立地の需要を見極めた「大衆焼肉店」が大ヒット
地下鉄栄駅から徒歩5分、名古屋随一の繁華街に立地する「炭火焼肉くぐ琉」は、名古屋市を中心に焼肉店などを展開する株式会社Serge源‘sが運営する大衆焼肉店。2023年8月、約15年運営してきた焼肉店(旧「源’s 栄町支店」)を大幅にリニューアルした。
以前は5,000~7,000円だった客単価を3,500円まで抑え、リーズナブルさを打ち出すことで20~30代を中心に幅広い層の取り込みに成功した。総席数は30席(宴会時の最大収容数50人)の規模ながら、平均月商約1,300万円、最高月商1,900万円超えを達成している。
-
祭りを思わせる居酒屋風の内装に。収納ボックスになる椅子を採用し、衣類の保護や魅せる空間につなげている -
あえて炭火にこだわり、炭で焼く肉のおいしさを最優先
「炭火焼肉くぐ琉」の独自戦略の一つが、立地を活かした24時間営業だ。ランチからディナー、深夜帯に至るまで、時間帯ごとに異なる客層のニーズをつかみ、月の来店数は6,000人ほどに。また、高品質の牛肉をリーズナブルに提供するため、京丹波のブランド黒毛和牛「平井牛」の一頭買いを決断。この肉のうま味を引き出すために採用したのが、京都の焼肉スタイル「洗いダレ」だ。濃厚なタレに絡めた肉を専用の七輪で焼き、その後はダシを利かせた2種類のタレにくぐらせ、余分な脂を洗い流して肉本来のうま味を引き出す。
炭火焼肉にあえてこだわり、インパクトが強い独自の洗いダレホルダーを自社開発するなど、「どうすればお客様に喜んでもらえるのかを常に考え続けているのが売上拡大の一番の要因です」と店長の中川 雄貴 氏は話す。
炭火焼肉くぐ琉(くぐる)
業態:焼き肉
席数:30席(宴会時の最大収容数50人)
客単価平均:3,500円
客層:20~30代、男女比6:4、時間帯ごとで異なり幅広い
アクセス:地下鉄東山線、名城・名港線 栄駅 16番出口 徒歩5分
営業時間:24時間営業 無休(年末年始、夏季休暇あり)
https://r.gnavi.co.jp/b01ws2vc0000/
繁盛へと導いた、3つのポイント
【POINT1】ブランド牛の持ち味を引き出す「京風洗いダレ」
【POINT2】幅広い客層を取り込む「24時間営業」
【POINT3】セントラルキッチンで一頭買いを活かす
▼ぐるなび公式アカウント▼
【LINE】ぐるなび通信デジタル
よろしければ、ぜひ友達追加をお願いします!
【POINT1】ブランド牛の持ち味を引き出す「京風洗いダレ」
特徴の一つは、名古屋の中心地にありながら「京都の焼肉スタイル」を取り入れている点だ。中川氏はその理由について「平井牛の持ち味を最大限に活かす方法を模索する中で、このスタイルにたどり着いた」と語る。
平井牛はブランド牛ゆえに脂が多くなりがちで、おいしさを引き立すには肉本来の味を損なわない洗いダレが最適だと判断。すでに名古屋市内には洗いダレを提供する焼肉店もあるが、独自性を追求し「オリジナル洗いダレホルダー」を開発。2種類のタレを入れるスペースに加え、肉を置くための網も備えた構造だ。七輪に装着された専用ホルダーがテーブル上で存在感を放ち、特に若年層の客にとっては、視覚的な楽しさとともに食事を盛り上げる要素となっている。
さらに、同店を語る上で外せないのが「爆弾肉」だ。中にホルモンを詰めた「爆弾ホルモン」(1,480円)と、スライス肉を詰めた「爆弾ミート」(1,980円)の2種類を用意。いずれも大量のタマネギとニンニクもプラスしたスタミナ満点のメニューだ。スタッフが客の前で肉をカットしながら焼き上げ、ライブ感を演出。客とのコミュニケーションの機会も生まれている。
【POINT2】幅広い客層を取り込む「24時間営業」
