2017/12/19 特集

人気店の経営者へ10の質問 2018年、そしてその先へ 前編(3ページ目)

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海外出店、そして年商175億円超えが目標です

株式会社プレジャーカンパニー望月大輔氏COMPANY PROFILE2010年、株式会社プレジャーカンパニー設立。同年、神奈川県で1号店となるエスニック料理店「アジアンビストDai」を、たまプラーザ駅近くに出店。その後、炭焼き、イタリアンなどの業態を展開。2015年からは、商業施設へも出店。2017年に4店舗を出店し、東京、神奈川に16店舗を構える。DAISUKE MOCHIZUKI PROFILE1975年、山梨生まれ。大学在学中に1年間アメリカへ留学。卒業後はオーストラリアへ。帰国後、株式会社グローバルダイニングにアルバイトとして入る。その後、正社員に昇格し、店長としても実績を残す。2010年に独立し、株式会社プレジャーカンパニーを立ち上げる。

2017年を振り返って

2010年の創業から少しずつ店舗を増やし、年商10億円を超えました。そんななか、新業態を出店するなど、チャレンジの年でした。新業態に挑んだのは、「社員がもっと輝ける場を作りたい」という思いから。決してすべてがうまくいったとは言えませんが、課題がたくさん見つかり、勉強になりました。

まず、4月に「アジアンビストロDai」の二子玉川店を出店。その後、5月に新ブランド「ハワイアンビストロDaiあざみ野店」を、9月にはフレンチの技法を取り入れたエスニック料理を提供する新ブランド「ヌーヴェルエスニックアタ」を東京・恵比寿に出店しました。「アタ」は、客単価が7000円と既存店の倍で、今年一番のチャレンジでした。恵比寿はよく知っている土地で、ニーズがあると踏んでの出店でしたが、ビル6階という立地も影響し、店のコンセプトが伝わらず、集客に苦戦しました。そこで、千円以上ばかりだったグランドメニューに、580円の小皿料理を取り入れ、間口を広げたことで売上も倍に。徐々に手応えを感じています。

さらに12月には、以前から出したいと考えていたラーメン店を新百合ヶ丘にオープン。2年かけて準備をし、内装にもこだわったため、20坪の店に5000万円を投資することになりました。

2018年の展望とキーワード

2017年は、立て続けに4店舗を出店しましたが、当初の想定より売上は伸びていません。2018年は無理をせず、既存店のQSCを見直して、全社的なレベルを上げたいと考えています。新店は、10月に日本橋の新しい商業施設へ出店予定の「アジアンビストロDai」の1店舗にとどめるつもりです。

キーワードは、“2018年の”というよりも、ここ数年、自分の中でテーマにしている「無化調&ヘルシー」です。お客様の健康志向も年々高くなっていると感じており、恵比寿の「アタ」も、新百合ヶ丘のラーメン店も化学調味料は一切使っていません。ただ、それを来店のフックにしようとは考えていないので、あえてアピールはしていません。

自社店舗のエリアの状況

東急田園都市線、小田急線沿線の既存店は、売上も堅調。たまプラーザ駅や二子玉川駅は、乗降客数も微増を続けており、今後も注目したいエリアです。本当は、路面での出店を増やしたいのですが、探している50坪前後の物件がないため、最近は商業施設への出店が増えています。今後は路面店と商業施設内に、バランスよく出店していきたいです。

「人材問題」への対策

3年前、新卒採用を始めるにあたり、労働環境と福利厚生を整備しました。週休2日で、年末年始は必ず5日間休みにし、家族手当の制度も作りました。現状、人手には困っていませんが、店長、料理長を任せられる人材が足りないのが課題です。また、新卒教育については、最初の1年間は毎月1回フォローアップ研修と懇親会を行い、自信とやりがいを感じてもらいつつ、悩みを溜め込まないよう、コミュニケーションを大切にしています。

10年後の自社未来図

どの国というのは決めていませんが、海外に出店したいと思っています。今、42歳なので50歳までに実現したい。10年後には、海外に何店舗か出店しているのが目標です。そしていつか、お世話になった株式会社グローバルダイニングの年商最高額175億円を超えたいですね。

気になる食材

今は、これという食材はありませんが、食材を考えるときも「ヘルシー」というキーワードは意識しています。

注目している業態

業態というより、無化調やヘルシーを売りにしている店は、注目しています。ただ、他社と同じような業態の出店は今のところ考えていません。「無化調&ヘルシーを前面に打ち出しつつ、いかにおいしいものを提供するか」という部分で、明確な答えが見えていないからです。

ベンチマークしている店

特にありませんが、話題になっていたり、気になる店には視察に行きます。恵比寿、代々木上原、表参道周辺と、東京都内が多いですね。特に、客単価5000~7000円の店に行き、どんな料理を出しているか、コストパフォーマンスはどうか、などを参考にしています。

尊敬している経営者3人

2人あげるなら、グローバルダイニングの長谷川耕造さんと、株式会社鳥貴族の大倉忠司さんです。飲食業の基本を学ばせていただいた長谷川さんは、「結果や数字を判断基準にする」という、自分の哲学を貫く姿勢を尊敬しています。大倉さんは、創業からのビジョンを守り続けて業績を拡大している部分がすごい。5年前から大倉さんが開く勉強会に参加させていただいており、成功してもぜいたくをせず、お客様目線を忘れない点は見習いたいと思っています。

マイブームや趣味

趣味は旅行です。特に海外で、その地の文化に触れ、食べ歩くのが好きですね。2017年は、スペインなど計7カ国に行きました。

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