2023/09/22 特別企画

飲食店の接客マニュアルに入れなければならない11項目とは

飲食店が接客マニュアルを作るメリットや効果は?居酒屋やカフェなどさまざまな店で役立つマニュアルを作るためのポイントは?作る手順や盛り込みたい項目、運用していく上でのポイント・注意点などを解説する。

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更新日:2023.12.25

店に合った接客マニュアルの作り方と運用術を解説!

 接客マニュアルは業務の基準を明確化し、サービスの質を保つのに効果的なツール。まずは、接客時の姿勢・表情・話し方といった基本の立ち居振る舞いを記載し、共通認識の統一を図ることがポイント。

 さらに、出迎えから会計・見送りまで、営業のフローに沿って業務内容をまとめることも重要。来店客がドリンクをこぼしてしまった時の対応や、トラブルへの対応、多忙時に優先すべき業務についてもまとめておくと、迷わず接客しやすくなり、業務の効率化や生産性の向上にもつながるはずだ。

※本記事の情報は記事作成時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。

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目次
接客マニュアルを作る目的・メリットは?
どういう手順でマニュアルを作ればよい?
接客マニュアルに盛り込むべき項目は?
マニュアルを活用する上での注意点は?

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接客マニュアルを作る目的・メリットは?

スタッフ教育の効率化

 マニュアルを用意することで、接客のルールや手順についてスタッフに説明する時間を短縮でき、効率的に伝達ができるようになる。新しいアルバイトの指導など、人材教育にかかる時間、労力、費用の軽減を図ることができる。

サービスの質の安定

 個人の判断ではなく共通のルールに沿って接客を行うと、スタッフ間での差が生まれにくくなるのもメリットの1つ。質の高いサービスが安定的に提供できるようになれば、利用客の満足度向上にもつながるだろう。

業務の効率化

 接客業務をマニュアル化することで、優先順位や対応方法の基準がより明確になり、スタッフが迷わず、無駄なく動けるようになるはず。業務をより効率的にこなせるようになることで、生産性の向上も見込める。

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どういう手順でマニュアルを作ればよい?

(1)接客業務を書き出す

 お客様が入店して退店するまで、フローに沿ってすべての業務を書き出そう。当たり前になっていることや何気なく行っている行動など、些細な作業まで明確に文章化することでより実践に即したマニュアルを作成できるはずだ。

(2)接客業務ごとのルールを整理する

 髪型やメイク、香水といった接客業務を行う上での身だしなみに関するルールや、(1)で上げ出した業務に関するルールを整理していこう。詳しくは「接客マニュアルに盛り込むべき項目は?」を参照していただきたい。

(3)接客業務ごとの評価基準を決める

 何をどの程度行えば「合格」となるのか、業務ごとに評価基準の設定も明確にしたい。「どんな声で」「どんな話し方で」「どんな笑顔で」などを具体的かつ明確に記載し、マニュアルを読む人の主観によって基準がブレることがないように気を付けたい。

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接客マニュアルに盛り込むべき項目は?

1.営業前の準備

 清掃や店の衛生状態のチェック、身だしなみ、テーブルセッティング、予約の確認など、利用客の来店前に行うべき業務内容についてまとめておこう。日替わりやおすすめ、仕入れ状況で変わる料理など、メニューやドリンクの確認も接客中のトークに直結する重要なポイント。直接顧客と接する部分ではないが、これらの項目を用意しておくと物理的なサービスの質の安定につながる。

2.接客の際の心構え

 店のコンセプトや理念、利用客の主な来店目的、「お客目線に立つ」などの接客時の心構えをまとめ、店が目指す理想の接客スタイルやスタッフ像を共有しよう。この部分を確認することでスタッフ間の精神的な目線合わせができる。

3.接客時の「姿勢」「表情」「話し方」

 立ち姿やおじぎの姿勢、笑顔や表情、話し方は、サービスの質の維持や雰囲気作りに寄与し、店に対する印象に直結する部分。高級料亭や大衆居酒屋など、店のコンセプトや客層などによって求められる接客のスタイルは異なるため、この店では何が適切か、どのように振る舞うべきかという独自の基準を設定しよう。「礼儀正しく」のようなあいまいな表現は避け、「オーダーを取る際は床に片膝をついて」、「店中に響く声量で」など、誰でも目指すべき接客の形がわかるように具体的に文章化したい。

4.出迎えや席案内の方法

 利用客が入店してから店を去るまでの流れに沿って、シーン別に項目を立てるとわかりやすい。まずは、出迎えと席案内から。来店時にはどんな言葉を、どんな姿勢と表情、声量でかけるのか。席案内の先はどの席を優先的に、どういったルールで案内するのか。大きな荷物がある利用客や雨天時に傘を持った利用客に対する声かけのルールはあるのか。満席の際はどのように対応するのかなど、具体的な場面を想定してまとめよう。

5.オーダーの取り方

 オーダーの取り方の中でも、特に最初のオーダー対応は店に対する印象を左右する重要な項目。「復唱を義務付ける」「個数は必ず指で数を示す」といったルールを設けると、オーダーミスの減少に効果的だ。居酒屋であれば、まずはファーストドリンクだけオーダーを取るといった対応をしてもよいだろう。おすすめ料理の提案や、調理に時間がかかるメニューの案内など、来店客が気持ちよく食事を楽しめるようなサポートの声かけについてルールを決めておくのも有効かもしれない。

