餃子と焼味(シュウメイ)の二枚看板で差別化。最高月商が560万円超に!~「餃子そして焼味 巣王(すわん)」(大阪・堺筋本町)~

大阪・堺筋本町駅近くにある「餃子そして焼味 巣王」は、餃子と広東料理で代表的な「焼味」を看板に、他店と差別化。客層、利用シーンともに幅広く獲得し、2022年12月には坪月商30万円を達成した。

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目次
顧客満足度を追求することで店舗力が上がり、売上や利益にもつながる
【POINT1】餃子と焼味をメインに据え、メニューを磨き上げる
【POINT2】オリジナルドリンクと自然派ワインで特徴を打ち出す
【POINT3】スタッフがチーム意識と経営視点を持ち、店舗力を高める

顧客満足度を追求することで店舗力が上がり、売上や利益にもつながる

餃子そして焼味 巣王(大阪・堺筋本町)
大阪府大阪市中央区南久宝寺町3-1-3 ペリカンビル1F
https://r.gnavi.co.jp/1jwccwza0000/
堺筋本町駅から徒歩約6分。餃子だけでなく、肉類をあぶり焼きした「焼味」(シュウメイ)などの香港広東料理を提供。同じビルに系列の2店舗が入居している。

 大阪の地下鉄・堺筋本町から徒歩6分のところにある「餃子そして焼味 巣王(すわん)」は2021年7月オープン。餃子のほか、豚や鴨、鶏などの肉類に下味を付けてあぶり焼きにした中国料理「焼味(シュウメイ)」を二枚看板に、香港広東料理を提供する。ビジネス層やファミリー、カップルなど幅広い層が来店し、接待や誕生日などの記念日利用のほか、平日の夜は一人客も獲得。顧客満足度を追い求めて徐々に売上を伸ばし、2022年12月に最高月商565万円を達成した。

アジアと欧州の文化をミックスさせたレトロモダンな内装。店内は系列店のラーメン店とフロアをシェア(全体で25坪、「巣王」で18.5坪)している

 運営するのは、グラフィックデザインや企業のブランディングなどを手掛けるヴェネーション株式会社。代表の中島徹氏は、顧客である飲食店をサポートする中で、飲食業への理解を深めようと、2015年に「BAR DUCK22」(大阪・堺筋本町)を出店。2018年にはラーメン店「みんなのらぁ麺 阿飛龍(あひる)」(同)をオープン。そしてコロナ禍を迎え、テイクアウトの盛り上がりを感じ、テイクアウトに強い業態として「餃子そして焼味 巣王」を出店した。中島氏は「『巣王』の出店は決めたものの、餃子だけでは周辺の大衆中華や餃子業態に負けてしまうと考え、『焼味』をメインに加えました」と振り返る。

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【POINT1】餃子と焼味をメインに据え、メニューを磨き上げる

表面をカリッと焼いた「脆皮焼豚肉」(クリスピーローストポーク)(1,500円)が看板メニューの一つ。好みで辛子、甜麺醤(テンメンジャン)、梅ジャム(写真奥)を付けて食べる
人気の「巣王の焼餃子」(写真奥/6個450円)と「大葉餃子」(同手前/500円)。開業前に静岡・浜松でスタッフとともに食べ歩き、試作を重ねた。優しい風味に仕上げており、テイクアウトの需要も高い

 自慢の「焼味」は、「叉焼(チャーシュー)」(1,600円)と「脆皮焼豚肉(クリスピーローストポーク)」(1,500円)が人気。「脆皮焼豚肉は、皮目を窯でカリカリに焼き上げる料理で、手間はかかりますが、本場の味を知るお客様が喜んでくれ、リピートにもつながっています」と中島氏。そして、「焼餃子」は、豚肉と野菜をその日の状態に合わせて練り合わせ、ジューシーに仕上げている。そのほか、季節によって内容を変える「前菜盛合」(1,100円)の注文率も高く、一人客に対応するため「夜定食」(1,300円~)も用意。また、2022年11月からは、土・日曜日限定で“チャイニーズアフタヌーンティー”として、点心が5種選べ中華粥や中国茶が付く「天天湯気コース」(2,750円)も提供し、使い勝手の幅を広げている。

