2025/01/29 特集

2025最新版!飲食店トレンド東京編

日々、飲食店の現場を回っているぐるなびの営業は、ぐるなびのサービスに限らず、さまざまな繁盛店や新店舗・新業態、経営者、人気メニューなどの情報を持っています。そこで、東京を拠点に活動しているぐるなび営業3人に自身が知っている東京エリアの最新トレンドについて話を聞きました。

URLコピー

東京で注目のエリア・繁盛店・経営者・メニューは?

ぐるなびの営業マンに、日々飲食の現場を回る中で注目しているエリアや繁盛店、経営者、メニューなどをヒアリング。東京を拠点に飲食店のさまざまな課題解決に向かい合っている3人が、注目している飲食店の最新トレンドを聞きました。

目次
飲食業が盛り上がっているエリア
勢いを感じる繁盛店&新店舗
すごいと思う経営者
売れているメニュー

▼ぐるなび公式アカウント▼
【LINE】 ぐるなび通信デジタル
【X】  ぐるなび - 飲食店様のお役立ち情報
よろしければ、ぜひ友達追加/フォローをお願いします!

今回、東京の飲食店トレンドを語るのは・・・

萩原 祐(はぎわら たすく)
ぐるなび入社:2011年4月
これまで担当したエリア:東京、熱海小田原、横浜市全域、大阪
畑島 啓人(はたじま ひろひと)
ぐるなび入社:2016年12月
これまで担当したエリア:東京、埼玉
鈴木 大翔(すずき ひろと)
ぐるなび入社:2017年9月
これまで担当したエリア:東京、千葉

東京都内で飲食業が盛り上がっている注目のエリアは?

鈴木 私が注目しているのは「浅草」。インバウンドの勢いがすごくて、普通は飲食店が混まないような時間帯でも集客できている店が多く、アイドルタイムでも人が多いので「ランチとディナーで何回転」という飲食業界の常識が覆されている印象です。

萩原 確かに浅草や月島などは外国人客で盛り上がっていますね。この前、すき焼きの老舗「浅草今半」の社長様とお話しする機会があったんですが、わざわざ英会話の講師を呼んで従業員のために講習を行っているということをおっしゃっていて、「そこまで対策されているのか」と驚きました。

畑島 私の注目エリアは「渋谷」。Z世代は池袋や新宿より渋谷で飲む文化が根付いてきているように感じます。渋谷というとセンター街のイメージが強いですが、今は「奥渋」「神泉」「道玄坂」などに実力のある若手経営者がセンスのいいお店を出していて、出店から1~2年で増店しています。どのお店も「この街といえば、このお店」という存在を目指しているのが共通点。特定の名物に頼らず、常連のお客様にささるような日替わりメニューを大切にされていて、毎日行っても飽きずに楽しめるのが特徴です。

萩原 私も「渋谷」から「代官山」「恵比寿」にかけてのエリアには注目しています。高すぎず安すぎず“ちょうどいい価格帯のお店”が多い。焼き肉店だけどバルとしても使えるような使い勝手のいいお店や、トレンドを捉えた個性的なお店が増えている印象です。他にも、「中目黒」は駅から徒歩5分圏内の雑居ビルなどに個性的な焼き肉店や焼き鳥店、バーなどが増えてきています。

注目している繁盛店や気になる新店舗は?

鈴木 私が注目している浅草エリアで、インバウンド客を中心に繁盛しているお店の一つが「酒場 寅鈴」(full株式会社)です。
①「日本らしさ」「海鮮」「大衆居酒屋」という明確な売りがある。
②路面店&ガラス張りで店内の雰囲気が見えるため入店しやすい。
③店頭で英語メニューを掲示していることで安心感がある。
といった集客ポイントがあり、かつ浅草では珍しく夜遅くまで(23時まで)営業しているので、遅い時間帯でも外国人客でにぎわっているのも特徴です。加えて、お店の4階が着物レンタル店で外国人の利用客が多いことも認知アップにつながっている要因の一つだと思います。業績も好調で、2024年夏には2号店「神田 寅鈴」をオープンしました。

浅草の「酒場 寅鈴」は時間帯を問わずインバウンド集客に成功している

萩原 友人に誘われて行った渋谷駅前のグルメタワー「GEMS」の6階にある「イタリアンバル theアタッチメント渋谷」(株式会社ココロオドル)が印象に残った繁盛店の一つです。「溶岩パスタ エアーズロック焼肉カルボ」など、SNS映えする料理を用意しつつ、多彩なワインやクラフトビールもそろえて、若い人はもちろん、40代以上の食にこだわりを持つ層も満足できるバランスの良い業態だと感じました。

