2020/08/18 特集

採用戦線に異変あり!? ウィズコロナの人材を考える(3ページ目)

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人材育成に関して変化は?

オンラインツールも活用し、コミュニケーションを強化

 新型コロナの影響で人々の価値観や習慣に様々な変化が生じ、「ニューノーマル(コロナ禍での新しい生活様式)」という言葉も耳にするようになった。では、飲食店に求められるホスピタリティに変化はあるのだろうか。この問いに有本氏は、「『顧客第一主義』というホスピタリティの根幹にある価値観は、何ら変わりません」と強調する。「お客様との接触をなるべく控えたり、マスク越しでも伝わる笑顔を心がけたりと、接客の仕方には変化が出るでしょう。しかしながら、それらはすべてお客様のことを第一に考えて行動した結果、生まれるものです。その意味で、サービスやホスピタリティの根本の部分に変化はないと思います」。

 逆に言えば、サービスの根底に「顧客第一主義」の意識を変わらず持つことで、従来と同じ接客はできなくても、ホスピタリティはきちんと伝わるということ。飛沫感染防止のためにあいさつの声の大きさを抑えている場合も、来店客から「元気がなくなった」ではなく、「お客のことを考えてくれているのだな」と受け止めてもらえるはずだ。

 一方で、コロナ以前よりも重要性が増しているのが、人材育成や評価の仕組み作りだ。企業としてこれらの整備を進めることは、従業員を大切にする姿勢をメッセージとして打ち出すことにもつながる。「今だからこそ、教育と評価について制度の構築に注力している外食企業も多く、取り組みについて積極的にメッセージを出す企業も増えている印象です」と有本氏は語る。

 人材育成に関する変化としてもう1つ挙げられるのが、オンラインツールの活用だ。コロナによる営業自粛や時間短縮などで、対面のコミュニケーションの機会が減り、代わりにオンラインでのミーティングや面談を取り入れる企業が増えている。有本氏自身もコロナ禍で新たにWeb会議ツールを使ったライブ配信型研修を行い、オンラインならではの良さや手応えを実感したという。「講師と受講生との双方向のコミュニケーションやディスカッションも可能で、臨場感や適度な緊張感もあります。予想以上に受講生の集中力は高く、通常の研修と比較しても学習効果に遜色はないと感じました」と有本氏。接客のロールプレイングなどは難しい場合もあるが、進め方を工夫しながら、今後はオンラインでも実施していく考えだという。

 何よりもオンラインの大きなメリットは、移動にかかる時間や費用を省けること。また、普段は直接顔を合わせる機会が少ない経営者が、アルバイトも含めた従業員全員にメッセージを直接届けることができ、コロナで客足が伸び悩む状況下で、従業員のモチベーション低下を防ぐことにもつながる。また、遠方の店舗同士をつないでの店長会議などにも活用が可能だ。対面で人が集まりにくい現状において、代替措置としてだけでなく、コロナ収束後も日常的に活用することで、従業員とのコミュニケーションの質・量の向上、これらを通したチームワークの醸成に積極的に役立てたい。

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