2018/07/17 特集

旅行者、出張のビジネス層を店に呼ぶ! 観光客を惹きつける店(3ページ目)

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来店動機になる名物バーガーを開発!印象的なメニュー名で外国人客にも人気

【奈良・近鉄奈良】森のカフェ ひがしむきGardens

大仏バーガー 1,598円  集客の柱の1つであり、来店客から「やっと食べられた!」といった感想がSNSに投稿されたこともある名物メニュー

3倍サイズのバンズを特注。要望に応えハーフも開発

東大寺や興福寺、春日神社など、奈良観光の拠点となる近鉄奈良駅から南に伸びる「東向商店街」に、2012年オープン。カフェではあるが、柿の葉寿司や三輪素麺をはじめ、“奈良のうまいもん”も提供し、「女性1人でも入りやすい店」を意識して、店内は白が基調。来店客の9割を観光客や出張などで訪れたビジネス層が占め、欧米を中心に外国人客も獲得している。

そんな店の代名詞であり、一番人気の料理が「大仏バーガー」(1598円)だ。オープン当初から看板商品の開発を考えていた代表の前田和久氏は、前職でホテルのバーやレストランに従事していた経験から、飲食業界のトレンドを常に意識し、「今後は肉、それもハンバーガーやステーキがはやるのではないか」と、予測。ハンバーガーに的を絞り、東京各地の人気店や、アメリカンサイズのハンバーガー「ネイビーバーガー」で有名な神奈川・横須賀のドブ板通りなどを視察し、3年ほど前に完成させた。大きさは一般的なハンバーガーの約3倍。特注のバンズに、奈良のブランド豚であるヤマトポークと牛が半々のパティ(200グラム)や野菜、ベーコンを挟んでいる。Facebookでの情報発信やメディアで取り上げられたことにより徐々に認知が広がり、現在では1日平均20食、年末年始やGWなどは80食を売り上げるようになった。

ちなみにネーミングは、その大きさが「奈良の大仏」として知られる「東大寺盧舎那仏像」を想像させることから。基本の「大仏バーガー」のほかにも、「大仏野菜バーガー」や、アイスクリームを挟むデザート風の「大仏バーガー バニラ」、「大仏バーガー 抹茶金時」(すべて1598円)も次々開発し、バリエーションは現在4つにまで拡大している。また、サイズが大きすぎるという声もあったため、「大仏バーガー」のみハーフ(1382円)も用意する。

「『大仏バーガー』を奈良のご当地バーガーとして、さらに浸透させていきたいですね」と言う前田氏。国内外からSNSを見て来店する人も数多く、今後はWebでの情報発信をさらに強化する予定だ。テーブルに置く伝票にはスタッフの手書きメッセージを添えるなど、料理のネーミング同様、一度の来店でも印象に残る店づくりを心がけている。

200グラムで食べ応えのあるパティは味にこだわり、奈良のブランド豚・ヤマトポークと牛を50%ずつ配合
商品名が目に飛び込んでくるメニューブック。注文率は、レギュラーサイズの「大仏バーガー」がもっとも高い
印象的な商品名を大きく打ち出し、人通りの多い店頭でもアピール
各テーブルにはPOPを置き、目に留まるよう工夫している
伝票に添える手書きのメッセージカード(上)。その裏に来店客が残していったメッセージ(下)は、アルバムに保存して店内に設置
副店長 福田沙織 氏
様々な人と接する仕事を希望して飲食業へ。頼りがいのある副店長になるべく日々奮闘中。地元客には「また来たい」と、観光客には「奈良に来てよかった」と感じてもらえるよう努めている。
森のカフェ ひがしむきGardens
奈良県奈良市東向南町10-2
近鉄奈良駅から徒歩約2分。奈良でもっとも人通りが多い通りのひとつに位置する路面店。食事メニューも充実しているカフェとして人気を博し、各種セットが充実。モーニングにも対応している。

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