エリア特性と強みを踏まえた出店戦略で、年商10億円を実現
個性的な飲食店が立ち並ぶ福岡・春吉。この激戦区で「(鮨)池田鮮魚」は、福岡や長崎の市場から届く鮮魚を看板に、寿司や刺身、地域性を意識した魚料理を手頃な価格で提供し、安定した集客を継続している。客単価は昼1,500円、夜4,000円台。週末は5回転する日もあるといい、全26席の店で平均月商1,000万円を売り上げている。
運営するハカタネクストは福岡・長崎・東京で12店舗を展開(2026年2月現在)し、売上は10億円規模(2025年度)へと拡大。「(鮨)池田鮮魚」はその中核を担う業態の一つだ。創業の経緯から現在の組織運営、今後の拡張戦略について、代表の池田 壮志(そうし)氏に話を聞いた。
(鮨)池田鮮魚
業態:海鮮居酒屋、寿司酒場
席数:26席(カウンター、掘りごたつ式のテーブル席)
客単価平均:昼1,500円、夜4,000円台
客層:20~50代、6割が観光客(インバウンド含む)、4割が地元客
ビジネス層・カップル・グループ
アクセス:地下鉄七隈線渡辺通駅2番出口より徒歩8分
営業時間:11:00~14:00、月~木曜日17:00~24:00、金・土曜日・祝前日17:00~翌1:00、日・祝日17:00~23:00
定休日 :なし
https://r.gnavi.co.jp/sdgr66a10000/
目次
1.【創業】居酒屋チェーンを目指した原点と自社施工の強み
2.【設計】昼夜で回す、鮮魚業態の収益モデル
3.【人材】すべては”人”からはじまる組織づくり
4.【展開】福岡と東京。拡張する出店戦略
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1.【創業】居酒屋チェーンを目指した原点と自社施工の強み
池田氏が居酒屋チェーンの構築を志したのは20歳の頃。その思いを実現するため、大学卒業後は大手飲食企業の株式会社モンテローザに入社した。現場で経験を重ね、店舗運営の現実と向き合いながら、独立への準備を進めていった。28歳で退職し、2016年、福岡・綱場町に1号店「博多もつ鍋 響(ひびき)本店」を開業した。
続く2店舗目として出店したのが、薬院・三角市場の「焼きとりのひびき」だ。当時資金に余裕があったわけではなく、内装はスタッフとともにDIYで仕上げたという。「父が大工だった影響もあり、創業当初から手作りの空間を大切にしてきました」と池田氏。この経験が、現在の事業の柱の一つである店舗施工事業へとつながっている。自社で施工からメニュー考案、SNS運用までをトータルサポートできる体制は、多店舗展開における強力な武器だ。
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1号店 福岡・綱場町「博多もつ鍋 響 本店」(写真提供:ハカタネクスト) -
2号店 薬院・三角市場「焼きとりのひびき」(写真提供:ハカタネクスト)
業績は順調に伸び、博多・春吉エリアで次なる店舗の出店を構想していたが、物件は思うように見つからなかった。そこで、前職時代の担当エリアで土地勘のあった長崎に着目した。
長崎は、漁獲できる魚種が全国1位(長崎県漁連HPより)という屈指の水産県。池田氏にとって魚の供給量やマーケットの特性は既知の領域だった。まず長崎で3店舗を展開し、着実に実績を積み上げた。その間に福岡・春吉で物件が見つかり、福岡での出店を進めていくことになる。
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2.【設計】昼夜で回す、鮮魚業態の収益モデル
長崎での3店舗を経て、あらためて確信した「魚」のポテンシャル。コンパクトな飲み方やはしご利用など、比較的高回転な福岡のマーケットに合わせて最適化させたのが、2023年7月、福岡・春吉に開業した「(鮨)池田鮮魚」である。寿司と新鮮魚が楽しめる酒場として、握りや刺身といった魚料理を中心に構成する。
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長崎・五島列島から直送される朝獲れサバで仕立てる名物「博多のごま鯖」(1,262円) -
