三鷹「おだしのだしお」が、新感覚「貝出汁ラムしゃぶ」でラム好きを増産中!

”ラム肉×特製貝出汁のしゃぶしゃぶ”という他にないメニュー提案を打ち出し、北海道民やラム肉ラバーの心をつかむことで一気にラム好きファンを増産しているのは、三鷹の創作ラム酒場「おだしのだしお」。旅番組でも紹介され、「貝出汁ラムしゃぶ」で年間を通して集客。最高月商470万超の好調ぶりだ。

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ラム肉好きが集う創作ラム酒場「おだしのだしお」

元々貝出汁しゃぶしゃぶを売りにしていた店が、主力食材に「ラム肉」を投入することでコンセプトを一新、店名も「おだしのだしお」に改名し、創作ラム酒場として2020年7月リニューアルオープンした。

「貝出汁ラムしゃぶ 」と「ジンギスカン」が2大看板メニューだが、和テイスト仕立てでいただく新感覚の「貝出汁ラムしゃぶ」がラム好きの間から高評価を獲得。このラムしゃぶを食したラムマニアたちが、ラム初心者を連れていく店としてファンを増やすなか、2023年9月『ぶらり途中下車の旅』(日本テレビ)で紹介されたことで、さらに北海道を筆頭に他全国からもラム肉好きが集まり、人気店の仲間入りを果たしている。

おだしのだしお
東京都三鷹市下連雀3-23-6
https://r.gnavi.co.jp/jknbdhxs0000/
JR三鷹駅南口から徒歩2分。独創的なメニューでラムマニアをトリコにする、創作ラム酒場。店主が元羊肉嫌いだった経験を活かし、ラム肉のマイナスイメージを完全払拭した料理を提供。鮮度を大事に、丁寧に下処理するラム肉にクセや臭いは皆無で、やわらかいと評判に。30~40代の若い女性が増加し、幅広い層の常連を増やしている。

目次
ラム肉好きが集う創作ラム酒場「おだしのだしお」
【POINT1】ラム嫌いの店主がたどり着いた「貝出汁×ラム肉」のペアリング
【POINT2】独創的なラムの一品料理&ドリンクのメニュー
【POINT3】お店全体がラム推し。とことんラムに特化!

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ラム肉好きが集う創作ラム酒場「おだしのだしお」

大きく「ひつじ」と書かれたのれんと、店のロゴが描かれたちょうちんが目印

店舗は三鷹駅より徒歩約2分、建物の半地下ながら巨大な「ひつじ」と書かれたのれんがただならぬ存在感を放っている。

  • キッチンを囲むカウンター席と、壁側はベンチシートのゆったりとしたテーブル席
  • 座敷席は子ども連れのファミリー利用も多い

広さ11坪の店内は、L字カウンター10席、テーブル14席、座敷1室を配した全28席。

目に見えて変化が起きたのは客層だった。リニューアル前は40~50代のサラリーマンがほとんどであったが、創作ラム酒場スタート後は30~40代の女性が増え、男女比は5対5に。サラリーマンや若い女性のグループ、中高年夫婦など、幅広い客層が来店するようになった。「北海道出身率が高いです。地元にはない貝出汁のしゃぶしゃぶを食べてみたいと、関東在住の北海道出身の人や、出張で来たという人もいます」と話すのは、店主の浅野飛鳥氏。また、居酒屋という利用ではなく、ラム肉を月1回は必ず食べる”ラムマニア”たちのリピートも獲得しているという。

【POINT1】ラム嫌いの店主がたどり着いた「貝出汁×ラム肉」のペアリング

まず、席についてメニュー表を手に取ると、メニュー誕生に至る「STORY」が目に入る。

  • ラム酒場の「STORY」。食材と料理へのこだわりを、ストレートに伝えている
  • 看板料理とドリンクのメニュー。ウリの「貝出汁ラムしゃぶ」と「ジンギスカン」は、ラムや野菜の追加注文が可

リニューアル前の看板メニューは貝出汁を起点にした「貝出汁豚しゃぶ」であった。しかし浅野氏は、次第に豚では貝出汁のポテンシャルを引き出しきれていないと思うようになっていた。貝出汁を辞めるかどうかの瀬戸際に立たされ、必死で貝出汁に合う食材を探していたなか、「これだ!」と出合ったのが、国産の冷凍されていない、新鮮な生ラム肉だった。

浅野氏は、過去に状態のよくないラム肉を食べて食あたりをした苦い経験から一切受け付けなくなっていたのだが、久しぶりに食べて感銘を受けた新鮮な生ラムと貝出汁の掛け合わせで試作を重ねたところ、以前の豚しゃぶよりも圧倒的な相性の良さとおいしさを発見したのだという。

  • 「貝出汁ラムしゃぶ」(1人前2,980円・2人前より注文可)。セット内容は、上肩ロース、上ランプ、玉ねぎ、ねぎ水菜、深谷もやし、ふわとろ雑炊 or 中華太麺
  • 先に野菜を貝だしスープに入れ、ラム肉を軽くしゃぶしゃぶ。食べごろは、少し熱が入った状態