「イタリアンバル the アタッチメント渋谷」はSNS映えなどトレンド要素と、食にこだわりを持つ層も満足させる料理のバランスが良い業態だという

畑島 私が注目している繁盛店は、「鮨×炭火焼き居酒屋 リリー 渋谷店」(H VIEW株式会社)です。「原始焼き」と「寿司」が2大看板で、20~30代の集客に成功しています。客単価は5,000~6,000円くらいなので若い世代にとって少し高く感じるはずですが、おいしさとSNS映えのバランスが取れた料理と居心地の良い空間や接客で人気となり、2024年11月には「新宿店」も出店しました。

【こちらもチェック!】
月商1,300万円超「鮨×炭火焼き居酒屋 リリー 渋谷店」の、20~30代女性を呼び込む集客戦略

原始焼きと寿司の2大看板が売りの人気店の2号店「鮨×炭火焼き居酒屋 リリー新宿店」

畑島 一方で、渋谷や新宿のような巨大商圏以外にもご紹介したい繁盛店がいくつもあります。その一つが、埼玉県に隣接する東村山市の久米川駅にある「なるくちや  えびかずら」です。店舗を運営する株式会社LIMANDE代表の小池 健一さんは、とにかく“売り方”が抜群に上手な方。家賃などの固定費を抑えて収益構造を作りつつ、内外装にはこだわって居心地の良さを生み、お客様に合わせた接客やサービスで多くのファンを作っています。

2018年に東京・東村山市にオープンした「なるくちや えびかずら」。おしゃれで特別感のある空間とサービス力の高さが好評

鈴木 肉のウヱキ」(株式会社Ego)も気になる繁盛店です。五反田に1号店を出店してからわずか3年、2024年12月には4店舗目となる代々木店を出店しました。昭和レトロを意識した業態で店頭にはコロッケなどの総菜を販売するショーケースがあり、入り口近くにある「立ち飲み席」、店奥にある「テーブル席」、「テイクアウト」の3つのハイブリッドで幅広い層を集客できているのが特徴です。

「肉のウヱキ」は、「ウヱキのメンチカツ」(写真左)、「ミートボールエッグ」(同右上)、「ウヱキのどて焼き」(同右下)など昭和の古き良き大衆居酒屋のメニューがそろう

畑島 トレンドとして東京で増えていると感じる業態が「海鮮バイキング業態」。インバウンド需要を見越したもので、中でも2024年1月にオープンした「海鮮ブッフェダイニング 銀座八芳」(株式会社FANG DREAM COMPANY)はその代表例。カニ、エビ、寿司など外国人が喜ぶ海鮮系のメニューを中心に150種類以上のメニューが食べ放題で1万2,000円。インフルエンサーの来店などもあり、外国人客で連日にぎわっています。

ほかにも、新宿「本ズワイ蟹 食べ放題 かにざんまい 新宿店」(株式会社鉄人エンタープライズ)、渋谷「海鮮バイキング&浜焼きBBQ玉手箱~tamatebako~」(株式会社TRICE)、豊洲の商業施設「千客万来」にある「いろは」(株式会社エイチ・アイ・エス)など、インバウンドをターゲットに海鮮系の食べ放題で人気を集めている店が増えていますね。

「海鮮ブッフェダイニング 銀座八芳」に象徴される、海鮮バイキング業態がインバウンドをターゲットに増加している

萩原 インバウンドといえば、2024年秋に新橋に開業した「グランハマー」(株式会社浜倉的商店製作所)も要チェックです。8階建てのビル1棟を使い、地下1階を含めた全9フロアで多彩な食のエンタメ空間を展開しています。「食と伝統芸能」「食とゲーム」「食とアナウンサー」など、飲食業の新たな可能性を開いてくれるような業態として注目です。

また、飲食業界の動きとして注目しているのが、株式会社三光マーケティングフーズが新宿に2024年9月オープンした「新宿三丁目テラス」です。「国産食材のテラス」がテーマで、日本全国からおいしい食材を集めて提供するというスタイル。三光マーケティングフーズのような販売力のある飲食企業が、“1次産業の活性化”を掲げて本当においしい食を届けようとしている点に注目しています。

ぐるなびからの最新情報を受け取るのはLINEが便利!
配信頻度は、週1~2回ほど。ぐるなび通信の新記事や、旬な情報が通知されて便利です!ぜひご登録ください。
「ぐるなび通信デジタル」
ご登録はこちらから

手腕がすごいと思う経営者を教えてください

畑島 コスパ系居酒屋 均タロー!」を展開している株式会社ジュネストリーの東明 遼 社長です。「均タロー!」は、生ビールを除くサワー、カクテルは199円均一というわかりやすい価格設定が特徴。脱・属人化を掲げてオペレーションの簡略化にも努めていて、先日も3店舗同時オープンするなど、右肩上がりで成長しています。30代の若手経営者として今後の飛躍に注目しています。