頭付き2尾の圧巻サイズ。「大きなエビフライ」(702円)は、想像を超えるボリューム
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グランドメニューは分かりやすさを重視。料理名から内容が伝わる構成 -
マネージャーや店長が主体となって考案する「今月のおすすめ」。毎月更新される旬の一品が楽しめる
2024年10月からはランチ営業も開始。刺身定食や海鮮丼、握り中心の寿司定食など10種以上をそろえ、ご飯・味噌汁・おばんざいはセルフ方式でおかわり自由とした。これにより、国内外からの観光客から近隣のビジネス層まで幅広く集客。夜と同じ仕入れルートを最大限に活用し、提供方法を変えることで、1日50〜60人、売上8〜9万円を上乗せする収益モデルを確立した。
そして、特筆すべきなのが「ドン安」だ。対象ドリンクは1杯目599円、2杯目499円、3杯目399円、4杯目以降100円と、杯数を重ねるごとに単価が下がるこの仕組みは、複数杯の注文を促し、客単価と満足度アップに寄与している。
3.【人材】すべては”人”からはじまる組織づくり
事業拡大の原動力について、池田氏は「すべては人だと考えています。人を認め、人を思いやる。それは創業当初から変わっていません」と語る。これまでの出店も、仲間の雇用を守り、給与水準を高めるための挑戦でもあった。損をしてでも体現する――その姿勢を貫いてきたという。
創業から数年は、とにかく自らが先頭に立ち、背中で引っ張る経営スタイルだった。生き残るために必死に走り続けた結果、12店舗まで拡大するまでに至った。しかし、拠点が増えるにつれ、一人で全体を牽引することに限界を感じ始める。
転機となったのは2年前の2024年頃。ビジョンを言語化し、組織に浸透させる方向へと舵を切った。「売れればいいではなく、組織としての在り方を大切にしたい」。その思いを込めて掲げたのが、「全ては人からはじまる」という経営理念である。
現在は役員2人、マネージャー4人の体制を敷き、現場運営やメニュー開発の権限を各店長へ委譲。マネージャーを厚く配置してコミュニケーションを密にすることで、社長の直接指示がなくとも各拠点が自律的に課題を解決できる組織へと進化した。
4.【展開】福岡と東京。拡張する出店戦略
勢いは福岡にとどまらず、東京へと波及している。2024年3月に「IZAKAYA ハカタスタンダード 高円寺店」、同6月に「IZAKAYA ハカタスタンダード中野店」をオープン。博多の味と「ドン安」が話題を呼び、連日満席の繁盛店を実現。一方福岡には、2025年4月みずほPayPayドーム福岡に隣接するBOSS E・ZO FUKUOKA内に「(鮨)池田鮮魚E・ZO店」を出店している。そして、2026年2月24日には、東京・神田に定食酒場「博多めし いけ田」を開業予定と、福岡と東京の2拠点への出店が続く。
東京では商業施設からの出店要請が増えている。排気設備の制約から焼き鳥業態では出店が難しい物件でも、寿司を中心とした鮮魚業態であれば重排気を必要とせず、設備条件の制約を受けにくい点が強みだ。「立ち食い寿司にも挑戦したい。駅構内のような立地も視野に入れています」と池田氏。神田を拠点に、新橋・上野・東京駅周辺といった主要エリアへ、2027年末までに3店舗を出店予定。全体売上15億円規模への拡大を見込む。
対して福岡では、居酒屋業態の出店において、あえて博多駅周辺は選択しない方針をとる。交通利便性よりも飲食目的来街者数の多いエリアを重視し、まずは超一等地から出店していくという独自の立地基準を敷いている。
今後は、福岡ならではの魚や地域食材の仕入れをさらに強化し、継続的に高品質の商品を提供していく考えだ。業態を固定せず、立地と設備条件、人材の成熟度を見極めながら出店を重ねていく。成長を続ける同社の動向に、引き続き注目したい。
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