6.料理提供の方法

 料理の提供時は来店客のテンションが上がりやすく、満足度アップのチャンスともいえる。逆に失礼や間違いがあるとせっかくの機会が台無しになるので要注意だ。「お待たせいたしました。○○です」と料理名を言いながら提供する、注文した人の正面に置く、熱い料理の場合は声掛けをするなど、“気配り”に含まれる部分まで細かくルール化するのも一案だ。居酒屋のようにアルコールを提供する店では乾杯ができるよう先にドリンクを提供する、オーダーを受けた直後にお通しを出すといった点を盛り込んでもいいだろう。

7.バッシングの方法

 バッシング(空いた皿やグラスを下げる作業)が遅れたり、逆に早すぎたりすると満足度が下がってしまう。バッシングのタイミングについての注意事項や、皿やグラスを下げる際の声かけなどをまとめよう。また、その際に「食後にデザートやお飲み物はいかがですか?」といった追加オーダーを促す一言や、一緒にチェックすべき卓上の項目についても確認すべきことがあればまとめて記載をしたい。

8.会計・見送りのルール

 会計や見送りは店の最後の印象が決定付けられる大切なシーン。好印象を残せるよう「お料理はいかがでしたか?」「お足元ご注意ください」といった声かけから、クーポンやサービスの飴やガムのお渡しなど、会計時や見送りにやるべき行動があればまとめよう。

9.クレーム対応

 スタッフや店を守るため、クレーム対応はマニュアルに必ず入れておきたい項目。特に、居酒屋などアルコールを提供する店では、来店客が酒に酔って気が大きくなりクレームが発生しやすいといった背景も。①適切な謝罪方法、②クレームの原因・事実確認の仕方、③客の要求・要望の把握の仕方など、想定しうる事態ごとに最低限のとるべき対応や判断基準をまとめて、スタッフの対応に統一がとれるのが理想だ。

 また、現場が混乱しないよう、どこまでをホールスタッフにまかせ、どこから店長や管理職が対応するかといった役割分担や、どこまでなら相手の要求に応じるかといった線引きを明確に設定するのも重要。現状のマニュアルに載っていないクレームを受けた際には対応事例をスタッフ間で共有し、内容を更新していこう。そのほか、スタッフにマニュアルを読んでもらうだけでなく、各項目を活用して定期的にロールプレーイングをするといったことも効果的だ。

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10.接客時の優先順位

 混雑時や繁忙期などは、忙しさゆえにトラブルも起こりやすいもの。そのため、マニュアルにはこれまで挙げた項目について、優先順位を明記しておくとよいだろう。

 例えば、
①料理の提供
②オーダーやクレームなど利用客に対する対応
③電話対応
④席へのご案内
⑤お会計
⑥バッシング
⑦ラウンド
というように、業務が重なったときに何を優先すれば一番顧客満足度が下がりにくく、オペレーションに支障がないかを考慮して決めるといいだろう。これらを従業員同士で適宜共有することで、どんな状況下でも次に何をすべきかの判断が早くなり、迷いなく業務に集中できるはずだ。

11.接客時のNG対応

 利用客が不愉快な思いをすることがないよう、立ち振舞いやマナーなど、注意すべきNG対応をマニュアルに記載しておくことも重要。オーダーをとる際の「ご注文は○○でよろしかったでしょうか?」(正しくは「〇〇でよろしいでしょうか?」)、料理提供時の「○○になります」(正しくは「〇〇です」「〇〇でございます」)など、飲食店で使われがちな間違った敬語には注意が必要だ。

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マニュアルを活用する上での注意点は?

「マニュアルはあくまでベース」であることを共通認識する

 飲食店の接客は、現場で刻一刻と変化する状況に合わせてフレキシブルに対応していく必要がある。そのためマニュアルにとらわれすぎると、想定外の事態に対応できない、逆にサービスの質が下がるなど、店に対する評価に悪影響を及ぼす場合も。

 特に、接客トークについては店のコンセプトや歴史、こだわり、食材や料理、ドリンクに対する理解など、マニュアルには明記できない知識によって補われる部分がほとんどだ。また、予約客であれば過去の来店履歴から情報を得る、フリー客であればその場の会話で得た情報をサービスに織り交ぜるなど、顧客情報を活用する努力や、スタッフ自身のキャラクター、特技を活かすことでファンづくりにつながることも多い。「マニュアルはあくまでベースにすぎにない」という共通認識をスタッフ間で徹底し、各自が創意工夫をこらしてサービスの質を高める努力ができる環境を整えよう。

すぐに見られるようにしておく

 接客マニュアルはスタッフがすぐに確認しやすい場所に設置しよう。スタッフが目を通す回数が増えることで業務内容について学ぶ意欲が向上し、接客に関する共通認識が浸透しやすくなるといったメリットも。

 時間がない時でもすぐにチェックできる状態で保管することを心がけたい。スマホやタブレットから確認できる電子マニュアルは手軽に確認しやすく、複数のスタッフが同時に確認できるといった紙にはない利点もあるので検討してみてはいかがだろうか。

定期的に改善する

 マニュアルは一度作ったらそれで終わりにせず、月1回や年4回など頻度を決めて定期的に見直し、店の状況に合わせて最新版を用意しよう。クレームやトラブルにどのような接客で対応したかを追記したり、顧客やスタッフからの意見によって見えてきた改善点をもとに修正を加えるなど、随時アップデートを重ねられるのが望ましい。

 飲食店における接客は、店を印象付ける重要な要素。接客で好印象を与えることで、リピーター獲得や店の売上の安定にもつながっていく。上記の内容をもとに接客マニュアルを作成し、選ばれる店づくりに役立てよう。

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