博多おでんと自然薯「よかよか堂」が季節を問わず大盛況なワケ

東京・新宿御苑にある「博多おでんと自然薯 よかよか堂」。店名通り、博多おでんと自然薯の二軸を売りに、ファミリーやビジネス層など幅広い層の獲得に成功している。

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更新日:2024.2.13

差別化したメニューと豊富な酒で月商1,000万円突破!

 東京・新宿御苑駅から徒歩3分の路面に2021年9月オープンした「博多おでんと自然薯 よかよか堂」。コロナ禍で緊急事態宣言下のオープンだったが、新宿駅方面から流れてくる人が多く、周辺に競合店が少ない上に住宅街も近いことから、オープン直後から好調な滑り出しとなった。「博多おでん」と「こだわりの自然薯」という引きの強いメニューも話題になり、オープン1年足らずの2023年7月には16坪45席で最高月商1,000万円超の人気店に成長した。

目次
【POINT1】博多おでん&自然薯生とろの2つの軸で集客!
【POINT2】おでんとのオレンジワインのペアリングを提案
【POINT3】ランチ&昼飲みニーズを獲得

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博多おでんと自然薯 よかよか堂(東京・新宿)
東京都新宿区新宿1-18-16 花園1F
https://r.gnavi.co.jp/kek4e32z0000/
2021年9月、東京・新宿御苑の道路に面した1階にオープン。オフィス街と住宅街に隣接する絶妙な立地でオープン直後から人気に。ファミリー、ビジネス層などを集客している。

 オーナーの山本高史氏は、飲食店勤務を経て若干22歳で独立。株式会社やる気カンパニーを設立し、都内各所のイタリアンや天ぷら店の経営を経て、新宿御苑では2店舗目となる「博多おでんと自然薯 よかよか堂」の出店に至った。

白いのれんとちょうちんの和モダンな佇まいが特徴的な入り口。店内の雰囲気を感じやすく、入りやすいファサードデザインだ

 店に入るとオープンキッチンに面したカウンター、奥にはテーブル席があり、4メートル近くある天井高を利用した中2階も配している。夜の客単価は平均6,000円で、平日は主に20代後半~40代、幅広い層を集客している。

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【POINT1】博多おでん&自然薯生とろの2つの軸で集客!

あごだしベースの「博多おでん」が店の看板メニュー。味付けや薬味を変え、一皿ずつ提供する斬新さで他店との差別化に成功

 メニューは、山本氏の妻・志穂さんの地元、福岡名物のあごだしを用いたオリジナルの「博多おでん」が売り。具材は「大根とろろこんぶ」(418円)、「博多和牛もつ鍋」(748円)、「イカ真丈と生海苔」(528円)などレギュラーメニュー11種類と、季節限定のおでんを数種類ラインナップ。「通常のおでん盛り合わせでは途中で味に飽きてしまいますが、一品料理のオマージュで、一皿ずつ味付けや薬味を変えて提供しています」と山本氏。有田焼の皿で提供される特別感も、他店との差別化と単価アップに貢献している。

  • 「大根とろろこんぶ」(418円)。じっくり味をしみ込ませてとろろこんぶを添えており、定番のおでん種として店でベスト3の人気を誇る
  • ホルモンとごぼうのだしがきいた「博多和牛もつ鍋」(748円)。宮崎の生産者直送の柚子と唐辛子を使った柚子胡椒がポイント
  • 生のりをといたあごだしに、揚げたイカ真丈を乗せた「イカ真丈と生海苔」(528円)。上に添えたゆずの皮がアクセント
  • 季節限定の冷たいおでん「ピュアホワイトと枝豆とモッツァレラチーズ」(638円)。自家製天つゆに生クリームを加えたコクが絶品

 また、おでんのニーズが下がる夏季の集客力維持とランチ需要への対応のために、自然薯をもう1つの売りにした。全国各地の自然薯を取り寄せて試食した中から、最も味と粘りのいい「黄金(こがね)」という希少品種を、山口県の契約農家から仕入れている。「居酒屋では最初に注文する料理として刺身のニーズが高いですが、原価率が上がるのがネック。そこで、刺身代わりのイメージで自然薯を注文してもらうことを狙いにしています」(山本氏)。注文を受けてからすりおろす「自然薯生とろ」(638円)は狙い通りの看板メニューとなり、注文率は9割を誇る。

