。

(1)既存店舗のブラッシュアップ
一つの選択肢として、店舗展開は行わず、1店舗を長く繁盛店として経営していくという判断があります。長く地元に根付くことで、何世代にもわたるリピーターを獲得できますし、安定志向で離職のリスクが低い人材が集まりやすくなる可能性もあります。

ただ、先述した通り、挑戦や成長・発展を望む人には物足りなさを感じさせてしまう可能性があります。また、食材高騰や感染症拡大、食中毒など、さまざまなリスクを1店舗でカバーできるか、という問題も考慮したほうが良いでしょう。

(2)店舗の拡大
1店舗の経営が安定したら、新規出店によって事業拡大を狙う戦略を取る経営者も多いです。会社全体の売上向上はもちろん、さまざまなリスクを分散することもできます。また、育った人材を責任あるポジションで活躍させる場も提供できますし、いろいろな業態を展開すればノウハウや強みを増やすこともできるでしょう。

多店舗展開には、同業態を多店舗化するパターン(直営店舗展開、のれん分け・社内独立、フランチャイザー本部運営など)と、異業態展開(自社開発、FC加盟、M&Aなど)があります。

また、店舗展開の戦略としては、

・ドミナント戦略(特定のエリアに集中して出店する戦略)
・フラッグシップ(旗艦店)戦略(集客の旗印となる旗艦店を打ち立てる戦略)
・マルチブランド戦略(複数の異なるブランドを展開していく戦略)


などがあります。

【ドミナント戦略の成功事例】
「原価ビストロチーズプラス」をヒットさせ、多業態ドミナント展開へ。株式会社THAN・織田代表が描く成長戦略

さらに、店舗展開を進めていくには、

・資金調達
・人材育成
・仕入れ調整(取引先の開拓やセントラルキッチン導入など)
・物件探し(マーケティング含む)
・新規ブランドの開発や既存ブランドの展開用ブラッシュアップ
・販促(情報発信)
・複数店舗管理のためのDX化や組織体制構築


といった要素が必要になるので、計画的に事業を進めることが必要です。

(3)事業の多角化
さらに、店舗展開以外にも事業を発展させていくために、飲食業以外に参入して事業を多角化する方法もあります。

具体的には、

・テイクアウト
・デリバリー(ゴーストレストラン含む)
・ケータリング(出張料理含む)
・キッチンカー(イベント出店含む)
・料理教室
・EC
・小売業
・生産&加工事業
・清掃事業
・飲食業プロデュース(コンサルタント)


などです。

飲食業で育んだ知見やノウハウ、人材を活かしてさらなる売上アップや会社としてのポテンシャルを引き出すことが可能です。もちろん、それぞれにリスクもありますので、本業である飲食業がおろそかにならないように、慎重に事業計画を進めましょう。

経営者たちの成功事例

経営者には、人それぞれスタイルがあり、成功のポイントもさまざまです。繁盛店を生み出し、事業を成功に導いた経営者たちの歩みや業態開発・人材育成の考え方などをご紹介します。

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「リーダーたちの現在地」記事一覧

他業態のいいとこどりでヒット業態を開発
株式会社ジュネストリーの代表取締役・東明 遼 氏は、「鶏ヤロー」や「鳥貴族」など、すでにヒットしている業態の強みを見出し、自分なりのアレンジを加えることで「均タロー」「魚えもん」などのヒット業態を生み出しました。

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繁盛店「均タロー」を生んだジュネストリー・東明 遼 氏のヒット業態開発術
老舗居酒屋をDX化で組織改革
株式会社マネージファイブの代表取締役・池田 大祐 氏は、昭和50年代に創業した老舗居酒屋を継いだ2代目です。先代が残した会社のいいところを継承しつつ、DX化などによる組織改革を行うことで、経営の刷新を進めています。

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老舗焼き鳥居酒屋を継いだマネージファイブ2代目社長の“人と会社が育つ”DX&組織改革
「鰻の成瀬」FC成功戦略
フランチャイズビジネスインキュベーション株式会社の代表取締役社長・山本 昌弘 氏は、人気ブランド「鰻の成瀬」の生みの親。ヒットFCブランドを開発した背景には、綿密で合理的なブランド設計がありました。

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「鰻の成瀬」山本昌弘社長に聞く|2年で300店舗を実現した急成長の舞台裏

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まとめ

飲食店の経営は簡単ではないからこそ面白く、成功するための方法も千差万別です。しかし、どの繁盛店にも共通しているのが「顧客満足度を高めるためにQSCを磨き込んでいること」で、成功している企業に共通しているのが「従業員満足度を高める組織づくりに尽力していること」です。

自分のやりたい店づくりばかりに固執せず、「社会は何を求めているか」「お客様は何を求めているか」「従業員は何を求めているか」にも目を向け、生産者や仲介業者を含め、お店にかかわるすべての人々が幸せになれるような経営を目指していただきたいです。

株式会社ぐるなびでは、そうした飲食店様の経営のサポートをするべく、「楽天ぐるなび加盟プラン」による集客アップをはじめ、Googleビジネスプロフィールの運用サポート「Googleビジネスプロフィールまるごとサポート」や飲食店向け台帳システム「ぐるなび台帳」などのサービス・ツールを提供しています。ぜひ、集客アップや安定した経営基盤を作るためにぐるなびのサービス活用をご検討ください。

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