2019年に導入した24時間営業は、リニューアル後も変わらない強みだ。「24時間営業はこの立地だからできる戦略」と語る中川氏。深夜でも人の流れが絶えない立地条件を活かすため、リニューアルに際してはファサードを居酒屋風のデザインに一新することで「リーズナブルさ」と「24時間営業」が視覚的に伝わりやすくなり、通行人からの認知度が向上。幅広い年代の取り込みにつながった。
また、30~40代のビジネス層の利用が多いランチメニューは16時まで提供。「定番セット」(1,080円)など、原材料の高騰が続くなかでも1,000円前後の価格を維持し、遅れてランチを取る人の需要も取り込んだ。リニューアルを機に始めたテイクアウトでは、串焼きのほか弁当4種類を販売。食べ歩きを楽しみたい観光客などにも好調だ。
24時間営業という業態は、どうしても目が届きにくい時間帯が生じる。これに対応するため、独自のチェック表の作成や店内への監視カメラの設置など、安全面やトラブル未然防止に向けた対策も講じている。
-
アラカルトのメニュー。洗いダレや生肉を中心に豊富なメニューをラインナップ -
二次元バーコードを読み込んでスマホで注文するモバイルオーダー。英語、中国語、韓国語に対応している
-
「平井牛」とのつながりを意識し、京都みやこ蒸留所の「京都ウイスキー」を提供 -
日本酒も京都の地酒を蔵元から直接取り寄せて販売
繁盛店づくりのサポートは「ぐるなび」におまかせください!
▼詳細はこちらから
0円から始める集客アップ。ぐるなび掲載・ネット予約【ぐるなび掲載のご案内】
【POINT3】セントラルキッチンで一頭買いを活かす
リーズナブルな価格帯を実現する鍵は、リニューアルオープンと同時に開始したセントラルキッチンだ。「くぐ琉」の2階にある高級焼肉業態「京都焼き肉 高はし」などの、系列各店の食肉加工をセントラルキッチンに集約し、カットした肉を各店舗に配送することで、店内では皿に盛り付けタレをかけるだけでの提供が可能に。オペレーションの簡素化で調理工程が効率化し、人件費の削減にも寄与した。
展開する複数の店で、一頭買いした「平井牛」の各部位を店舗ごとに最適な形で使う体制を構築したことにより、肉を無駄なく活用しながら、各店舗のコンセプトに応じて提供している。
売上拡大のもう一つの要因は、コロナ禍明けから急増したインバウンド需要だ。中国の口コミサイトでは、愛知県内の飲食店ランキングで上位に。現在、月間来店者数約6,000人のうち半数が外国人観光客だ。この背景を受け、注文システムに二次元バーコードによる多言語メニューを導入。さらに、中国語を話すスタッフもおり、言語の壁を感じさせない接客を実現した。「言葉が通じない日本人スタッフとも写真を撮りSNSに投稿してもらうなど、旅の思い出作りも意識している」と話す中川氏。SNSでの発信が集客にもつながっている。
初の試みとなった大衆焼肉店が成功を収めたことにより、「今後は多店舗展開を模索していきたい」と中川氏は語る。現在は名駅エリアへの新規出店を検討しており、将来的にはFC展開も視野に入れている。この事業拡大の実現に向け、現在スタッフの募集と育成に注力している。将来的に店長として活躍する人材の採用・育成が、今後の成長戦略における鍵となりそうだ。
Googleビジネスプロフィールの運用代行サービスは、ぐるなびで!
ぐるなびによるGoogleビジネスプロフィール(GBP)を活用したMEO対策・クチコミ対応を含む、飲食店に特化した集客支援・運用代行サービスを紹介します。
▼詳細はこちらから
【ぐるなび】飲食店向けGoogleビジネスプロフィール(GBP)集客支援・運用代行サービス
資料請求・お問い合わせはお気軽にどうぞ
「ぐるなび通信」の記事を読んでいただき、ありがとうございます。
「ぐるなび」の掲載は無料で始められ、飲食店のあらゆる課題解決をサポートしています!