2023/11/24 特別企画

飲食店従事者のためのオペレーション改善術

飲食店従事者に向けての、オペレーション改善についての記事です。売上アップやミス削減のために時間ロス解消やデジタルツール導入などが提案され、具体的な施策が示されています。やってはいけない改善もあるのでご注意ください。オペレーション改善で人手不足を乗り切り、売上アップにつなげましょう。

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飲食店関係者の皆様、こんにちは。ぐるなび通信編集部です。おそらく、ご自分のお店のオペレーションを改善したい、と考えているときに、この記事にたどりついてくださったのかと思います。ここでは、飲食店のオペレーションについて考えていきたいと思います。

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ぐるなびが2023年2月に行ったアンケート「人手不足と加工食品に関する調査」では、人手不足に対する飲食店の対応についての記述があります。飲食業界の悩ましい問題、人手不足に対してとっている対応策として、「採用の強化」「従業員の給与、時給のアップ」に続いて上位となったのが「ホールオペレーションの改善」と「調理オペレーションの改善」でした(このあと、「キャッシュレス強化」「営業時間の短縮」……などが続きます)。

人手不足への対応策として「オペレーションの改善」は最重要事項のひとつなのが分かります。では、改善するにはどこから手を付けていけば良いのでしょうか?

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飲食店のオペレーションとは

その前に、飲食店のオペレーションについて簡単に整理させてください。飲食店のオペレーションは大別すると

  • キッチンオペレーション
  • フロアオペレーション
  • バックヤードオペレーション

の3つがあげられます。先ほどのアンケートでも「ホールオペレーション」「調理オペレーション」があがっていました。バックヤードオペレーションとは、店舗の運営や管理に関わる部分のオペレーションです。たとえば食材の仕入れや在庫管理などが該当し、そのほかに店内設備の維持管理などもバックヤードオペレーションに含まれますので、キッチンとホール以外すべての部分と言ってもいいかもしれません。

戻りますが、キッチンオペレーションとは、厨房で行う調理や、調理に付随するオペレーションのことで、フロアオペレーションとは、お客様が来店してから店舗を出るまでの接客オペレーションです。

昨日より改善されたオペレーションで明日お客様を迎えるために 、この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

オペレーション改善は売上アップに直結する

飲食店はなぜオペレーション改善に取り組まねばならないのか?冒頭で挙げた人手不足も大きな要因の一つです。限られたスタッフ数の中で、最善のオペレーションをするには、無駄な部分を削ぎ落とした改善が必要です。

人手不足以外の部分ですと、やはり 業績アップに直結するのが理由 だと言えます。オペレーション改善により、回転率が良くなり売上アップにつながるでしょうし、ホールオペレーションが改善されればユーザー満足度が向上し、リピーター獲得につながります。コスト削減に直結するバックヤードオペレーションなど、さまざまな側面から業績向上に寄与する重要な取り組みと言えます。

また、 課題としてあげられるのが繁忙期に発生してしまうオペレーションのミス です。忙しかったからでは言い訳になりません。ミスの発生しないマニュアル作りは、忘年会・新年会に向けてマストと言えるでしょう。

オペレーションを改善し働く環境を整えるのは、スタッフの労働環境を整備することとイコールです。非効率的な作業を減らし離職を防ぐということから考えても、冒頭の人手不足に対する効果的な施策と言えます。

あなたのお店の現状とオペレーションを確認しよう

では、あなたのお店の現状のオペレーションを確認することから始めましょう。

あなたの店では「ロス」が発生していないでしょうか? 特に中小の企業や個店では、他店よりも時間にルーズな傾向にあるそうです。スタッフの間で、遅刻やミーティングの休憩時間の乱れ、書類提出の遅れなどはないでしょうか。これらの「時間ロス」に対する意識は、スタッフだけでなくマネージャーや店長側ではどうでしょう。来店客が少ない際には、スタッフが手持ち無沙汰になり、仕事を割り振れずに時間を無駄にさせてしまうことはありませんか。非効率的な作業も放置され、このような時間ロスがチリツモになって、経営に悪影響を及ぼしている可能性があります。

オペレーションの改善には、今までのやり方を一から見直すことが不可欠 です。自店の状況に向き合い、時間ロスの洗い出しをしっかりと行いましょう。

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また、飲食業界では「手間をかけることを善しとする風潮があるので、実はオペレーション改善の余地がかなりあるはず」という指摘もあります。

