「ただの焼肉店ではない」と称される、小さな焼肉店
福岡市東区、馬出九大病院前駅(天神駅から福岡市営地下鉄で4駅)から徒歩3分。飲食店が集まるエリアではないこの場所に、ひときわ異彩を放つ焼肉店「焼肉ホルモン 人生大ちゃん」が誕生した。
東京・三軒茶屋の「神戸焼肉かんてき本店」で店長を務めた大山 大鐘(だいしょう)氏が、2022年3月に独立。父が経営するコインランドリーの隣に、9坪・全18席(カウンター4席、テーブル14席)を構えた。コロナ禍のオープンながらも堅調に売上を伸ばし、平均坪月商は60万円、年商にして6,500万円に達している。
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約9坪のコンパクトな店内には、カウンター6席、4人掛けテーブル2卓、6人用掘りごたつ式テーブル1卓を配置。どの席にも目が届く設計で、店全体のオペレーションを最適化している -
柵取りせずに提供する自慢の塊肉が並ぶショーケース。横に飾られている神戸市場銘柄牛販売促進会「優秀牛」の表彰盾が、仕入れへのこだわりと品質の高さを物語る
天神や博多駅といった繁華街から離れているにもかかわらず、開業からわずか数カ月で、全国の焼肉愛好家や同業者の注目を集める存在に。お忍びで訪れる芸能関係者も少なくないという。「ただの焼肉店ではない」と称される理由を探るべく、店主の大山氏に話を聞いた。
焼肉ホルモン 人生大ちゃん
業態:焼き肉
席数:18席(カウンター4席、テーブル14席)
客単価平均:8,000円
客層:30~50代のカップル・グループ、男女比6:4、同業者多い
アクセス:福岡市営箱崎線 馬出九大病院前駅 1番口から徒歩4分
営業時間:17:00~23:00(L.O22:00)、昼は事前予約で対応可能。不定休
https://r.gnavi.co.jp/kpjce5u90000/
https://www.instagram.com/yakiniku_horumon_daichan/
繁盛へと導いた、3つのポイント
【POINT1】カットの技術で、希少なブランド牛をロスなく提供
【POINT2】短期間でスキルを磨ける環境が、安定した店舗運営を支える
【POINT3】経営が個人から組織へ移行し、ブランド力を確立
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【POINT1】カットの技術で、希少なブランド牛をロスなく提供
「焼肉ホルモン 人生大ちゃん」の成功を支えるのは、大山氏の仕入れとカット技術にある。前職「神戸焼肉かんてき」時代に築いた特別な仕入れルートにより、希少な但馬牛や太田牛を手に入れることができることが強みだ。一方で、一般的な焼肉店ではブロック肉を柵取りし、厚切りで提供することが主流だが、大山氏は「但馬牛や太田牛の本来のうま味を引き出すには、適切な薄切りが不可欠」と考え、薄切りの技術を磨き続けてきた。
「東京時代は10年間で累計10万人近くのお客様に肉を提供してきました。その経験を重ねる中で、柵取りをせずに肉の繊維を潰さないカット方法を習得したんです。刃の入れ方、包丁の角度、スピードのすべてを計算し尽くしています」と大山氏は語る。
この薄切りの技術は、誰もが簡単に習得できるものではない。実際、大山氏のもとには全国から肉職人たちが学びに訪れるほど。その精密なカット技術により、ロスを最小限に抑えながら、希少な但馬牛や太田牛を他店よりも割安に感じる価格で提供することを可能にしている。
【POINT2】短期間でスキルを磨ける環境が、安定した店舗運営を支える
2022年3月の「焼肉ホルモン 人生大ちゃん」開業を皮切りに、大山氏は2023年9月に「神戸焼肉かんてき春吉店」をプロデュース、2024年9月には「神戸焼肉 大山」を西中洲にオープンと複数の店舗を運営し、その勢いを加速させている。
現在、大山氏は「神戸焼肉 大山」に立ち、「焼肉ホルモン 人生大ちゃん」は、若手店長に任せている。小規模の店舗では、1人のスタッフが包丁技術、肉の管理、接客、会計まで、多岐にわたる業務をこなすことが求められる。「大切なのは、常連さんが来られたときに『このお客様はこのメニューをオーダーするだろう』と先回りして準備を始められること。そのためには情報収集及び管理能力が必要不可欠なんです」と大山氏は語る。
短期間で幅広いスキルを習得できる環境は、人材の成長を促す一方で、人材確保にもつながり、安定した複数店舗の運営を実現している。
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【POINT3】経営が個人から組織へ移行し、ブランド力を確立
「焼肉ホルモン 人生大ちゃん」のブランドが確立されるまでには、大山氏自身の存在感が大きかった。オープン当初は、大山氏が提供する肉が話題となり、訪問客がその体験をSNSで発信。美しく肉が盛り付けられた大皿を持つ大山氏の写真がSNSで拡散され、同業者の発信も後押しする形で、「ここに行ってみたい!」という声が広がり、来店者が増えていった。
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数量限定の人気メニュー、まるでステーキのような厚さの「極厚タン」(3,630円)。主に和牛タンの根元部分を贅沢(ぜいたく)に使用し、ジューシーで驚くほど柔らかな食感が特徴 -
見た目にも美しい艶を放つ「黄金のレバ焼き」(1,100円)。厳選した和牛レバーの中でも新鮮なもののみを提供。上質なレバーならではのうま味とうま味を存分に楽しめる
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その日の仕入れにより内容が変わる「ほるもんMIX」(1,650円)。ミノや小腸、ギアラなど、多彩な部位の異なる食感とうま味を楽しめる一皿。噛むほどに広がる濃厚なうま味が絶妙! -
京都の伝統野菜「こと九条ねぎ」を使用した「パジョリ」(730円)。特製のごま油ダレで和え、香りとシャキシャキした食感が、肉のうま味をさらに引き立てる
しかし、集客の軸は大山氏の発信力だけではない。前述にあるように、柵取りをしないことでロスを最小限に抑え、その分、但馬牛や太田牛を提供する他店よりも割安に感じる価格で提供し、焼き方の指導や接客に至るまでこだわり抜いた結果、一度の来店で高い満足感を得た客がリピーターとなり、自然とクチコミが広がっていった。顧客満足度の高さが、持続的な集客につながる大きな要因となったのだ。
現在、自身のSNSへの露出は減ったものの、経営の主体が個人から組織へと移行し、「焼肉ホルモン 人生大ちゃん」ブランドは、すでに確立されている。今後もこのブランド力を活かしながら、大山氏は新たな業態への挑戦や、さらなる事業拡大を視野に入れている。
2022年の開業から3年経たずしてここまで成功しているのは、大山氏の技術力と経営手腕、そして「大ちゃん(大山氏)を応援したい」と思わせる人柄に裏打ちされている。今後の展開として、まずは「焼肉ホルモン 人生大ちゃん」業態のさらなる拡大を目指しており、その一方で、大山家の本家である小倉「順光苑」の味を受け継ぎ、1店舗は残したいと考えているという。
「『神戸焼肉かんてき』の社長にも、父にも恩返しがしたい」と語る大山氏。飲食業界の中で確固たる地位を築きつつも、現状に満足することなく、さらなる挑戦へと歩みを進めている。
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