2015/02/24 特集

ダメージを残さないクレーム回避&対処術(2ページ目)

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クレームを未然に防ぐキーワードは「コミュニケーション」!まずはスタッフ同士の会話を増やす

「対面」と「非対面」のコミュニケーションを使い分け

「店がスタッフの不満にも、お客様からのクレームにも気づかない状況に陥らないためには、とにかく"コミュニケーションを取ること"を意識づける以外にはありません」と白岩氏。そのキーワードとなるのが「"こちらからの"コミュニケーション」だ。

「"こちら"とは"店側から"という意味です。スタッフに対して、会社と店長、双方からの積極的なコミュニケーションが必要です」と白岩氏。「例えば、売上減によるシフト削減をスタッフに伝える場合、会社が経営状況と、その打開の展望をきちんと説明してシフト削減のお願いをすれば、不満の増幅につながらず、逆に仕事へのモチベーションを刺激できるかもしれません」(白岩氏)。そのためには、会社と店長が密に情報を共有し合うことが必要なのは言うまでもない。さらに、白岩氏は、会社や店長からのコミュニケーションの際に、「対面」「非対面」の2つの方法を上手に組み合わせて、コミュニケーションのレベルを上げていくことを提案する。対面とは文字通り、顔を合わせて直接語ることで、挨拶、口頭での業務依頼、ミーティングなどがあるが、一方、非対面はメールやSNSなどでの情報共有を指す。この方法は、個と個という点ではなく、面(特定のスタッフ)でつながれるメリットがあり、経営状態などを全スタッフで共有するときなどに有効だ。「ここで注意したいのは、『非対面』でネガティブな発信をしないこと」と白岩氏。人情として言いにくいことは非対面ですませがちだが、リアクションが見えないため、フォローがしづらく、逆効果になる危険性も。そのため、「むしろ、言いにくいことを対面で伝え、そのフォローを非対面でする、といった使い方が理想的」という。

同時に白岩氏は、「コミュニケーションは"量から質へ"が原則。まず、言葉を交わす数を増やして信頼関係の土台を作り、質を上げていくとうまくいく」とアドバイス。また、「スタッフには上から目線でなく、"お願い"する態度で臨むことも大事」と訴える。

スタッフとのコミュニケーションが充実すれば、店(スタッフ)から客へのコミュニケーションも活発にできる。初対面の客に話しかけるのは、簡単ではないが、「話しかければ答えてくれるのが飲食店のお客様。中食と違い、実際に食べている姿に立ち合えるのは飲食店だけ」と白岩氏。来店客とコミュニケーションが取れれば、仕事が楽しくなり、接客のクオリティが上昇する。これこそ飲食店の醍醐味の1つだ。

客とのコミュニケーションが成立すれば、顧客情報の獲得や再来店にもつながりやすい。クレームが出ても大事に至ることは、まずなくなるはずだ。

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