2023年に誕生した肉料理の立ち飲み店
2023年9月にオープンした「肉料理 PINE」(以下、PINE)も、開店からまもなくSNSから火が付いた人気立ち飲み店の一つ。スタンディング約25人、6坪という小規模な店内ながら、最高月商560万円(2024年12月)を叩き出し、コンスタントに月商520万円を売り上げている。平均回転数は1日3回転で、週末は4回転。1日約100人が来店。20代後半~30代後半の感度の高い若者を中心に注目を集め、会社終わりの一杯から、デート、一人飲み、女子会など、さまざまなシーンで利用している。
経営しているのは若きオーナー・松下 聖輝 氏。焼肉店で肉の目利きや調理技術をみっちり学び、肉割烹「にくといえばまつだ」で肉調理の研鑽を積んだのち、26歳で起業した。立ち飲み業態にしたのは、「僕自身が気軽な距離感でお客様と接することができる立ち飲みが好きなことがまずひとつ。次に単価を安くして回転率を上げることで利益を得られるという業態であること。そして僕が20代で独立ということもあり、若さが武器になる業態ではないかと考えたからです」。
肉料理PINE(パイン)
業態:焼き肉
収容客数:約25人(立ち飲み席のみ)
平均客単価:3,000~3,500円
客層:20代後半~30代後半、男女比5:5
アクセス:大阪メトロ谷町線東梅田駅・中崎町駅からともに徒歩5分
営業時間:火~日曜日17:00~25:00、月曜日定休
https://www.instagram.com/nikuryouri_pine_/
繁盛へと導いた、3つのポイント
【POINT1】印象的なファサードと特別な体験で集客
【POINT2】自家製ダレをベースにしたメニューで効率化
【POINT3】ジン好きにも刺さるこだわりのラインアップ
▼ぐるなび公式アカウント▼
【LINE】ぐるなび通信デジタル
よろしければ、ぜひ友達追加/フォローをお願いします!
【POINT1】印象的なファサードと特別な体験で集客
立地は「主要駅から近い場所を」という条件で選んだと話す松下氏。「PINE」がある場所は、裏路地の奥にあり非常に分かりにくい場所にあるが、「今の時代、SNSの力をしっかり活用すれば、どんな場所であっても集客は可能だと考えました」。
まず店づくりは、集客に大きな影響を与えるファサードにこだわった。「目を引き付け、かつ店のシンボルになるようなものが欲しい」と店前には大きな松の盆栽を設置した。それを棚の上に置くことで視認性を高め、道行く人の集客に一役。またSNSで同店の存在を知った初めての人も迷わず来れる目印にもなっているという。
そして6坪という“小ささ”にもこだわりがある。外から見た時に、大きすぎる店だと2~3組入っていても「繁盛していない」と思われやすい。そこで小さい店で全面ガラス張りにすることで、「にぎわっている」という印象を訴求しようと考えた。
さらに入店方法もユニークだ。茶室の入り口である「にじり口」のように、小さな扉を屈んで入る必要がある。割烹など高級店で採用されることもあるが、立ち飲み業態では珍しい。「茶室の中ではすべての人が平等という考えがあります。その世界観が立ち飲みの店にも当てはまるんじゃないかと思ったんです」。入り口をくぐるという特別な体験が記憶に残り、リピート率の向上につながっている。
【POINT2】自家製ダレをベースにしたメニューで効率化
-
「豚巻海老マヨBLACK」(660円)。豚で巻いた海老のフリットは、外はふんわり、中はプリッとした食感。黒ゴマ、マヨネーズを加えたコクのあるタレが絡んで美味 -
「万願寺とバジル 牛しぐれ」(495円)。香ばしく焼いた万願寺と自家製のタレで味付けした牛しぐれにバジルを加えてスッキリと食べやすく仕上げている
料理は現在約20種をラインナップ。仕入れは焼き肉店時代のルーツを生かし、新鮮で高品質のものを安価で仕入れることに成功。牛肉を中心に、豚肉、鶏肉、鴨肉などを使い、和・洋・中ジャンルレスな料理を提供している。
