2024/01/04 特集

【注目の経営者へ10の質問】株式会社やる気カンパニー 代表取締役 山本高史氏

店舗展開が進み、組織が大きくなっていく過程で、経営者はさらなる成長を求められる。店を繁盛させ、より会社を強固にしていくためには何を学び、取り組むべきなのか。今注目したい気鋭の飲食店経営者に、10の質問に答えていただいた。

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2024年の戦略について、注目の経営者に10の質問でインタビュー。2023年を振り返つつ、今後の出店・事業計画や人材・食材高騰といった課題への対応、インバウンド対策・海外事業の展望などについて聞く。第1回は、株式会社やる気カンパニーの代表取締役・山本高史氏。

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目次
1.2023年の振り返り
2.2024年の展望(出店・事業計画)
3.人材対策(採用・育成)
4.食材高騰対策(対策内容と成果)
5.インバウンド対策・海外事業
6.DX化に関する取り組み
7.いま注目しているトレンドや業界動き、店舗、業態
8.座右の銘 
9.趣味・日課にしていること
10.将来、必ず実現したい夢・目標 

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唯一無二の付加価値で、「ちょっと高くても、また行きたい店」をつくる

株式会社やる気カンパニー 代表取締役 山本高史 氏

1990年5月、徳島県生まれ。高校卒業後、飲食業を志し上京。飲食店でアルバイトとして働き、ORES COMPANY inc.の山本昇平氏の知遇を得て、氏から立て直しを託された赤字店舗「山本のハンバーグ」を4カ月で大幅黒字に転換することに成功。この実績が認められて店を譲り受け、2013年9月、23歳で独立を果たす。2016年、株式会社やる気カンパニーを設立。2017年、オリジナル業態「天ぷら串 山本家」をオープン(東京・赤坂、のちに閉店)し、同業態を新宿恵比寿八重洲に拡大。2021年9 月に「博多おでんと自然薯 よかよか堂」を、2023年3月に「博多小皿鉄板 べっぴんしゃん」をともに新宿御苑エリアに出店し、人気を博している。

1.2023年の振り返り

2023年は、店もお客様もやっと新型コロナウイルス感染症を気にせずに飲食を楽しむことができる1年でした。

実は、当社の「天ぷら串 山本家」は3店すべてがディナー営業のみで、土・日曜日と祝日は休み。1号店が赤坂のビジネス立地だったことと、スタッフに家族とすごす休日を保証したかったからです。2号店以降の恵比寿、八重洲、新宿御苑がランチにも土・日曜日にも強いことはわかっていましたが、なかなか切り替えができませんでした。

ところが、コロナ禍によって夜の営業に制限が加わり、平日営業が振るわなくなったことが、ランチと土・日曜日の営業に舵を切るきっかけになりました。今では既存店の売上はコロナ禍前の2〜3倍にまで成長。コロナ禍を経て、僕たちも強くなったと実感しています。

お客様は以前にも増して飲食店をよく調べてから来店されます。行きたい店、食べたい料理がはっきりしているのです。だからこそ、家では食べられない“ちょっと贅沢な外食体験“を提供することが、ますます重要になっていると感じます。当社の2業態「博多おでんと自然薯 よかよか堂」と「博多小皿鉄板 べっぴんしゃん」は、そうしたニーズに応える業態としてさらに成長させようと考えています。

  • 2023年3月オープンの「博多小皿鉄板 べっぴんしゃん」。入り口
  • 店内カウンター席

【詳しい記事】
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2.2024年の展望(出店・事業計画)

2024年の外食市場は、アフターコロナの勢いが爆発的に加速し、昨年以上に活況を呈すると見ています。そのぶん差別化が進み、淘汰される店も増えてくるでしょう。したがって、価値ある店づくりがとても重要です。誰もが知っているわかりやすい料理に、当社ならではの価値をプラスして、「ちょっと高くても、また行きたい店」を作ることが目標です。

今期(〜2024年5月末)の出店は少なくとも2店。将来的には、現在の3つのブランド(天ぷら串、 おでんと自然薯、小皿鉄板)をそれぞれ3店舗以上に拡大します。まずは「おでんと自然薯 よかよか堂」をより高級感のあるおでん業態に育て、恵比寿や中目黒といった感度の高いお客様が多いエリアを狙います。

  • 2021年9 月オープンの「博多おでんと自然薯 よかよか堂」。入り口
  • カウンター席

【詳しい記事】
博多おでん・自然薯の二本柱で季節を問わず集客し、最高坪月商68万円! 博多おでんと自然薯 よかよか堂(東京・新宿)

