コンセプトは“学生が週2で通える焼鳥屋”
“学生が週2で通える焼鳥屋”をコンセプトに掲げる「京都炭火焼鳥 アホウどり 聖護院店」。客単価2,100円で来店客の半数以上がリピーターの居酒屋だ。2024年の「居酒屋甲子園」では日本一の栄冠に輝いており、高い接客・サービス力がリピーター獲得の大きな要因となっている。
京都府京都市左京区聖護院山王町16-28
https://r.gnavi.co.jp/7r1ww8s30000/
https://www.instagram.com/ahoshougoin/
目次
・人生のドン底を救ってくれた友人のために店を作りたい
・【POINT1】コロナ禍を機に学生に喜ばれるメニューを強化
・【POINT2】友達が増える、スタッフにファンが付く接客の極意
・【POINT3】常連客がアルバイトに、アルバイトが社員に、の好循環
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人生のドン底を救ってくれた友人のために店を作りたい
現在、京都市内に「アホウどり」を3店舗展開する株式会社アホウプロジェクト。代表の泉川 武士 氏は兵庫県西宮市出身。大学卒業後、食べ放題が人気を呼んでいる焼き肉店に就職し、店舗での通常業務のほか新人研修なども担当するなど充実した日々を送っていた。
「アホウどり」出店のきっかけは、泉川氏の悲劇だ。当時結婚を前提に交際していた恋人との結婚式が決まり、招待状も送り、あとは結婚式の日を待つだけのとなったある日、突然の破談。幸せの絶頂から人生のどん底へ突き落された泉川氏を救ってくれたのは友人だった。
「友人たちが『泉川武士 結婚式・告別式』というアホな会を開いてくれました。すごく気持ちが楽になって、もう感謝しかないと。当時僕は3階建て250人ほど入れる大箱店の店長でした。日本一をめざして一生懸命やっていましたが、この経験からコイツらのためにも、小さくてもいいから家族みたいに楽しく話をできるような、アホになれるお店を作ろうと思うようになったんです」と泉川氏は振り返る。
【ポイント1】コロナ禍を機に学生に喜ばれるメニューを強化
こうして、2018年に「京都炭火焼鳥 アホウどり」をオープン。立地にも恵まれ、オープンしてからわずか2年余りで京都市内に4店舗(2024年12月現在、3店舗)を経営するまでに成長。
しかし、決して経営は順調ではなかった。その原因は、「老若男女が肩を並べて楽しめる店を考えていましたが、お客様からすると、何を売りにしている店なのかよく分からなかったんだと思います」と泉川氏は分析する。
「『アホ』と『炭火焼鳥』を銘打っているものの、めちゃくちゃアホほどこだわった焼き鳥を食べさせてくれる店なのか、それともほんまにアホみたいに愉快なスタッフさんがいるのか、お客様の期待のベクトルはバラバラで、だから扉を開けて入ってからの『アレ?(思っていたの違う)』みたいなお客様は正直多かったです」(泉川氏)。
店舗数は増やしたものの売上は大きく伸びず、スタッフ内の不協和音も聞こえてきた。「そんな時にコロナ禍に突入。不安しかありませんでしたが、京都大学が近くにある聖護院店だけが、常連さんの来店もあって売上が安定していたんです」と泉川氏。
そこで、「『アホウどり』が大事にせなアカンのは、常連さんや!」という本質が見え、ターゲットを学生に絞り、全ての物差しを“学生が週2で通える店”に振り切った。まず、料理は焼き鳥などの鶏料理を中心にして、サラダなどの野菜料理を減らすなど、それまで120~130あった品数を80~90に絞る「選択と集中」を行った。さらに一皿のボリュームを多く、味は濃くと学生に喜ばれるようにブラッシュアップ。メニュー単価のボリュームゾーンを500円に設定したことで、客単価を3,100円から2,100円に下げた。さらに、出店場所も学生街に絞り、聖護院店よりもさらに京都大学に近い「京大前店」を出店するなど、学生にターゲットを絞った店づくりを進めていった。
「客単価を下げても利益を確保できている理由は、飲み放題プランのオーダー率が高いから。どの店舗もオーダー率は高く、特に北野白梅町店では60%が飲み放題を頼みます」(泉川氏)。飲み放題は1,100円、1,400円、1,900円(すべて税抜き)というお得感の高いプランがあり、ハイボール、酎ハイなどをラインナップ。どれもプラス100円で生ビールも飲み放題にできる。生ビールばかりが出ると利益は下がるが、学生メインの「アホウどり」で最もよく出るのが「お茶割」(緑茶ハイ/烏龍ハイ)。お茶割は原価率が低いため、飲み放題の利用が増えれば増えるほど、利益が生まれるという仕組みだ。
