2019/11/26 特集

【PART3】外国人客 受け入れキーワード10-外国人受け入れ対応事例(4ページ目)

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歓迎と感謝の心でもてなし、日本での外食の不安を取り除く

鉄板焼肉 にやま 木屋町店[京都・木屋町]

「ぐるなび外国語版」が活躍。コメント返信は心を込めて

 京都府北部の舞鶴市で1955年に創業した、焼肉とホルモンうどんの店「八島丹山(やしまにやま)」。2002年には京都市内にも進出し、2017年12月には「鉄板焼肉にやま木屋町店」をオープンした。マネージャーの丹山恒志氏は、京都市内中心部での店舗運営に手応えを感じていたが、「木屋町は激戦区なので、広告媒体を活用した情報発信を初めて検討しました。そのタイミングで唯一、具体的なインバウンド対策も提案してくれたのが、ぐるなび。以来、海外から訪れるお客様の“おもてなし術”を磨くために、トライ&エラーを繰り返しながら、担当営業の戸﨑さんと二人三脚でコツコツ取り組んできました」と振り返る。

  • 無断キャンセル防止のため、キャンセルポリシーを作成。新たな取り組みとして今秋から活用を始めている
  • 時間を見つけて営業に出向く近隣のホテルを一覧にし、地道な営業活動を継続。外国人客の高い満足度がホテルとの絆を強くしている

店舗入口に続く階段には、各国の言葉で「歓迎」の意を伝える。外国人には店の場所がわかりづらいため、階段下には看板も設置している

  • トリップアドバイザーのコメントには、丹山氏自ら返信。定型文ではなく、店内での接客の延長のように、自分の言葉で思いを込めている
  • トリップアドバイザーのページは、「ぐるなび外国語版ネット予約」と連動。Webからの予約も多数入っている
「ぐるなび外国語版」の店舗ページ。各ページにトリップアドバイザーへのリンクがある

 メニューは和牛の人気が高いことから「神戸牛プレミアムセット」(8000円)などを中心に、牛肉が食べられない人やベジタリアン向けに豚肉や海鮮も用意しているが、「とにかく日本での不安を少しでも取り除く」(丹山氏)ことに心を配る。道に迷っていれば迎えに行ったり、帰りがタクシーならば車まで見送り、行き先を運転手に伝えたりすることもある。そして「来店への感謝の気持ちをあらためて文章で伝えたいので、トリップアドバイザーのコメントにも返信をしています」(丹山氏)と、交流の場としてWebも活用している。

  • 和牛は特に中国人を中心に人気。外国人客の多くは「神戸牛プレミアムセット」を注文するが、「海鮮焼セット」(3,800 円)も評判だ
  • 1杯だけ注文されることが多いドリンク。ビールは「生大BIG」(980円)が単価アップに貢献

 近隣のホテルには外国人歓迎の店であることを伝え、急な予約の問い合わせにも対応するなど、良好な関係を構築。接客面では“伝わるていねいな接客”の意識・実践が、店全体の接客力向上に貢献。その結果、日本人客の満足度アップにもつながり、好循環が生まれている。

鉄板焼肉 にやま 木屋町店
京都府京都市中京区四条上ル鍋屋町221 木屋町50ビル2F
https://r.gnavi.co.jp/66ma9e7e0000/
四条烏丸や河原町から続く繁華街・木屋町のビル2階。ライブ感のあるカウンター席のほか、個室を備え、記念日の利用も数多く獲得。徒歩圏内に系列店「神戸牛 丹山 鉄板焼」がある。
マネージャー 丹山 恒志氏
様々な飲食店で修業後、兄弟(雄策氏)と共に「八島丹山」の三代目に。「焼肉店」の概念にとらわれず、さらなる「Niyama」ブランドを確立すべく新たなチャレンジに取り組み中。

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