2026/10/14 コラボ企画

西中島南方「餃子専門店 248」ビル3階でも愛される理由は、丁寧な接客と点心にあり

新大阪駅からひと駅離れたビジネス街・西中島南方(にしなかじまみなみかた)。サラリーマンをターゲットにした飲食店が所狭しと並んでいる。そんな活気溢れる街のビルの3階でひっそりと営業するのは、「餃子専門店248(にしや)」。一見目立たない立地ながら平日の夜は仕事終わりのサラリーマンで賑わう人気店だ。この居酒屋激戦区の西中島南方で、12年間愛され続ける理由を探るべく、店主の堅田(かたた)智也さんに取材をした。

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※スマイラー125号(2026年8月)より転載

感謝してもしきれない店長の存在

「餃子専門店248(にしや)」店主 堅田智也さん

生まれも育ちも高知県の堅田さん。20歳の時に刺激を求めて大阪への進出を決める。たまたま入居した物件の1階に飲食店があり、そこでアルバイトを開始。刹那的に過ぎていく毎日や、金銭苦などで不安が募り、一度飲食の道を離れるも、店長の飲食にかける情熱に惹かれ、「もう一度一緒に働きたい」と申し出た。

店長は系列のバーをわざわざ当時流行っていた餃子店に変え、堅田さんに店を任せてくれたという。「店長には感謝してもしきれないです。ちゃらんぽらんだった僕を変えてくれたのは、店長ですから」と堅田さんは語る。3年店長を務めた後、店を正式に譲り受けた。

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人気情報番組で紹介後も客足が絶えない理由

最初の頃は客足が少なく、暇な日が続いていたという。そんな日々を変えたのは関西の人気情報番組『せやねん』での紹介だ。これを機に客足が増えていった。「やっぱりテレビの影響力は大きいっすね」と当時を振り返る。

そこから徐々にお客さんの口コミで広がっていき、12年もの間、この激戦区で生き残れるくらい店も繁盛している。その秘密を堅田さんは「接客」にあると分析する。「勿論(もちろん)自分の作るものにはプライドを持っているけれど、料理はやっぱりどのお店に行ってもそれなりのものが出てくる。結局差がつくのは居心地の良い空間や接客にあると思っています。酷い接客で気分を害したら美味しさを感じにくくなりますし。1人で来ているお客さんはカウンター席に通して、コミュニケーションを取るようにしたり、どんなに忙しくても極力お見送りは欠かさないようスタッフにも徹底して伝えています。」と堅田さん。

確かにいつも混雑していても、狭い店内を縫って「ありがとうございました」とお見送りをしてくれる。申し訳なさも感じるが、それよりも気遣ってくれる嬉しさが勝る。お客さん目線を忘れずに持って、丁寧な接客を心掛けられているからこそ人気店でい続けられるのだろう。

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具材の存在感たっぷりの点心たち。飽きさせないメニュー作り

メニューには餃子以外のメニューも豊富だ。油林鶏(ユーリンチー)、酢豚、麻婆豆腐などの中華の王道メニューは勿論、担々麺用の肉味噌を乗せたポテトサラダ、餃子カツサンドなどのオリジナル変わり種メニューなども揃っている。その中でも、看板商品の餃子を始めとした点心はイチオシ。堅田さんも「どれも自慢の料理だけど、僕は点心を食べるのも作るのも好きなので、ぜひ食べていって欲しいです」と太鼓判を押す。

看板メニューの248餃子(8個440円)

この日は3つのメニューを紹介してくれた。1つは看板商品の「248餃子」。この餃子は野菜と肉の比率がおよそ7:3という、野菜たっぷりの餡が最大の特徴。そのおかげで皮はカリカリに焼かれているのに、軽い食べ心地で何個でもいけちゃう優秀なビール泥棒。

超エビ餃子(4個440円)

2つ目は「超エビ餃子」。248餃子の次によく出る人気商品で、ファンが多い。美味しさの秘密は餡とは別で大きいエビがまるまるひとつ入っていること。これによって、エビの食感と味がダイレクトに楽しめる。添えられているレモンとパクチーで爽やかさに味変もできる。

新メニューの広東焼売(2個550円)

3つ目は最近できたばかりの「広東(かんとん)焼売」。ミンチは使わずに、豚肉をカットして、野菜やキノコと混ぜて蒸す。仕上げにとびっこをトッピング。ゴロゴロとした具材は噛むたびに旨味が広がり、とびっこのぷちぷち食感も楽しい。食べ応え抜群の一品だ。

点心愛が伝わってくるラインナップだが、この他にも点心メニューは常時10種類ある。しかも、旬の食材を使った餃子も定期的に登場している。特に夏に出る青唐辛子を使った餃子は人気なようで、季節でなくても「今日、アレある?」と聞かれるのだそう。

こうした常連客を飽きさせない工夫の積み重ねもまた、12年間この街で愛され続けてきた理由のひとつなのだろう。

未開拓だからこそ、挑戦したい

外観。3階にあるからか、泥酔者の来店は滅多にない

西中島南方はビジネスマンが多いため、週末より平日の方が圧倒的に賑わっている。なのに、248は週末13時から深夜まで営業をしている。「確かにここら辺はまだまだ昼呑みが弱いです。でも、河川敷が近いこともあって、BBQやスポーツ終わりの大人数を受け入れられるキャパのある店は昼だけでも繁盛している。うちは受け入れても10人ちょっとしか入れない。そういう層の取りこぼしはあるものの、まだまだこの辺の昼呑み需要を自分なりに開拓できるんじゃないかと思っています。飲食に戻ってきたのは、自分で考えたことに挑戦しやすいところが魅力だから。そういう姿勢を僕は店長に教わって、どうしようもなく憧れたんです」と堅田さんは静かに闘志を燃やしていた。

文:後藤華子
大阪在住のフリーライター。飲食店やお笑いの現場を中心に取材している。居酒屋とライブハウスを愛し、順調に体重を増やしている。
餃子専門店 248
住所:大阪市淀川区西中島3丁目12-5 桝谷ビル3F
https://www.instagram.com/gyozano248/
https://r.gnavi.co.jp/rnfpmhft0000/map/

(SHOP DATA)
坪数: 10坪
席数: 26席

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