食事は”毎日”のこと。家ではできない、外食したくなる料理と空間でもてなす
コロナ禍真っ只中にオープンを迎えた「台所ようは」。路地の多い大名の中でも、通りに出された看板を見逃すと辿り着けない場所に建つ築50年の元民家。軒下には白菜が干されていることもあるなど、ここが大名とは思えないノスタルジックな風景もこの店の日常だ。
少々重たい扉を開けると、しっとりと落ち着いた空間が広がっている。カウンターには、その日オーナーの大塚瞳さんが道の駅や直売所で仕入れてきた地元食材を使って作られるおばんざいがズラリ。地元の人も観光で訪れる人も、およそ半々くらいだと大塚さんは言う。また、年齢や性別も偏りがなく、老若男女幅広く訪れている。
料理のテーマは「毎日食べたくなるごはん」。一見、家庭でも供されるようなおばんざいも、調味料から全部手作りで、家庭ではかけることのない手間をほどこす。この、ここでしか味わえない、料理に生み出された唯一無二の価値が人々を魅了しているのだ。
福岡県福岡市中央区大名1-4-28
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目次
・【POINT1】この街にこんな店があったらうれしいをカタチに!
・【POINT2】全国津々浦々に伝わる郷土料理を再構築して発信
・【POINT3】人々のライフスタイルの変化に対応した、ランチ限定業態「とんかつようは」
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2008年から15年間、食空間演出家として国内外で活動してきた大塚さん。食に対する基盤はその活動を通して培われている。全国の生産者を訪ね歩き、ときには農家のお母さんが作る郷土の家庭料理を食べさせてもらうことも。その土地ならではの料理の奥深さに惹かれる一方で、継ぎ手が少なく、郷土料理が途絶えてしまう不安を覚えたそう。
「全国津々浦々のお母さんと出会い、料理を教えていただきました。あんなにもおいしく知恵が詰まった料理を残していかなければと考えていたところ、築50年ほどの古民家を使った飲食店経営の話をいただいたんです」。
当初は店を持つことを躊躇していたが、この空間を見た瞬間、大塚さんの頭には、カウンターの奥でエプロン姿の女性たちが料理をする姿が浮かび、出店を決意。こうして2020年10月、「台所ようは」はオープンし、コロナ禍にもかかわらず、2022年にはフランスの有力レストランガイド『ゴ・エ・ミヨ2022』にも掲載されるなど、食を追求した独自性の高い料理が国内外から注目を集め続けている。
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【POINT1】この街にこんな店があったらうれしいをカタチに!
現在、大塚さんは福岡市と唐津市で3店舗の飲食店を運営している。約15年間食空間演出家として活動し自身の店を持たなかった大塚さんが、2020年以降立て続けに店を出したのは、ちょっと意外な展開かもしれない。けれど、この3つの店には共通点がある。大塚さん自身がその“物件”や“場所”を気に入り、「この街にこんな店があったらうれしい」と思った店を作ったのだ。
「料理そのものというよりも、大切なのはこの空間を大事にできる飲食のカタチを創ること」と、大塚さん。
2階に「MINT BAR HAKKA」を作ったのも、大塚さん自身が食事をした後に2軒目を探すのが億劫(おっくう)だと感じたから。「お客様にずっとこの場所に居てほしいというよりも、こんな気の利いた店があったらうれしいだろうなという気持ちの方が強いですね」(大塚さん)。「台所ようは」の料理と、「MINT BAR HAKKA」のドリンクを相互提供している。
国内外を飛び回り、好きな人たちとおいしい料理を食べ歩き続けてきたからこそ、食べ手目線の発想も取り入れて、魅力あふれる店の空間を作り出せるのかもしれない。
【POINT2】全国津々浦々に伝わる郷土料理を再構築して発信
10年以上前、スペインに数か月滞在していた大塚さんは、東京ではなく自身の地元である福岡に戻ることにした。そのときに安納芋を栽培しているという幼なじみの友人と再会したことが、全国の農家を巡る旅に発展する。
「農業を始めて半年ほどだというのに、幼なじみが育てた安納芋がとてもおいしくて。それなら、ベテランの生産者が育てた作物はどんなにおいしいのかが気になってきて。2人とも時間がたっぷりあったので、ドライブをしながら生産者を巡り始めました」。一方、同じ土から生まれた"作物"と"器"を使い、この2つを結びつけた料理会を開催するようにもなり、その活動は全国へと広がっていく。と同時に、生産者を巡る旅も全国に広がり、自ずとその土地に伝わる料理を食べたり教わったりする機会も増えた。
大塚さんは、こうして学んだ郷土料理を再編集し、各地で開催されるイベントでも提供し始め、全国47都道府県にその土地のおばんざいをテーマにした食堂を作るプロジェクトを立ち上げた。「台所ようは」はその記念すべき1号店。「名物のもつ鍋や水炊きだけではない、福岡らしい季節の料理を味わえる場所でありたい」と、大塚さんは考える。
6〜7種類の鍋料理や、丸鶏などの名物をはじめとするアラカルトメニューのほか、3種類のおまかせコース(6,800円〜)も用意している。
【POINT3】ライフスタイルの変化に対応した、ランチ限定業態「とんかつようは」
コロナ禍で時短要請や休業要請が発出される中、何時から何時までお店を開けるのが正解なのか、分からない状況が続いた。「外に出られない時期を経験し、人々のライフスタイルは大きく変わりました。外でお酒を飲む機会は減り、この界隈も22時以降の人通りは減りました」と、大塚さん。2023年夏、閉店時間を24時から22時に早め、昼からの営業に切り替えた。
また、大塚さんは常々、福岡には東京のようにおいしいとんかつ店がないと感じてろい、その思いからランチタイム限定で「とんかつようは」として営業することにしたのだ。
約1カ月に渡りさまざまな銘柄豚を食べ比べ、あらゆるとんかつ専門店に足を運び、「厳選した豚肉(福岡・糸島豚)を使う」「おいしいご飯を土鍋で提供する」「自家製の味噌を使った熱々の味噌汁」「漬物も自家製で」「キャベツはソースをかけずにいただけるようワインビネガーで味をつける」という、大塚さん自身が「ココがこうだったらいいのに」と感じた5つのポイントを整えた。
サイズは小(150g)、並(200g)、厚(250g)、極厚(300g)の4種類が用意されているが、大塚さんは極厚を推す。「衣と揚げ具合のバランスが良いのが極厚なんですよ」。きめ細かな肉質で、やわらかく食感も軽いため、300gもあることを感じさせず、女性でもペロリと完食してしまうという。
「この街にあったらいいな」という客目線の店づくりが大塚さんの信条。その率直な思いに、これまで培ってきた大塚さんの圧倒的なセンスが加わることで、独自の価値を見出している。
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