本社のテストキッチンを活用した、ゴーストレストラン5業態が好調!
WE COOK(東京・六本木)
調理・運営の効率化を進め、将来はFC展開を目指す
カジュアルイタリアン「カプリチョーザ」や香港発の点心専門店「添好運(ティム・ホー・ワン)」など、20以上のブランド・163店舗を国内外に展開する株式会社WDI JAPAN。2020年6月に東京・六本木の本社のテストキッチンを拠点に、複数のデリバリーブランドを運営するゴーストレストラン「WE COOK」をスタートさせた。「数年前、ニューヨークで話題になったときからゴーストレストランに注目しており、コロナ禍をきっかけに開発期間2カ月で開業しました」と、営業本部副部長の羽白(はしろ)稔氏は話す。
全国に店舗を保有している同社が、実店舗ではなく本社のテストキッチンを拠点にゴーストレストランを始めた理由は2つある。1つは同社が主に海外の飲食店ブランドを運営しているため、本国とのライセンス契約の関係上、実店舗でのゴーストキッチンの運営が容易ではなかったこと。もう1つが、コロナ禍で新メニューの開発や研修が中止となり、本社のテストキッチンが稼働できない状態だったことから、有効な活用法を模索していたためだ。
業態開発にあたり、シェフやアドバイザーなどで6人のチームを編成。「ゴーストレストランは対象エリアが限られるので、そのエリアの客層に合ったメニューを選ぶ必要がある」(羽白氏)と考え、アッパー層や外国人が集まる六本木という特性を踏まえて、価格帯を下げるよりも高品質で本格的な料理にすることに。また、さまざまな業態のシェフが所属する自社の強みを生かし、「WE COOK」のコンセプトを“食で世界を旅する感覚を”に設定。競合が少なく、独自色のある世界各国の料理として、ハワイで人気が高いガーリックシュリンプを売りにした「ノースショア ガーリックシュリンプ トラック5」、一人前から注文できる台湾火鍋専門店「台湾薬膳ひとり火鍋 Cozy Hot Pot 8」、本格ナポリピザ専門店「Napo Napo」の3ブランドでスタートした。
同じタイミングで、大阪・本町にある支社のテストキッチンを「WE COOK」の2拠点目とし、2020年11月には東京・神楽坂にあるクラウドキッチンスペースを借りて3拠点目として営業を開始した。「六本木のテストキッチンの厨房は10坪程度ありますが、神楽坂のクラウドキッチンスペースはわずか2.5坪。その中で複数ブランドを運営するためにオペレーションをブラッシュアップして、効率化を進めました」と、羽白氏は話す。六本木の本社とは異なるエリアでゴーストレストランを運営することで、オペレーションの効率化や新業態の開発など、さまざまな知見・ノウハウを獲得。現在は、後発の2拠点は休業させ、六本木の本社のみでの営業に絞っている。この1年でニーズなどを見極めながらブランド数の追加や入れ替えも行い、「ノースショア ガーリックシュリンプ トラック5」「台湾薬膳ひとり火鍋 Cozy Hot Pot 8」に加え、ベトナムの麺料理に特化した「ベトナム麺 PHO YOU」、うな重が主力の「鰻 かぐら」、タコライス専門店「タコライス☆ラバー」の計5ブランドを運営している。
1業態あたりの平均的な売上は月商80万円。中でも好調なのは、「ベトナム麺 PHO YOU」で、牛肉のフォー「フォー・ボー」(1,280円)、ハノイ名物のつけ麺「ブン・チャー」(1,580円)などの人気が高い。「火鍋など、冬場に強く夏に弱いブランドもあるので、今後は、夏に強い業態も開発して季節ごとに入れ替える戦略も練っています。新業態の出店や撤退が容易であることがゴーストレストランの利点。入れ替えをしながら、1つの拠点で7~8業態を運営できるようなノウハウを構築していきたいです」と羽白氏は話す。
2021年8月には、都内のビジネス街に新拠点を立ち上げる予定で、ゆくゆくは各ブランドのFC展開も見据える。「現状、一番力を入れているのは、専門性と効率化のバランス」と羽白氏。調理過程の約半分を仕込みで終わらせておき、注文から5分程度で仕上げられるようオペレーションを構築。ブランド間での食材の共有化に取り組むなど、各業態のこだわりを維持しながら、さらなる効率化を進めている。
東京都港区六本木5丁目5番1号
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