お客様のためにできるだけ多彩なメニューを用意しようと努力し、新メニューを開発することで一部のお客様の満足度は上がるかもしれませんが、ほとんどオーダーされないメニューになってしまうケースもあるでしょう。その新メニューでしか使っていない食材があれば、材料を準備せねばならず発注業務が生じますし、オーダーが少ないことでスタッフの経験値が積めず、他のメニューより調理時間がかかり、キッチン全体のオペレーションを乱す場合があります。さらにそれがクレームや売り逃しにつながると考えるとつらいところです。オーダー数や売上に占める比率、調理時間などを総合的に分析し、例えば「月のオーダー数が基準値に満たないメニューは外す」など、メニューを整理することでオペレーション改善につながります。

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忘年会シーズンはホールでもキッチンでもオペレーションでミスが起きたり、作業が煩雑になってしまう可能性があります。以前ぐるなびで行ったアンケート記事ですが、ここではユーザーの声に着目してみます。

「ファーストドリンクが来ないので、宴会を始められない」

「飲み放題でドリンクの提供が遅く、飲み足りない
」(…以下略)

など、「対応の遅さ」への不満が目立ちます。メニューによっては調理の部分でオペレーション改善に限界がある場合も考えられます。とはいえ「忙しい」のはお客様にとっては無関係。対応が遅くならないためのオペレーションを整えていきましょう。

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オペレーション改善のためにできること

さきほどの「時間ロス」の例にもありましたが、 まずは自店の悪い習慣をしっかり見直しましょう

時間ロスの解消のためには、緻密なタイムスケジュールの作成と管理が肝心です。具体的な行動改善のために、文書化されたタイムスケジュールを作成し、スタッフと共有しましょう。また、「TODOリスト」を作成しておくことで、手が空いた際の非効率的な作業の削減やスキルアップにつなげられるはずです。

また、マニュアルはあるのに、実際には「裏マニュアル」と呼ばれる別の作業手順が広まっていることもあるようです。これは調理にも当てはまり、正式な手順とはまったく違うやり方で作業が行われ、それが標準になってしまっています。つまり手を抜いている状況ですが、調理の手順を考え抜いて本来の流れに戻すと、同じ食材でも質が向上します。「裏マニュアルができてしまう背景として、現状のマニュアルに問題がないか、無駄がないか、設定している提供時間に問題がないか(キッチンを急がせてしまっていないか)」などを見直してマニュアル自体の改善に努めることもポイント。メニューに関しても、これを機に不要なメニューを再検討し、改善につなげましょう。

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忘年会シーズンのような 繁忙期は売上の最大化やミスの削減を目的として、メニューをあえて絞る ことも検討の価値があります。画一されたオペレーションで回せるコース料理はキッチンにもホールにもありがたいもの。

ぐるなび加盟店で中国地方の肉バル居酒屋さんではオペレーションの負担が大きいコース料理をサイト上で非掲出にし、予約をオペレーションの負担が比較的軽いコースに寄せるといった施策を行い、結果としてミスの軽減と売上創出につなげました。

また別の店舗様では、スタッフが少ない場合でも料理の仕込みから仕上げまで自分ひとりの手で完結させる「おまかせコース」に特化することで、オペレーションを改善する店主様もいらっしゃいました。旬の食材を用いた料理を軸にコースを組み立て、お客様の好みに合わせて臨機応変に料理を入れ替えられるので、コース料理は工程は多くてもオペレーション効率は高いものにできる場合があります。

もちろんコースにこだわらずにメニューの絞り込みを行うのも重要です。繁忙期は週末と祝日以外の平日をどれだけ活かせるかがキモ。なのでオペレーション人数も少なくて良い「平日限定ビュッフェ」を企画される店舗様もございました。

お店の規模にもよりますが、モバイルオーダー/セルフオーダーシステムやキャッシュレス決済の導入を検討することも必要です。飲食店は比較的DX(デジタルトランスフォーメーション)化の流れは緩やかでしたが、コロナ禍とタイミングを合わせて一気に進んだ感があります。とはいえ、目的は来店客の満足度向上とオペレーションの改善であることをお忘れなく。例えば、デジタルツールに対する知識や利用経験が乏しい高齢者がメインターゲットの店で、客離れが発生してしまうようなケースもありました。客層や利用シーンを含めた状況を踏まえて、段階的に導入していかないと、むしろ満足度の低下をまねいてしまうのでここは注意が必要です。

こちらも定期的な見直しがもちろん必要ですが、接客マニュアルの作成はサービスの質の安定やオペレーションの効率化の観点から、メリットしかありません。例えば以下のような項目に分けて、ホールオペレーションマニュアルを見直してみるのが良さそうです。

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やってはいけないオペレーション改善

店の改善のために良かれと思って推進しても、結果としてオペレーションの改悪になってしまうような場合について下記の記事で紹介していますので、こちらもご覧ください。

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