90%の注文率を誇る、もちのような弾力がくせになる「自然薯生とろ」(638円)。皮ごと擦りおろした生とろろを岩塩で食べる

 そのほか、ビジュアルを意識した「焼売4種」(990円)、「大人の黒いポテサラ」(748円)などのおつまみや、長崎名物の「五島うどん」(1,078円)、沖縄の照喜名製麺所から取り寄せた沖縄そばを使用した「あの島ナポリタン」(1,408円)など、地方色豊かなシメのメニューも好評だ。

豚焼売、エビ焼売、鶏焼売、皮に竹炭を練り込んだイカ焼売の「焼売4種」(990円)。単品(3個660円~880円)での注文も多い
「大人の黒いポテサラ」(748円)。天ぷら用に仕入れていた富山産のホタルイカを、イカスミで和えて黒作りに。その上にマッシュポテト、すりおろしたワサビをのせたシンプルな組み合わせ
  • 自然薯生とろと一皿おでんを看板に、焼売・揚げ物・おつまみ・〆の一品・デザートを400~1,000円前後の価格帯で提供
  • 残暑が続く9月のメニューは冷たいおでん4種のほか、枝豆、ピュアホワイト(白とうもろこし)、マスカットなど旬の素材を使用したおつまみも用意

【POINT2】おでんとのオレンジワインのペアリングを提案

博多おでんとオレンジワイン(写真中央、グラス1,100円)のペアリングを提案。そのほか、「おでん出汁割」(同左、780円)、「よかよか名物緑茶割」(同右、660円)も人気

 ドリンクはビール、ワイン、日本酒、焼酎、クラフトジンなど幅広く取りそろえており、アルコールの売上比率は4割を占める。「飲みたいお酒がなければ、注文率はなかなか上がりません。居酒屋だからこそ『あれが飲みたい』というニーズに応えられるように、いろいろな種類を用意しています」と山本氏。

 ワインは30種類以上を用意。特にオレンジワイン(白ブドウを材料とし赤ワインのように醸造したオレンジ色のワイン)を推しており、ボトルのほか毎日2種類をグラスで提供する。「スペインやイタリア、フランスを中心に毎月50種類のオレンジワインを仕入れています。ダシや揚げ物との相性がよく、“おでんとオレンジワイン”という新しい組み合わせを体験できることも当店の売りです」(山本氏)。ほか、だし汁を徳島県の地酒・阿波太閤で割った「おでん出汁割」(780円)や、鹿児島県の野本園の茶葉を使用した「よかよか名物緑茶割」(660円)も人気が高い。

【POINT3】ランチ&昼飲みニーズを獲得

ランチで人気の「阿波ポーク豚バラのやみつき生姜焼き」(1,250円)は、だしで伸ばした自然薯付き。酒のつまみにする人も多い

 ランチはオープン時の開始を予定していたが、多忙のあまり断念。コロナの再拡大で客足が落ち着いたことから、2022年9月から開始した。山本氏の地元・徳島県のブランド豚や地鶏を使用した「阿波ポーク豚バラのやみつき生姜焼き」(1,250円)、「阿波どりの鬼おろし油淋鶏」(1,200円)など全5種を提供。ランチには全て、だしでのばした自然薯とご飯、あごだしスープ、コールスローが付く。「週末にはランチをつまみに昼飲みする人も多く、平日の客単価は1,350円ですが、土・日曜日は2,000円まで跳ね上がります」(山本氏)。

会員数約8,000名のよかよか堂アプリ。誕生月のプレゼントや希少酒サービスなどの特典があり、系列店でも利用できる

 販促としてSNS(Instagram)を毎日更新しているが、主に口コミで評判が広がっており、常連率は約4割。店舗のアプリも用意して、「希少酒をリーズナブルに提供」「来店回数に応じて1品プレゼント」などのサービスでリピート促進につなげている。

 これらの工夫やこだわりが来店客の心を引き付け、2023年7月には最高月商1,080万円に到達。おでんは一般的に夏の売上が低下しがちだが、自然薯のほかおつまみのメニューを強化していることもあり、季節を問わず繁盛している。

 今年、既存ブランドの新店舗を出店するべく、新宿御苑をはじめ都内で物件を探している山本氏。「おつまみも含めて全てを小皿で一品ずつ提供する、よかよか堂をさらにブラッシュアップしたおでん店も計画しています」と、今後のさらなる展開に向けて動いている。

株式会社やる気カンパニー 代表取締役 山本 高史 氏
徳島県出身。19歳で単身上京し、飲食店勤務を経て22歳で独立、株式会社やる気カンパニー設立。妻・志穂さんとともに独自の業態を作り、都内で7店舗を運営。

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