チャーシューは良いですよ、よく売れる
「子供の頃はいろんなことに興味関心をもつタイプで、それは大人になっても変わりませんでした。スポーツをしないのに、いろいろなスポーツのルールを知っているとかね。オリンピックでモーグルが一躍有名になる前から、ルールは頭にばっちり入っているなんてこともありました(笑)。だから私のエネルギーのほとんどは、“新しいことを知る”に注がれているのかもしれません」(高橋氏)。
コロナ禍で当たり前となった、デリバリー販売や、サブスク販売(定額販売)、セルフオーダーの導入など、福しんではコロナ禍前から既に取り組んでいた。コロナ禍になってからは、厨房機器メーカーから冷凍自動販売機の第1号機が発売されたことを友人のFacebookで知るやいなや、その日のうちに代理店と商談。商談から1カ月後には福しんの店頭に冷凍自販機は並んでいた。このように情報を見つけてきて“これだ!”と直感したときの行動力とスピード感はすさまじい。
冷凍食品販売の手応えについて伺うと、「商品は専門性という観点からスーパーよりも少し高く、でも利便性の観点からコンビニよりも安い価格に設定しました。また、本格的なチャーシューは、最近はスーパーや肉屋で見なくなりましたよね。だからチャーシューが手軽に購入できるという点で売れるなと思い販売したところ、実際、よく売れました。チャーシューは良いですよ」(高橋氏)。
福しんの冷凍自販機は、1台あたり月間25~30万円を売り上げており、売上の低いもので8~10万円を売る。
工場敷地内にある、冷凍自販機が爆発的に売れた理由
これは余談だが、冷凍自販機の1号機が発売されたのは2021年1月。福しんは4月には自販機販売を開始したところメディアにも注目され報道されると1台300万円を売り上げたこともあった。高橋社長の”新しいことを知る”への探求心が、結果的にメディアを呼び宣伝活動の一助になったのだから、いろんなことに興味関心をもてる社長って強い。
よく食べ・よく飲む昭和の男性から、小食男子の増加
コロナ禍で生活様式が変化したことは周知の事実だが、最近、高橋社長が感じるのは男性の小食化だ。福しんは、サラリーマン向けに安くてお腹いっぱいになることでお客様に喜んでいただくことを大切にしてきたが、20、30代の男性はそれを求めていないとつくづく感じるという。これまでサラリーマン向けに店舗づくりをしてきたが、団塊世代の高齢化などから福しんのターゲット市場は縮小してきている。
そこで、2020年3月に今までの福しんのイメージを刷新する新店舗をオープンした。
「新しい店は、平日は会社帰りのお客様を、土日は家族客をターゲットにしています。今までの店と異なり、間口は大きく、明るい雰囲気のお店です。店づくりでは“お母さんたちに支持される店”を大切にしています。例えば、注文はタッチパネル式のセルフオーダーにしているのですが、これは小学生未満のお子様って、急に食べたい物が変わるなど、家族全員の注文が決まるまで待つというのは、意外とお母さんにとってはストレスを感じるところ。そういう負担を少しでも減らしたいと思い、セルフオーダー端末を導入しています」(高橋氏)。
今後生き残るのは4つのオーダー
高橋社長は飲食店で生き残るオーダーは4つだという。
1.タッチパネル式のセルフオーダー。注文者のタイミングで注文ができることから、特に小さいお子様のいる家族客にはぴったりのオーダーだ
2.モバイルオーダー。画面を見せ合いながらメニューを選ぶところに楽しさがあり、お酒を出す業態に向いている
3.券売機。これはラーメン店のような基本的に1オーダーのお店向き
4.手書き伝票。客単価の高い店や雰囲気重視のお店に合う
このように、なんとなく知識として分かっていることでも、高橋社長は自分の目で見て体験して、仮説を立て結論を出す。結論を出したら“ 人に話す” までを行うことを日頃から心がけているとのこと。話すことでフィードバックをもらい、自分の考えや仮説が正しいかを確認しているのだ。
現在、31店舗の内10店舗は新しいモデルの店だ。店内は木目調の家具を配置し、明るく、店の間口も広く家族客が来店しやすい。
既存店の標準が17坪、カウンター10席、テーブル2つだったところを、新店舗ではカウンター10席、テーブル4つ(可能なら6人席)を配置するなど、テーブル席の割合を大きくしている。今後、既存店を新しいモデルの店舗に改装することも計画しており、改装により売上は20%増を見込んでいる。
福しんの売上高は約24億円。2019年比で約15%増と業績は好調だ。新しいモデルの店舗を出店させることでさらなる成長を見込んでいる。
取材協力:「株式会社福しん」 代表取締役 高橋 順氏
東京都豊島区目白5丁目31番3号
03-5982-0061
https://r.gnavi.co.jp/brand/3670a064/
※株式会社テンポスホールディングス刊「スマイラー」94号より転載
■飲食業界誌「スマイラー」
「スマイラー」公式サイトはこちら!
飲食店の集客や販促は「ぐるなび」におまかせください!
「ぐるなび通信」の記事を読んでいただき、ありがとうございます。
「ぐるなび」の掲載は無料で始められ、集客・リピート促進はもちろん、予約管理や顧客管理、エリアの情報提供などについて、飲食店のあらゆる課題解決をサポートしています。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
▼詳細はこちらから
0円から始める集客アップ。ぐるなび掲載・ネット予約【ぐるなび掲載のご案内】