目次
・揚げたての天ぷらと居心地のいい空間づくりで観光客らの心を掴む
・【POINT1】食材へのこだわりを伝える演出
・【POINT2】コースのみで1品ずつ揚げたてを提供
・【POINT3】天ぷらに合うお酒を幅広くそろえる
揚げたての天ぷらと居心地のいい空間づくりで観光客らの心を掴む
京都府京都市東山区大和大路通四条通上ル富永町112 キャッスルギオンビル1F
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京都・祇園の一角にある、カウンター6席のみの天ぷら専門店「祇園天ぷら晩餐」。2021年3月にオープンして以降、飲食店検索サイトなどで認知度を高め、「居酒屋よりもクオリティーが高い料理で、高級店よりも肩肘張らずに過ごせる」と評判になり、12月には最高坪月商30万円超を売り上げた人気店だ。メニューは完全予約制の天ぷらコースのみで、新鮮な食材と創作天ぷらを売りに、観光客を中心に集客している。
経営母体は、「京都の飲食業界を元気に」をモットーに居酒屋・和食店を経営する株式会社京色。天ぷら料理の競合店がひしめく中で、「リーズナブルでありながら、高級店と遜色のない天ぷらを提供するというコンセプトで出店しました」と店長の内藤来我(らが)氏は語る。2022年7月現在の営業時間は11時30分~13時30分、17時~22時で、客単価は昼5,000円、夜8,000円。客層は20~60代と幅広く、カップルや夫婦など2人組での利用が多い。
【POINT1】食材へのこだわりを伝える演出
主力メニューの天ぷらには、日替わりで新鮮な食材を使用。「ほぼ私1人で営業しているので人件費が抑えられるため、食材にはある程度原価をかけています」と内藤氏は胸を張る。コース料理の提供前には、木箱にきれいに並べた食材を来店客に見せて、それぞれのこだわりや特徴を伝え、期待感を高めている。
【POINT2】コースのみで、創作天ぷらなどを1品ずつ揚げたてで提供
夜はリーズナブルな全16品の6,600円コース、甘鯛・国産黒毛和牛などを盛り込んだ全16品の8,800円コース、ウニやカラスミイカなど高級食材を取り入れた全17品の11,000円コースを用意。昼はランチ限定の3,300円コースのほか、夜のコースをそれぞれ1,100円引きにしてお得感を打ち出し、予約獲得につなげている。「昼は5,500円コース、夜は8,800円コースが一番人気。オリジナリティーを出すために、天ぷら3~4品は、当店ならではの創作天ぷらを提供するようにしています」と内藤氏。創作天ぷらで人気なのは、揚げた生あおさにネギトロ、たくあんを乗せた「あおさとろたく」や、キンメダイの幽庵焼きを天ぷらにした「金目鯛ゆず幽庵」など。珍しい食材同士の組み合わせということもあり写真を撮る人も多く、店の印象付けに一役買っている。
先付のテールスープや肉の天ぷらには国産黒毛和牛を使用している。「知人が肉の卸業をしている関係で、オレイン酸が豊富でうま味が凝縮しているブランド牛『名人和牛』を割安で仕入れています」と内藤氏。また、結婚記念日、誕生日などの記念日利用が多いため、無料でメッセージ付きのデザートプレート(要予約)も提供して満足度を高めている。
【POINT3】天ぷらに合う酒を幅広くそろえる
アルコール類は、“天ぷらに合うかどうか”を基準に、ビール、日本酒、焼酎、ワイン、ハイボールなどを取りそろえる。「日本酒は季節ごとに4種類を仕入れていますが、県外からのお客様も多いことから京都のお酒は常に用意しています」と内藤氏は語る。
オープン当時から飲食店検索サイトに登録し、認知度を高めるほか、Instagramにその時々の旬の食材を投稿して来店を促している。「普段は1人で切り盛りしていますが、週末など予約が多い日にはアルバイトスタッフをスポットで採用し、滞りなく接客できるようにしています」と内藤氏。調理をしながらの接客になるが、料理の丁寧な説明とともに客一人一人に合わせた距離感での接客を心がけている。
コロナ禍による規制が緩和されるにつれて観光客の予約が増えており、今夏は京都の伝統行事なども控え、予約が殺到している状況。内藤氏は「ソフトドリンクを中心にドリンクのラインナップを充実させると同時に、まだまだ奥が深い天ぷらの技術力の向上に努めたいと思います」と、今後に向けて意欲を見せている。
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