肉は、完全無凍結にこだわったオーストラリア産のオーガニックラム。海のミネラルを豊富に含んだ牧草を餌にしているため、香りがよく、程よい甘みがある。生ラムは鮮度が命であるため、店舗に届くとできるだけ早く調理にまわしている。最大の要は、前日に行う下処理だ。「ラム嫌いになる大きな理由は独特な臭みです。これは劣化が影響しているので、いかに早く水分を抜いて、かつスピーディーに提供するかです。当店では常に0~1℃で保管しています。下処理では、真空パックから出したらすぐにシートにくるんで、血抜き作業を行います」(浅野氏)。ラムにいいイメージがなかった人ほど、そのおいしさに驚く。

「貝出汁ラムしゃぶ」の貝出汁には、アサリ・シジミ・ホンビノス貝の3種と、8種の節を使用し、仕上げに牡蠣油を少し加えている。ラムのうま味に負けない貝出汁を独自で開発している。

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【POINT2】独創的なラムの一品料理&ドリンクのメニュー

メインの「貝出汁ラムしゃぶ」と「ジンギスカン」以外に、つまみの小皿ラム料理も充実

一品料理には、「トリッパ」やよだれ鶏ならぬ「よだれラム」などの和洋折衷かつユニークなメニューがラインナップ。これには「ラム肉に代替え可能かを考えながら日々過ごしているから」と浅野氏。ジャンルは問わず「これがラム肉なら」という発想から日々開発するのだが、「貝出汁」が店のコンセプトのため、だしや味噌、醤油といった日本の発酵食品との相性を重視し、日本ならではのラム料理に落とし込んでいる。また、炒め物など作業効率が悪いものはやめ、提供時間が短くオペレーションがシンプルなメニューにしぼって考案している。

「貝と羊のポテトサラダ」(680円)は無農薬キタアカリとラムミンチにひよこ豆を使用。ほんのりクミンが香る大人なポテトサラダ
ヒット商品「四川風よだれラム」(880円)。ピリ辛のタレと瑞々しい野菜が好バランス。ラム肉は臭みがなくやわらかく、丁寧な処理が活きていることがよくわかる逸品
ラムの胃袋をトマトと煮込んだ「ラムのトリッパ」(880円)。軽く焼かれたバゲットの食感も楽しい。ラム肉の汎用性の高さを感じる
左から「出汁梅昆布サワー」「スパイスサワー」「だしおのこだわりレモンサワー」(各580円)。店のロゴマーク入りのオリジナルグラスも好評

ここでしか楽しめないオリジナルドリンクも充実している。女性のオーダーが多い「スパイスサワー」(写真中央)は、シナモン・カルダモン・クローブ・ブラックペッパー・コリアンダー入り。ほのかな甘みとやさしいスパイスシーさが飲みやすい一杯だ。「だしおのこだわりレモンサワー」(同右)は、レモンとレモングラスを漬け込んだシロップを使用。酸味が抑えられている上に、レモングラスの爽やかな香りも楽しめる。注目は「出汁梅昆布サワー」(同左)。かつおだしに漬け込んだ梅干しと塩昆布が入っている。

【POINT3】お店全体がラム推し。とことんラムに特化!

「おだしのだしお」では、舌だけでなく目でも羊を楽しめる。まず、お店に到着して目に入るのが、大きく「ひつじ」と書かれたのれん。お店のキャラクター・だしおの描かれたちょうちんもインパクト大だ。

オリジナルキャラクターのだしおのちょうちん

「以前は店名ののれんを下げていましたが、『何のお店かわからない』という声があったので『ひつじ』にしました。すると、反対に『おだしのだしおって何ですか?』と聞かれるように(笑)。個人的には、『おだしのだしお=羊のお店』という認識を持たれる方が大事なので、新調してよかったかなと思っています」(浅野氏)。

羊の箸置きや羊をモチーフにした雑貨、ポスターにだしおグッズなど、お店全体で羊を推すことでラムへの親しみ度が上昇する効果を生んでいる。

入り口や店内の、羊モチーフの小物たち。一部「だしおくんグッズ」は販売されている

羊に囲まれながらラム肉をほおばり、客・スタッフに関係なく、自然と羊談議に花が咲く。また、客の多くが各地のラム肉が食べられる店を食べ歩いているため、浅野氏がおすすめ店を聞くこともしょっちゅう。教えられたお店に食べに行くこともあるそうだ。

壁には料理ではなく、アート風なリアル羊のポスターも

笑顔で「まだまだ羊肉の勉強中。奥が深くて面白い」と語る浅野氏には、「いつかラム肉を鴨肉と同じくらいのポジションにまで押し上げたい」という野望がある。

「ラム料理は、世界で見ればメジャーな食肉の一つです。日本全国でポピュラーな食材にするには、僕らのような草の根運動をする存在が必要なはず。そして、入口は多ければ多いほどいいはずです」(浅野氏)。

今後の展望として、『おだしのだしお』はこれまで通りラム肉の入門店という位置に置き、もう一歩手前のフックとしてアジア系料理の立ち飲み屋を開く計画がある。立ち飲みという形態で手頃な価格にし、ラム肉を使用した料理を組み込む。羊肉を食べる導線を作ることで、もっと身近に、ポピュラーな存在にしていく構想だ。

店長 浅野 飛鳥 氏
1982年、東京三鷹市生まれ。高校卒業後、飲食やエンタメなどさまざまな業種を経験し、28歳の時に原点である飲食業で独立開業。三鷹市の活性化を目指してイベント等にも参加し、地域活動に注力している。

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