2019/11/26 特集

【PART3】外国人客 受け入れキーワード10-外国人受け入れ対応事例(3ページ目)

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自分で握って、いざ実食!すし職人になる“体験”で貴重な思い出も提供

旬の瀬戸内 SUSHI にぎり座[広島県・中区]

エンターテインメント性で欧米人を中心に話題に!

 2017年オープンの「にぎり座」に経営アドバイザーとして参画した株式会社源・代表取締役の山口大介氏が経営を引き継ぎ、翌年8月に再スタート。それまでは地元ファミリー向けの寿司店だったが、外国人もターゲットにして、「本格にぎり寿司体験」も可能な寿司店兼〝和カフェ.に変更した。「世界遺産の原爆ドームから徒歩圏内という絶好の立地。特に外国人観光客が多いエリアなので、インバウンド対策は必然でした。『食』は彼らのニーズの上位。日本の食文化を発信し、思い出に残る“コト消費”でもファンを獲得していきたいと考えました」と山口氏。現在、外国人客の割合は1割ほどだが、握り寿司体験はほとんどが外国人で、その半数をアメリカ人が占めるという。

握り寿司体験用のチラシ。基本的に予約制で、「ランチ」「カフェ」「ディナー」の3つの時間帯で受け付け。ディナー帯での利用がもっとも多いという
  • 各種ネタなどが美しく並ぶ「にぎり寿司体験」1人前のセット。値段は人数変動制で1人3000~5000円。所要時間90~120分
  • 体験終了後は、味噌汁・茶碗蒸しとともに実食。20~30代のカップルが多く、「生魚は苦手だが、日本の食文化を知るために参加した」という外国人も
  • 実際に握る前には、スタッフが寿司やその歴史を手作りの紙芝居で紹介。かわいくてポップな絵も好評だ
  • 日本の文化の1つとして法被も紹介。握り寿司体験中は、ねじり鉢巻きとともに着用してもらう

 「Be a Sushi Chef!(寿司職人になろう)」と銘打つ握り寿司体験は、ねじり鉢巻きと法はっぴ被選びからスタート。紙芝居で日本食や寿司の歴史を学んだあと、スタッフのレクチャーを受けながら一貫ずつ寿司を握り、最後に実食する。「この体験を母国に持ち帰り、ホームパーティなどで披露してもらいたいです」と話す山口氏。今後は、体験中の動画を記念にプレゼントしたいという。課題はさらなる認知度アップ。WebでのアピールやSNS発信の強化、今後の需要を見込んで、台湾の旅行会社に営業するなど尽力している。

 年内には店舗2階を宿泊施設にする計画も進行中。将来的にはミャンマーでの出店を実現すべく、そのモデル店としてもブラッシュアップを重ねていく。

外国語(英語表記)のグランドメニュー。外国人には「まぐろづくし」(960円)、「サーモンづくし」(1,070円)など、“づくし”メニュー(右下の画像参照)も人気
体験者にはトリップアドバイザーへの投稿を促す。今後は握り寿司体験中の動画撮影を行ってプレゼントも予定しており、動画での拡散にも期待している。また、店内にはフリーWi-Fiも整備している
旬の瀬戸内 SUSHI にぎり座
広島県広島市中区中島町9-11
https://r.gnavi.co.jp/jx00s6gx0000/
広島観光の中心・広島平和記念公園のすぐそばに立地。歌舞伎座をイメージさせるインパクトある外観で、明るくカジュアルな店内はカフェのよう。小上がりの座敷席もある。
代表取締役 山口 大介氏
調理師専門学校を卒業後、東京の有名フランス料理店で修業。その後、広島市内でリラクゼーションサロンを経営。モットーは「Life isFun!(人生は楽しい)」。

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