ジャンルにとらわれない多彩な料理提供を可能としているのが自家製のタレだ。カツオ節や昆布のだし、醤油やフルーツなどをブレンドして、すき焼きの割り下と、焼肉のたれの中間をイメージして作ったオリジナル。例えば、人気メニューの一つ「名物牛味噌カツサンド」には八丁味噌を、「豚巻き海老マヨBALCK」にはマヨネーズや黒ゴマをブレンドして味付けを行っている。「複雑な調理工程だとお客さんを待たせてしまいますが、このタレをベースにすることでオペレーションを簡略化。ちょっとのアレンジを加えるだけで、短い時間で全く違う料理の提供が可能になります」と松下氏は言う。
-
「揚げ餃子の和牛麻婆餡掛け」(495円)。自家製ラー油で辛みをしっかり出した和牛麻婆とパリパリの揚げ餃子がベストマッチ! -
「和牛牛すじ煮込みと厚揚げ」(715円)。サクサクに揚げた厚揚げに、生姜風味の牛すじ煮込みがたっぷり。ボリュームがあって食べ応えも抜群
また、これまでは松下氏がワンオペで店を回してきたが、最近では新しく調理スタッフが加わった。「現在指導しながら、調理をどんどん任せていっています。タレというベースがあるので、どんなメニューにも味がぶれず安定した味を提供できるのもメリットです」(松下氏)。
繁盛店づくりのサポートは「ぐるなび」におまかせください!
▼詳細はこちらから
0円から始める集客アップ。ぐるなび掲載・ネット予約【ぐるなび掲載のご案内】
【POINT3】ジン好きにも刺さるこだわりのラインアップ
ドリンクはクラフトジンを充実させて他店と差別化を図った。「近年、人気が高まりつつあるクラフトジンに注目して、多彩な種類を取りそろえました。おいしさはもちろん、当店のしっかり味付けした料理に合うことが魅力に感じました。原価を抑えられることや、たとえ在庫を抱えてもロスが出にくいこともポイントです」(松下氏)。
日本のものでは北海道や奈良、広島など、海外のものではフランスやスペイン、イギリスなど、国内外を問わず、スタンダードなものから珍しいものまで30種以上をラインナップ。しっかりした味付けの料理との相性も考え、ボタニカルで個性が強いものを中心にセレクトしている。ジンの提供価格は1,000円前後。立ち飲み店として考えるとドリンクの提供価格はさほど安くない。その分フードメニューを低価格に抑えることで客単価3,000円というリピートさせやすい絶妙なポジショニングをキープ。一方、トータル原価率は30%に着地させている。「通常のバーだと2,000円前後するクラフトジンが半額で飲めるということで、ジンを好きな方もリピーターになっていただいています」(松下氏)。
オープン以来広告は一切打たず、集客ツールはSNSのみ。その分毎日の投稿を欠かさず、1日2~3回はストーリーをアップするなどしてSNSから徐々に火が付き始めた。こまめに店の情報の発信を日々続けることでリピーターとなるお客様を増やし、今では、老若男女が訪れ、連日オープンと同時にあっという間に満席になるほど好調を維持している。
今後は新店舗の出店を視野に入れており、「PINEとは異なる業態で検討しています。10坪・15席程度の規模で、座って楽しむコスパ抜群の肉料理店を展開していきたいです」と話す松下氏。人気店の新たな展開に期待が高まる。
Googleビジネスプロフィールの運用代行サービスは、ぐるなびで!
ぐるなびによるGoogleビジネスプロフィール(GBP)を活用したMEO対策・クチコミ対応を含む、飲食店に特化した集客支援・運用代行サービスを紹介します。
▼詳細はこちらから
【ぐるなび】飲食店向けGoogleビジネスプロフィール(GBP)集客支援・運用代行サービス
資料請求・お問い合わせはお気軽にどうぞ
「ぐるなび通信」の記事を読んでいただき、ありがとうございます。
「ぐるなび」の掲載は無料で始められ、飲食店のあらゆる課題解決をサポートしています!