予約困難店「熊の焼鳥」のエッセンスを踏襲した新店
大阪・中崎町駅から徒歩3分の商店街に、2023年10月にオープンしたばかりの鳥焼専門店「熊の鳥焼」が話題を集めている。運営会社は、寿司業態、洋食業態、居酒屋業態などなどを展開する株式会社イニシエート。東京・大阪で人気の会員制焼鳥店「熊の焼鳥」をプロデュースする熊脇稔康(としやす)氏と共同開発したことでも注目されている。
大阪府大阪市北区堂山町16-13 堂山MDビル2
https://r.gnavi.co.jp/mkgtcb0x0000/
目次
・【POINT1】鶏肉へのこだわり
・【POINT2】薪と炭を組み合わせた“薫香焼き”
・【POINT3】売りを凝縮したコースで満足度アップ
・【POINT4】自社醸造の「熊フトビール」が大人気!
予約が半年取れないといわれる「熊の焼鳥」の“薪と炭のハイブリッド焼き”と“鶏肉へのこだわり”のノウハウを継承しつつ、カジュアルでリーズナブルなスタイルを押し出しているのが特徴。「コンセプトは“山奥にある名店”です。各テーブルに配置した特注の囲炉裏、ワイワイ楽しめる雰囲気など、空間づくりに気を配りました」とマネージャーの青山和樹氏は語る。客層は20〜60代と幅広く、平均客単価は6,000~6,500円。カップルやファミリー、ビジネス層など2〜4人の小規模グループが大半を占める。
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【POINT1】鶏肉へのこだわり
「熊の焼鳥」ブランドの流れを汲んでいることもあり、使用する鶏肉には徹底してこだわっている。熊脇氏と幾度となくアイデアを出し合い、串打ちではなく焼肉のように焼いて食べる九州名物の“鳥焼”のスタイルで提供し、朝挽きの若鶏のほか、鹿児島の「さつま極鶏 大摩桜(だいまおう)」と熊本の「天草大王」という2種のブランド鶏を使用している。
「大摩桜は最大10kgにもなる大きい鶏。肉質や繊維がしっかりしているので、極薄スライスにしてコース限定の焼きしゃぶ用に使っています。天草大王は脂が甘くておいしく濃厚なので、タタキに欠かせません」と青山氏は説明する。看板メニューの「5種盛り」(2,728円)は、もも、やげん軟骨、砂肝、丸ハツ、せせりなど、日替わりでホルモンと正肉をバランスよく部位ごとに仕入れている。
【POINT2】薪と炭を組み合わせた“薫香焼き”
もう一つの特徴が炭と薪を使って焼き上げるスタイル。薪の火力と炭の遠赤外線で焼き上げる方法は「鶏肉との相性が抜群です」と青山氏。備長炭を使うことで中までじっくり火が通り、加えて薪を使うことで薫香が付く“燻し焼き”にできる点がポイントだ。さらに炎も高く上がり、演出の楽しさも感じられる。なお、炭は店内の一角にあるかまどでスタッフが常時提供できるように火を入れており、薪も自分たちで割っている。
最高の状態で食べてもらえるようにと、メニューによってはスタッフが焼いて提供する。例えば名物の「熊の薪炙り」(1,540円)は、スタッフが囲炉裏でせせりと空心菜を勢いよく炒める人気の一品だ。「基本はお客様に焼いていただきますが、コースでは必ずスタッフが焼く時間を設けるようにして、お客様とのコミュニケーションの場にしています」(青山氏)。
また、炭と薪の組み合わせで生まれた名物が「熊の挽肉めし」(テイクアウト1,320円)だ。やげん軟骨ともも肉をブレンドしたミンチを薪で炙り、香りづけとして土鍋で薪を一緒に炊き込むことで、芳醇なおいしさを実現した。米は、京都・祇園の米料亭「八代目儀兵衛」から、肉によく合う米を仕入れている。
【POINT3】売りを凝縮したコースで満足度アップ
注文はアラカルトでも可能だが、ほとんどの来店客が「熊の鳥焼コース」(5,500円、全10品)を利用。「デザートを除いて全て鶏づくしです」と青山氏。「熊の山賊壺焼き」は、京赤地鶏の手羽先を一夜干しして炭で焼き上げ、醤油ベースの甘辛い特製だれで提供する人気メニュー(コース限定)。天草大王を使った「薪火のタタキ」(単品1,980円)は、炭火で皮をパリパリに焼き、身は薪火で薫香をつけるというこだわりだ。
【POINT4】自社醸造の「熊フトビール」が大人気!
ドリンクは、泡アートで店のイメージキャラクター“くーま君”を描く「熊フトビール」(715円)が一番人気。ビールは徳島産の神山すだちを使った自社醸造のIPAクラフトビールを使用している。
また、熊本県・福田農場の果汁シロップを使った「産直果実」も人気。割り方は、「酎ハイ」「微アル」「ハイボール」(全て550円)、「どぶろくサワー」(770円)から選ぶことができ、「ソフトドリンク」(495円)にも対応している。
飲み放題のプランは2,000円で、「熊フトビール」や「産直果実」も注文できる。「飲み放題は3杯飲めば元が取れるので注文される方が多いです。『鳥焼』はどんなお酒にも合わせやすいので、九州焼酎やウイスキー、日本酒なども取りそろえています」(青山氏)。
「熊の焼鳥」の看板とノウハウ、そして「おいしい鶏肉を自分たちで焼く」というカジュアルなコンセプトが受けて、オープン初月から満席となり好調な船出を切った。今後は新たなコースの開発にも挑戦し、さらに客層を広げていく構えだ。
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