2023/08/14 特別企画

外国人の主張「お節介なくらいがちょうどいい」~インドカレー店「スパイスタイム」~

日本で飲食店を営む外国人に、日本に来て驚いたことや食文化や食習慣の違いなどについて聞く企画。今回は愛知県でインドカレー店「スパイスタイム」を営むネパール人のカティ・ニロジ氏が食文化の違いなどを語る。

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手で食べるのがおいしい

 今回取材したのは愛知県で飲食業を営む、カティ・ニロジ氏。出身地はネパール。日本留学枠で2013年に来日した。その後、いろんな飲食店でアルバイトをしながら自己資金を貯め2020年に念願のインドカレー屋をオープン。なぜネパール料理ではなく、インドカレー屋にしたかというと、「そっちの方が日本人に愛着があるから」とのこと。

 カティ氏お勧めは“手”で食べるスタイルだ。「手で食べるとオイシイヨ」と勧めると「え、無理!」「食べる人いるの!?」と反応はけっこう引き気味だが、中にはおもしろそうと食べてみる人もいる。カティ氏いわく、「熱くても慣れてくるから大丈夫」とのこと。スプーン、フォークで食べるのとは、やっぱり味がちょっと違う、手で食べるのがおいしい。「僕たちの国では普通にやっていること。ぜひチャレンジして新しい文化に触れてほしい。お店の中はネパールだよ!」

2020年、カティ・ニロジ氏がオープンしたインドカレー店「スパイスタイム」

日本にきて一番驚いたこと

「日本は、誰かが事故にあっても遠くから見てるだけ。これは最初すごく驚いた。ネパールなら、いろんな人がいっぱい集まってきて、誰が救急車を呼ぶのかとか、車で運ぶのかとか、家族は近くにいないかとか、いろんな人がヘルプに行く。日本は自分が専門でないから、触っちゃいけないと思っている。ちょっと寂しい」。

 ネパールでは人に親切にすることを教えられて育つ。道を聞かれれば、仕事の手を止めて、分かりやすい場所に出るまで付いていってあげる。また昔から、旅人が家に来たときは快く泊めてあげること、外国人は神様と同じでリスペクトする存在としておもてなしする。「外国人様」とカティ氏は表現していた。困っている人がいたら助けてあげる。人を大事にするのがカティ氏の母国なのだ。

 カティ氏はいつも来店客を気にかけている。「ご飯おいしい?」「ナンおかわりいる?」、そしていつも笑顔。会話の節々からも、カティ氏の優しさが伝わってきた。

 「最初、日本人は冷たいと思ったことはあったけど、今は日本人が好き。日本の友人の方が多い。僕はネパール人だけど、ほぼほぼ日本人だよ。この国で自分の店を持つことができたこと、お客様に味を知ってもらえることがうれしい。夢を叶えられて本当にうれしい。最初はネパールに戻るつもりだったけど、今はこのままずっと日本にいたいと思うようになった。だって、日本は僕の第二の母国だから」。

取材協力:「スパイス タイム」
https://r.gnavi.co.jp/1nax7n2t0000/map/
愛知県名古屋市昭和区滝川町32 ナビオ杁中B1
052-875-8242

※株式会社テンポスホールディングス刊「スマイラー」86号より転載

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