2011/08/02 特集

客と近づく!お店の印象度も上がる!料理教室成功の法則(4ページ目)

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成功の法則

調理を見せることで安心感を与え、店とシェフへの信頼感を上げる

兵庫・武庫之荘 フレンチレストラン キッチン&カフェ エマーブル

鮮やかな手さばきのデモンストレーションと親しみやすいトークで終始、和気あいあいとした料理教室が繰り広げられる

お子様連れ歓迎の姿勢で地域に愛される店に

「小学生の時、テレビ番組で一流ホテルのシェフが、子供たちに楽しそうに料理を教えていたのが、料理人を志した動機でした」。そう語るオーナーシェフの高見忠男氏が、「キッチン&カフェ エマーブル」をオープンしたのは、2010年4月。開店前から料理教室の開催も念頭に置いた店舗デザインを考え、自ら料理教室に足を運び、夢の実現へ着実に歩んだ。

「カウンター席から、キッチン全体や料理を作る手元が見えるように設計。料理教室を開催することによって、通常のレストラン以上にお客様との距離が近くなり、信頼関係が築けると考えました」。

オープン2カ月後には、集客の中心である主婦向けに、アイドルタイム(14時~16時)を利用して「お気軽料理教室」を開始。現在では、日曜の早朝8時半~10時に行なう「早朝男の料理教室」、子供だけでも参加できる「夏休み子供教室」など、月平均4~5回の料理教室を開催している。

「料理2品で1000円(試食含む)という料金は、郊外の地域密着型店であることを考えての設定。子育てで忙しい主婦への応援も含め、どの教室もお子様連れ歓迎を打ち出し、確実にリピーターも増えています」。

その上で、アイドルタイムや早朝に開催しているのは、「料理教室は私一人でできるので、人件費もかかりませんし、お客様に有意義な時間を提供しながらも店舗の利益はきちんと得るため」という高見氏。開催1カ月前から手作りチラシを店内に置き、ぐるなびの店舗ページや「ミクシィ」も使って参加者を募集している。

調理するメニューは2品。家庭で作れる簡単料理が基本だ。「当店の料理教室ではできる限りシンプルなレシピを配布して、参加者の料理に対する敷居を下げています」。

とはいえ、デモンストレーションではマメに味見をしながら、材料の旨味を引き出すといったプロのコツもしっかり伝授。実際の調理を目で確かめ、試食を繰り返しながら、参加者は味の変化をリアルに実感し、感嘆の声が上がることもしばしばだ。

また、料理教室では同店が普段、来店客に提供している、産地直送の無農薬野菜なども使用。食材のアピールと店の信頼アップにもつなげている。

「料理教室は単に料理を覚えてもらう場所ではありません」と高見氏。「料理を通じて店とお客様、お客様同士の交流を実現。参加者がより店を知り、シェフを知ることで、集客にもつながると考えています」。

店内で料理教室開催を告知。興味を持った客に声をかけることでコミュニケーションも高まる
7月に行なわれた「早朝男の料理教室」の一品。野菜の旨味が引き立つ「ソーセージとひよこ豆のトマト煮」
料理教室の参加者にはアンケートを記入してもらう。次回に活かしつつ、DMにも活用

男の料理教室の内容(7月24日開催時)

開催形式

デモンストレーション

参加人数

6名

費用

1,000円(税込)

時間

8:30 ~ 10:00

【メニュー】

タルト・フランベ
ソーセージとひよこ豆のトマト煮

「実際に家で作れる」をコンセプトにしたレシピは極力簡略化。初心者でもわかりやすく、リピーター増に貢献
オーナーシェフ
高見 忠男氏ホテルニューオータニ大阪やフランス二つ星レストランでの修業後、産婦人科料理専門システム会社での勤務を経て、同店を開店。
フレンチレストラン キッチン&カフェ エマーブル
兵庫県尼崎市南武庫之荘1-29-9 アマユビル
http://r.gnavi.co.jp/ka8e000/2010年4月にオープン。フレンチをベースに多彩な料理を提供する。住宅街立地のため、客層は近隣の主婦や、子ども連れのファミリーが中心。

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