利用客のニーズに合わせ、昼・夜・深夜での三毛作業態にリニューアル!
昼からワイン食堂【岡山・岡山市】
こだわりのパスタや酒で昼飲み需要の獲得に成功
JR岡山駅東口から徒歩10分、2012年にオープンした居酒屋「ももたろうの屋台」が、2021年3月、屋号を「昼からワイン食堂」に変更。11時30分〜16時はカルボナーラ専門店「babbino(バッビーノ) 、16〜22時はワインバル「ももたろう」、22〜26時はバー「bar Soleil(ソレイル)」という三毛作業態に挑戦している。この取り組みは、オーナー・田所敦史氏の知人・三宅弘孝氏の経営するバーが、コロナ禍で窮状に陥ったことがきっかけだった。
経験・実績のある同業者を迎え入れての「三毛作業態」
「どのバーも開店休業状態で、三宅さんのバーも苦しい状況でした。『ももたろうの屋台』が夜のみの営業だったことから、『ランチタイムに一緒に何かしたいですね』と話したのが始まりです」と田所氏は振り返る。昨年4月、三宅氏を責任者として迎え、ランチタイムの業態として「babbino」をオープンさせ、「ももたろうの屋台」との二毛作を開始。三宅氏が自店で提供していたカルボナーラをブラッシュアップし、岡山産の親鶏を桜のチップで燻製したベーコンを使う「桜カルボナーラ」(990円)などを打ち出した。すると、これが好評で、20〜50代まで幅広い層の集客に成功。ブルスケッタなどおつまみも豊富に用意することで、昼飲み需要も獲得した。
さらに今年3月からは、屋号を変更するとともに、夜のワインバル業態を「ももたろう」と改名。「ももたろうの屋台」の店長・松岡数周氏が引き続き責任者となり、「岡山産ハーブと豚のボルケッタ」(880円)など、ワインに合う洋風メニューでビジネス層などを集客している。さらに同じタイミングで、三宅氏同様にコロナ禍に苦しんでいたバーの経営者・鈴木飛鳥氏を、新設した深夜業態「bar Soleil」の責任者に迎え、三毛作の体制を構築した。現在、深夜営業は自粛している状況だが、バーを7年経営していた鈴木氏の経験を生かし、「〆パフェ」(1650円)といった特製スイーツの開発などにも力を注いでおり、これらは、現在、他の時間帯でも提供して人気を博している。
このほか、バーを経営した経験がある田所氏も含め、ドリンクのプロが3人いる強みを生かし、ドリンクメニューの開発にも注力。白ワインとソーダで作るカクテル・スプリッツァーに、岡山県産のレモンやイチゴなどを加えた「Sp litzer 牛窓(うしまど)産レモン」や「Sp litzer 西大寺町産イチゴ」(各550円)などをメニューに加え、他店との差別化を図っている。
加えて、系列店「お惣菜せんべろ」で行うサブスクリプション(定額制)のサービスを「昼からワイン食堂」の集客にも活用。「お惣菜せんべろ」で購入したサブスクチケットを「昼からワイン食堂」に持参すると、ランチパスタが1カ月間無料(1日1食)になるサービスを開始。これにより、新規客が来店するなど、効果を実感している。
姉妹店と連携したサブスクリプション
今後は、SNS映えする色鮮やかなパスタを名物として打ち出す予定。「それぞれの得意分野を生かしながら、これまでの飲食店の枠組みに捉われない店づくりを進めていきたいです」(田所氏)と意欲をのぞかせている。
岡山県岡山市北区磨屋町2-2
https://r.gnavi.co.jp/k44p7ymp0000/
を設けており、2021年3月から三毛作業態に変更。近隣に勤めるビジネス層を中心に集客している。