2019/07/23 特集

やってみよう! チョコレートデコレーション(5ページ目)

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【Chocolate Decoration Case2】ura庭【ウラニワ】(東京・渋谷)

リクエストの多くは誕生日用のプレート。構図のバランスや色の配色が腕の見せ所だ。大半の利用客がSNSに投稿するため、店のロゴは不可欠

誕生日・記念日の利用を促進!集客と予約獲得に大きく貢献する芸術的なサプライズプレート

絵のプロを採用して有料化。品質と生産性が大きく向上

 現在、プレート目的の来店客が9割以上というダイニングカフェ「ura庭」。誕生日プレートなどの要望はオープン当時から一定数あったという。「最初はチョコレートで『Happy Birthday』の文字に花や蔦の簡単なイラストを添えて、デザートを盛り付けるだけでしたが、やればやるほど反応がよくなり、次第に豪華に。SNSでも評判が広がり、さらにリクエストが増えました」と、代表の羽田善行氏は語る。「凝ったイラストや似顔絵などは完成までに2~3時間ほどかかることもあるため、私1人では対応しきれなくなり、3年前に絵が得意なスタッフを4名採用。有料化(1枚2700円~)に踏み切りました。プレート付きコースも作り、これが一番人気です」(羽田氏)。

  • 通常、下絵に1日、翌日に色入れして2日で完成。色入れは筆で行い、要所で爪楊枝や綿棒も使う
  • 取材時にサプライズで用意してくれた、ぐるなびロゴのプレート。最初にチョコレートで線を書く
  • 色付けのベース素材は企業秘密。色は赤ならグレナデンシロップなどを使う
  • 「難しいのは色の配合です」と羽田氏。複数の素材を組み合わせて目的の色に調合する

 プレートの予約は1日平均15~20枚。スタッフのシフト調整の苦労もあるなかで、重要なのが効率だ。当初は市販のチョコソースや製菓用チョコレートを使っていたが、「描きやすさ」と「効率」を追求し、ゼラチンや油を混ぜるなど試行錯誤。現在は最良のチョコレートを見つけ、常に改良を重ねている。

クッキングペーパーを丸めてコルネを作り、大さじ2杯ほどのチョコレートを入れる。これでプレート2~3枚分

「ura庭」流!文字の書き方

ある程度チョコレートに粘性を持たせた状態(固めの状態)の“たらし書き”。3cmほど上から描くのがコツ

ところどころチョコレートを重ねていき、太さのメリハリをつける
表面に凹凸ができた場合は、綿棒を使うとなだらかにできる

 ここ数年は年間約4500枚を制作しているが、すべてデザインは異なり、内容によっては製作時間の関係で1カ月待ちになる場合もあるという。「人件費を差し引くとプレート単体での利益はゼロですが、集客と認知度アップというメリットの方が大きいです」(羽田氏)。今後も質をキープしながら、さらなる効率化を進めていく。

ura庭【ウラニワ】(東京・渋谷)
東京都渋谷区宇田川町30-2 ケゼットハウス3F
https://r.gnavi.co.jp/gd7p700/
「渋谷のオアシス」をコンセプトに2013年オープン。ビルの細い階段を上がってたどり着く隠れ家的な雰囲気と、ロフトを配したおしゃれな空間、スープ感覚のバーニャカウダや生パスタなどが、若い女性の心をつかんでいる。
代表 羽田善行氏
18歳より飲食業界へ。様々な業態で経験を積み、2010年、東京・目黒にバー「Garden」開業。現在、肉バル「ハコニワ」を含む3店舗を経営。絵を描いた経験は、小学校の図工の時間のみ。

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