【ポイント2】友達が増える、スタッフにファンが付く接客の極意
さらに泉川氏は、リピートにつなげることが売上の拡大につながると考え、来店客に“食のエンタメ体験”をしてもらうことを重視。このエンタメ体験をきっかけに来店客とスタッフの接点が増えるような仕組みづくりをすることで、ファンを増やしている。
接客のポイントは「一言添え」。必ず提供時にスタッフが一言を添えて商品の魅力を伝えるようにしている。「一言添え」のポイントは3つ。
1つ目は「情報」。全ての商品の提供時には必ず料理の説明を行い、ドリンクを出したら「乾杯どうぞ!」と必ず一言を添えている。
2つ目は「巻き込み」。「『炙りヤンニョムチーズチキン』(500円・税抜き)の提供時には、スタッフが最後にだしを回しかけます。その時、ジュ~と肉汁が飛び散ったら、スタッフの『せーの』の声の後に、お客様に『ナイスジュー』と言っていただくようお願いしています。こうしてグループ全体を巻き込むと、隣のテーブルの人も一緒に『ナイスジュー』と声を出して、いつの間にか友達になっていることも多いです」(泉川氏)。
3つ目は「アシスト」。例えば「恐怖の!ロシアンたこ焼き」(5個500円~・税抜き)には、「1つだけ当たり(デスソース入り)が入ってますので、誰が当たりを引くか楽しんでください」とメニューの楽しみ方、食べ方を説明するようにしている。
さらに、スタッフには一人ひとり「アホウネーム」という個性的なニックネームを付いているが、これが会話のフックとなりスタッフにファンが付くことも少なくない。「スタッフとお客様が仲良くなることでリピーター率は50%以上。ヘビーユーザーの獲得につながったのは、おいしい、安いというコスパの部分だけではないと思います。スタッフや隣の常連さんとの交流を意図的に生むことで、『アホウドリに行くと楽しい!』『友達ができる!』という唯一無二の体験を提供してきた結果だと感じています」と泉川氏は笑顔を見せる。
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【ポイント3】常連客がアルバイトに、アルバイトが社員に、の好循環
アルバイトにファンが付くとともに、労働環境の整備などによって「働きたい店」だけではなく「働きやすい店」にもなっており、友人や後輩などを紹介するリファラル採用も多い。また、会社としてのイベントを強化することで、アルバイトが社員になる流れも生まれた。その一つがスタッフの家族を店に招く「アホ参観日」だ。「コロナ禍で真っ先に打撃を受けたこともあり、飲食業界は就職先としてあまりよくないイメージをお持ちの親御さんも多いようです。そこで当社の経営方針発表も併せて行うことで、理解、納得して、お子さんを応援してくれるようになると考えました」(泉川氏)。
学生をファンにして常連客にし、常連客の中から「アホウどり」で働きたいという人がアルバイトになり、やがて社員に。こうした流れによって、意識やコミットメントが高い人材の確保に成功。スタッフが自発的にメニューや接客のアイデアを出してQSCの質が自然と上がっていく状況に。「近所のおばちゃんのようにおせっかいをする『ご近所』という接客スタイルも、アルバイトスタッフからの発案です」と話す泉川氏。今では全店舗で「ご近所接客」を採用。やらされ仕事ではなく、自分で考えて行動する当事者意識が強いスタッフがそろっているからこそ、結果として会社の成長につながっている。
聖護院店の最高月商は400万円で、平均月商350万円を維持。姉妹店である北野白梅町店(16.5坪)は最高月商500万円を記録した。
既存の聖護院店、京大前店、北野白梅町店に加え、2025年には新たに今出川店を出店予定。京都の有名大学をしっかり押さえて「学生街×アホウドリ」を強化していく。「中長期的な目標としては、“学生街にはアホウドリ”と思われるよう、大阪の学生街も視野に入れて店舗数を伸ばしていきたいです」(泉川氏)と、さらなる成長を目指している。
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