鈴木 私は合同会社HapyResの畠中 健太 社長に注目しています。シュラスコ業態「アレグリア」、しゃぶしゃぶ・すき焼き業態「しゃぶ輝」など、創業6年で約30店舗を展開している方です。「アレグリア」は日本人がターゲットで、「しゃぶ輝」はインバウンド向けの業態。毎月のように出店を続けていて勢いを感じています。

萩原 ここ数年で私が一番印象に残った経営者は、東京ではないのですが、神奈川・鎌倉の日本料理店「鎌倉叶夢かむ(かむかむ)」の店主・西野 泰治 さん。慶事や法事の予約で連日満席になる繁盛店で、一番すごいと感じるのは、お客様を大切にしつつも、決して飲食店が弱い立場にならないように徹底している点。例えば、ワインの持ち込み料は3万円で日本酒は1万円と強気な設定をしていたり、予約時に前金としてコース料金の半額を振り込んでもらうようにしています。こうした設定をするとお客様が離れていくのでは?と考える経営者の方が多いかもしれませんが、こちらのお店ではいいお客様だけがコアな常連客として残ってくれているそうです。

西野 泰治 氏が経営する「鎌倉叶夢かむ」。持ち込み料の設定や前金制度、キャンセル対策など、来店客を大切にしつつも、飲食店が弱い立場にならないような経営をしているのが特徴。

【詳しくはこちらへ】
1年先まで予約が入る「鎌倉叶夢かむ」。成功への分岐点は家族経営だった

売れているメニューや印象的なメニューは?

畑島 トレンド鍋に「新感覚すき焼き」が選ばれましたが、「すき焼き」の専門店が増えている印象です。「すきはな」(株式会社ペッパーフードサービス)や「黒毛和牛とお出汁 日本橋 いちり」などは、上質な黒毛和牛のすき焼きを一人前からリーズナブルに楽しめます。外国人にも大人気のメニューですから、今後も需要は伸びそうです。

鈴木 私が気になったメニューもインバウンドに関係しているのですが、「和牛三姉妹」の「3種の和牛御膳」です。海鮮ユッケ丼と肉ユッケ丼、ステーキ丼の3つの丼がセットになっていて、①SNS映え、②明確な売り、③高級食材、という3つの要素が人気のポイントになっていると感じます。外国人だけでなく、若い世代を中心に日本人もSNSをきっかけに来店しているようです。

「和牛三姉妹」の「3種の和牛御膳」

萩原 「こういう価格設定のコースでも成立するんだ」と印象に残ったのが、「南青山 創作和食 いと家」が出している「最高級の国産松茸をふんだんに盛り込んだ松茸尽くしコース」。単価はなんと8万円。1万円くらいのコースがよく出るお店で「出たらラッキー」くらいの気持ちで用意したそうですが、しっかり予約が入って売上に大きく貢献したそう。外国人かと思いきや日本人の接待利用だったそうです。客単価を上げたいけど単価アップに不安を感じている飲食店様は多いと思いますが、内容が伴っていれば思い切った価格設定でもしっかり集客できる可能性を感じました。

「南青山 創作和食 いと家」の「最高級の国産松茸をふんだんに盛り込んだ松茸尽くしコース」

鈴木 こうして並べてみると、東京だけでもさまざまなエリアでいろいろなトレンドが生まれていますね。コロナ禍以降、1回1回の食事の価値が上がったせいか、売りがはっきりしているお店が勝ち残っているように感じます。

畑島 そうですね。加えて言うと、おいしい料理を土台としつつ、合理的なオペレーションや労働環境の整備を追求する若い経営者がどんどん増えていると思います。そうした企業は自然と人が集まり、辞めにくい傾向にあるかもしれません。

萩原 今回ご紹介したお店をはじめ、日々さまざまな経営者の方とお話をする中で飲食業には高いポテンシャルがあると感じています。これからも多くの飲食店様の経営をサポートできるよう、私たちも頑張っていきたいですね。

Googleビジネスプロフィール(GBP)の運用代行サービスは、ぐるなびで!

ぐるなびによるGBP(旧Googleマイビジネス)を活用したMEO対策・クチコミ対応を含む、飲食店に特化した集客支援・運用代行サービスを紹介します。

【ぐるなび】飲食店向けGoogleビジネスプロフィール(GBP)集客支援・運用代行サービス

飲食店の集客や販促は「ぐるなび」におまかせください!
資料請求・お問い合わせはお気軽にどうぞ

「ぐるなび通信」の記事を読んでいただき、ありがとうございます。

「ぐるなび」の掲載は無料で始められ、飲食店のあらゆる課題解決をサポートしています!