3.人材対策(採用・育成)

採用は、基本的に既存スタッフからの紹介で、定着も良好。従業員の満足度を高く保つことが、よい採用につながります。

当社の飲食店は「人」の要素がとても大切。スタッフが変わると、すぐに売上に現れます。今は人材には困っていませんが、今後、店舗数が増えてくると、店を担う優れた人材の育成と確保が課題になってくることは明らか。そのときに最も大切なのは、他社にも他業種にも引けを取らない労働環境・労働条件です。この点にもしっかりと目配りし、優秀な人材を育てていきます。

「共に学び、共に成⻑、共に繁栄します」が山本氏の教育理念

4.食材高騰対策(対策内容と成果)

誤解を恐れずに言えば、「いつでも値上げができる店」になることが、食材高騰への最も有効な対策ではないかと考えています。低価格競争では大手にかないません。他店より安くなくても来てもらえる店であり続けることが、何よりの対策になるのです。

そのためには「比較されにくい業態」の開発も必要です。例えば、焼肉店はメニューの一部がほぼ同じですから、比較されやすい。逆に付加価値が際立つ業態であれば、値上げが客数減にはつながりにくいはずです。僕たちらしい価値の創出で、今後も続くであろう物価高を乗り越えていきます。

5.インバウンド対策・海外事業

現時点ではインバウンドに対して特別な販促は行っていません。日本人のお客様で満席になりますし、近隣に住んでいる方の来店も多いので、そこは大切にしたいポイントです。

ただ、「博多小皿鉄板 べっぴんしゃん」を出店したことで、鉄板焼きとワインがインバウンドに強いことを実感しました。特別な販促は何もしていないのですが、外国人の旅行者がフラッと来店される例が多いからです。今後の当社の展開によっては、インバウンドも視野に入ってくると思います。

さらに、2024年は海外進出も本格的に開始します。アジア、特に僕の父が長年住んでいて、僕自身も何度も行き来したなじみのあるタイでの出店を探ります。

6.DX化に関する取り組み

「早く・安く」という業態ならDXは必須だと思いますが、現在の当社の業態は「人」の比重がとても大きいので、お客様と接するシーンにおけるDXは考えていません。タブレットなどによるセルフオーダーも導入していません。オーダーはお客様と接する大切なチャンス。それを削ってしまったら差別化がしにくくなるからです。

もちろん、お客様と接しない部分でのDXは取り入れていますし、今後も注目していきます。

7.いま注目しているトレンドや業界動き、店舗、業態

2023年は「土鍋ご飯」が流行りました。昔から親しまれてきた料理はやはり強いです。2024年は「小皿料理」が注目されるのではないでしょうか。コースよりもアラカルト、大皿より取り分けが好まれる傾向が感じられますし、食べたいものを少しずつ楽しむニーズも強いです。

誰もが好きななじみ深い料理にしっかり手をかけ、一皿一皿を丁寧に提供することが付加価値につながります。その現れの一つが小皿料理ではないかと思うのです。

「おでんと自然薯 よかよか堂」のメニューで、あごだしを用いたオリジナルの「博多おでん」。味付けや薬味を変え、一皿ずつ小皿で提供する斬新さで他店との差別化

8.座右の銘

「人事を尽くして天命を待つ」。高校時代の野球部の監督、井上力先生に言われた言葉です。独立する前、赤字の店を4カ月で立て直さなければならなかったとき、自分ができることは何かをがむしゃらに考え、実行しました。荒削りで必死だった時期……。そのときも、この言葉を思い出しました。

9.趣味・日課にしていること

月・火曜日の定休日を利用して、毎週、地方に行くことが、現在のルーティン。東京は最先端ではあるけれど、東京にないものがあるのは地方。食材や酒、目当ての蔵元や店など、毎回、何かテーマを持って日本全国を訪れています。

10.将来、必ず実現したい夢・目標

コロナ禍前までは、年商や店舗数などの「数字」を追いかけていましたが、今は「飲食業で稼げる会社」を作ることが目標です。やりがいはもちろんですが、給料・休日・福利厚生などのすべてのジャンルで、他職種に負けない飲食企業を実現したいです。

■企業情報
会社名:  株式会社やる気カンパニー
設 立:  2016年6月1日
代表者:  代表取締役 山本 高史
事業内容: 飲食店経営、店舗開発プロデュースおよびコンサルタント
本社所在地:東京都港区赤坂6-7-7 デュオフラッツ赤坂303
https://www.yaruki-co.jp/company/index.html


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