アラカルトの人気メニューを盛り合わせた「前菜盛合」(1,100円)。浅漬けのザーサイや、ローストしたピーナッツ、自家製ラー油を使った舞茸のオイル漬けなど酒肴にもなる一品を盛り合わせている
  • 餃子や点心のほか、本格的な香港広東料理をラインナップ。利益を確保する上でも「リーズナブルなものも置くが、安売りはしない」(中島氏)というスタンス
  • 一人でも気軽に利用できるように、「夜定食」も用意。唐揚げや麻婆豆腐など人気メニューが手軽に食べられるため、近隣で働く人や常連客に喜ばれている

 どの料理にも言えるのが、常にメニューを磨き込んでいること。試作段階だけでなく、既存メニューも調理工程や味付けを工夫しながら「よりおいしく」を目指して、ブラッシュアップ。また、化学調味料を極力使わないことも特徴だ。「化学調味料を加えることで素材本来のおいしさが損なわれてしまったり、また“子どもに安心して食べさせられるか”を考えれば、化学調味料は極力使いたくないと考えました。ワインなどの酒に合わせるためにも、化学調味料を使わないほうが味わいが豊かに感じられると思います」(中島氏)。

【POINT2】オリジナルドリンクと自然派ワインで特徴を打ち出す

レモンの果肉以外を使う「酎ハイレモンサワー」(写真前列一番右/770円)や中国の薬膳ドリンクをヒントに開発した「酸梅湯(サンメイタン)サワー」(同右から2番目/770円)などのオリジナルドリンクのほか、「ナチュールワイン」(800円~)もラインナップ

 ドリンクは、系列店である「BAR DUCK22」のバーテンダー監修のアルコール類が評判。レモンの皮などを使ってほろ苦い味わいに仕上げた「酎ハイレモンサワー」や「GINレモンサワー」(ともに770円)など、オリジナリティーの高いメニューがそろう。また、自然な製法で作られた「ナチュールワイン」(880円~)もラインナップ。料理や注文客の好みに合わせて、提案することもあるという。

ドリンクは系列店のバーテンダーが開発し、オリジナリティーの高いメニューが並ぶ。ノンアルコールドリンクも用意しており、クラフトコーラ「SUEWANGコーラ」(600円)には根強いファンがいるという

 また、ノンアルコールドリンクでも特徴を打ち出しており、中国料理で使われるスパイスを使って作るオリジナルのコーラ「SUEWANGコーラ」(600円)や中国茶などを提供。アルコール、ノンアルともにさまざまな楽しみ方を提案し、他店と差別化を図っている。

【POINT3】スタッフがチーム意識と経営視点を持ち、店舗力を高める

代表の中島氏がスタッフに提示している7つのルール。満足度の高いサービスを提供するために人材育成にも力を入れている

 スタッフ一人一人の意識を高めるための取り組みも行っている。チームとしての方向性を示したのが「セブンルール」。中島氏は「人として忘れてほしくないことをまとめました。お客様に対して格好悪いことはしてほしくない」と話す。

 そして粗利が出た際は、社員にインセンティブとして給与に反映するなど、意欲的に働ける環境づくりにも取り組んでいる。「お客様の満足度を上げて喜ばれることが、売上につながって給与も上がっていくんだということを伝えています。売上が悪かったのであれば、何が悪かったのかを考え、次の営業に生かすことが重要」(中島氏)。スタッフが経営視点を持つことで、顧客満足度が追求され、店舗力が上がっていくという好循環を生み出している。

 中島氏は「私たちの店はどれもスロースタート。『巣王』はまだまだ発展の途上で、いかに顧客満足度を上げ、店やスタッフを成長させるかが課題」と話すが、2022年4~12月の平均月商は約340万円、最高月商は565万円となり、繁盛店の仲間入りを果たしている。今後は、新たな出店も視野に入れ、新業態の開発も手掛けていく方針だ。

ヴェネーション株式会社 代表取締役社長 中島 徹 氏
音楽関係の仕事からグラフィックデザイナーに転身。31歳でデザイン会社を立ち上げ、現在はデザインと飲食の2軸で事業を展開している。

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