2023/12/05 特別企画

「福しん」は、一歩先を行く町中華のチェーン店。時代を見据えた戦略で邁進中!

サラリーマン向けの昔ながらの中華ラーメン屋が、家族客向けの店舗運営に方向転換している。東京都西部を中心に31店舗の中華ラーメン「福しん」を展開する株式会社福しんの2代目社長、高橋順氏にその狙いを伺った。

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チャーシューは良いですよ、よく売れる

株式会社福しん 代表取締役・ 高橋順氏。左画像は「福しん」がつくった、ちょっと風変わりな社史『「福しん」3 つの謎 昭和「町中華」の魂を追って』 ISBN978-4991124914

「子供の頃はいろんなことに興味関心をもつタイプで、それは大人になっても変わりませんでした。スポーツをしないのに、いろいろなスポーツのルールを知っているとかね。オリンピックでモーグルが一躍有名になる前から、ルールは頭にばっちり入っているなんてこともありました(笑)。だから私のエネルギーのほとんどは、“新しいことを知る”に注がれているのかもしれません」(高橋氏)。

コロナ禍で当たり前となった、デリバリー販売や、サブスク販売(定額販売)、セルフオーダーの導入など、福しんではコロナ禍前から既に取り組んでいた。コロナ禍になってからは、厨房機器メーカーから冷凍自動販売機の第1号機が発売されたことを友人のFacebookで知るやいなや、その日のうちに代理店と商談。商談から1カ月後には福しんの店頭に冷凍自販機は並んでいた。このように情報を見つけてきて“これだ!”と直感したときの行動力とスピード感はすさまじい。

店頭に並ぶ冷凍自動販売機

冷凍食品販売の手応えについて伺うと、「商品は専門性という観点からスーパーよりも少し高く、でも利便性の観点からコンビニよりも安い価格に設定しました。また、本格的なチャーシューは、最近はスーパーや肉屋で見なくなりましたよね。だからチャーシューが手軽に購入できるという点で売れるなと思い販売したところ、実際、よく売れました。チャーシューは良いですよ」(高橋氏)。

福しんの冷凍自販機は、1台あたり月間25~30万円を売り上げており、売上の低いもので8~10万円を売る。

工場敷地内にある、冷凍自販機が爆発的に売れた理由

これは余談だが、冷凍自販機の1号機が発売されたのは2021年1月。福しんは4月には自販機販売を開始したところメディアにも注目され報道されると1台300万円を売り上げたこともあった。高橋社長の”新しいことを知る”への探求心が、結果的にメディアを呼び宣伝活動の一助になったのだから、いろんなことに興味関心をもてる社長って強い。

冷凍自販機は都内の数か所と、福しんの工場敷地内に設置し販売を開始した。すると物珍しさからメディア取材を受け報道されると、翌日から自販機の前に長蛇の車の列が!行列が行列が呼び1カ月で300万円を売り上げた伝説の冷凍自販機となる。「こんなに行列ができるなら手売りをすればいいじゃないか」という人もいるが、自販機でラーメンを買いたいから皆、行列をつくっているのだ。つまらないことをやっては、商売はうまくいかない!

よく食べ・よく飲む昭和の男性から、小食男子の増加

新しい店は家族客をターゲットに間口を広くとっている

コロナ禍で生活様式が変化したことは周知の事実だが、最近、高橋社長が感じるのは男性の小食化だ。福しんは、サラリーマン向けに安くてお腹いっぱいになることでお客様に喜んでいただくことを大切にしてきたが、20、30代の男性はそれを求めていないとつくづく感じるという。これまでサラリーマン向けに店舗づくりをしてきたが、団塊世代の高齢化などから福しんのターゲット市場は縮小してきている。

そこで、2020年3月に今までの福しんのイメージを刷新する新店舗をオープンした。

「新しい店は、平日は会社帰りのお客様を、土日は家族客をターゲットにしています。今までの店と異なり、間口は大きく、明るい雰囲気のお店です。店づくりでは“お母さんたちに支持される店”を大切にしています。例えば、注文はタッチパネル式のセルフオーダーにしているのですが、これは小学生未満のお子様って、急に食べたい物が変わるなど、家族全員の注文が決まるまで待つというのは、意外とお母さんにとってはストレスを感じるところ。そういう負担を少しでも減らしたいと思い、セルフオーダー端末を導入しています」(高橋氏)。

店内は木目調の家具を配置し、明るい雰囲気に

今後生き残るのは4つのオーダー 

同社ではタッチパネル式のセルフオーダーを導入している店舗と、従来の紙メニューの2通りある。タッチパネル式の良いところは、売りたい物を目立たせることができること!タッチパネル式の方が、オプションメニューの注文率が高い。その中でも「辛さを選べる」の注文率は高い。また、思い付きで始めた「にんにくマシマシ」も好評だ。“ 思い付き” でいろんな実験を手軽にできるのもタッチパネルという情報機器だからこそ

高橋社長は飲食店で生き残るオーダーは4つだという。

1.タッチパネル式のセルフオーダー。注文者のタイミングで注文ができることから、特に小さいお子様のいる家族客にはぴったりのオーダーだ
2.モバイルオーダー。画面を見せ合いながらメニューを選ぶところに楽しさがあり、お酒を出す業態に向いている
3.券売機。これはラーメン店のような基本的に1オーダーのお店向き
4.手書き伝票。客単価の高い店や雰囲気重視のお店に合う

このように、なんとなく知識として分かっていることでも、高橋社長は自分の目で見て体験して、仮説を立て結論を出す。結論を出したら“ 人に話す” までを行うことを日頃から心がけているとのこと。話すことでフィードバックをもらい、自分の考えや仮説が正しいかを確認しているのだ。

毎月29日は「ギョウザ100 円デー」を実施。通常一皿240円を100円(税込)で提供。効果測定は翌日以降の餃子の出数を集計している。100円の安い時に食べてもらった後に、その後、通常料金でどれだけリピートしてくれるかを計っている

現在、31店舗の内10店舗は新しいモデルの店だ。店内は木目調の家具を配置し、明るく、店の間口も広く家族客が来店しやすい。

既存店の標準が17坪、カウンター10席、テーブル2つだったところを、新店舗ではカウンター10席、テーブル4つ(可能なら6人席)を配置するなど、テーブル席の割合を大きくしている。今後、既存店を新しいモデルの店舗に改装することも計画しており、改装により売上は20%増を見込んでいる。

福しんの売上高は約24億円。2019年比で約15%増と業績は好調だ。新しいモデルの店舗を出店させることでさらなる成長を見込んでいる。

取材協力:「株式会社福しん」 代表取締役 高橋 順氏
東京都豊島区目白5丁目31番3号 
03-5982-0061
https://r.gnavi.co.jp/brand/3670a064/

※株式会社テンポスホールディングス刊「スマイラー」94号より転載

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