名古屋「炉端ヒトイキ。」のリピート率7割・月商1200万を生んだメニュー戦略&接客術

リピーター率7割超、繁忙期には月商約1,200万円を記録する名古屋の「炭焼きと日本酒 炉端ヒトイキ。」。女性を惹きつける「原始焼き」や創作和食、日本酒の新しい楽しみ方の提案、そしてオープンキッチンを活かした凡事徹底の接客術まで、予約の取れない繁盛店へと成長を遂げたノウハウと、株式会社HITO-IKI代表・久野氏の店づくり・人材教育のポイントを紹介する。

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炉端のライブ感と凡事徹底の接客でリピーター7割超!

地下鉄国際センター駅から徒歩2分。名古屋駅周辺の繁華街から少し離れた場所に店を構える「炭焼きと日本酒 炉端ヒトイキ。」。運営する株式会社HITO-IKIの久野(くの)浩明 氏は、前職時代に触れた福岡の居酒屋文化に感銘を受け、「名古屋にも楽しい個人店を増やしたい」との思いから、2019年12月に「炉端ヒトイキ。」をオープンした。

  • 1階はカウンター8席とテーブル12席。調理のライブ感を間近で楽しめ、1人飲みや仕事帰りの少人数利用にもぴったり
  • 2階は30席超のテーブル席。2〜4人の会食や会社利用が中心で、パーテーションを下げれば半個室に。大人数の宴会にも対応

店づくりで大切にしたのは、若い女性でも入りやすい空間だ。店内には、焼き場の臨場感を間近で楽しめるカウンター席など、1~2階合わせて全56席を用意。メニューは、和食をベースに洋の技法も取り入れた創作料理を中心に、40~45品を取りそろえる。

オープンから数カ月後にコロナ禍が起こり、売上が落ち込んだが、徐々にファンを獲得し、繁忙期の12月には月商約1,200万円を記録するまでに成長した。来店客の7~8割がリピーターで、今では予約の取れない店としても知られるようになった。その人気の秘密を、久野氏に聞いた。

【店舗Data】 
炭焼きと日本酒 炉端ヒトイキ。
業態:居酒屋
座席:56席(テーブル、カウンター)
客単価:4,300円
客層:20~40代、地元客、男女比4:6
住  所:愛知県名古屋市中村区名駅5-10-7
アクセス:地下鉄桜通線 国際センター駅 徒歩2分
営業時間:17:00~23:00
定休日 :無し(不定休)
https://r.gnavi.co.jp/e5kxedk40000/

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繁盛へと導いた、3つのポイント

目次
【POINT1:料理】ろばた焼きを軸に女性を誘引するメニュー
【POINT2:ドリンク】日本酒の多彩な楽しみ方を提案
【POINT3:接客】「人」を大切にした店作りがファンを生む

【POINT1:料理】ろばた焼きを軸に女性を誘引するメニュー

  • 串に刺した魚を炭の横に立て、遠赤外線でじっくり焼き上げる「原始焼き」。目の前に立ち上る炎と香りが食欲をそそる
  • 一本焼きの「のどぐろ」(2,780円)。炭の強い遠赤外線を横から当てることで、皮はパリッと、身はふっくらと焼き上げる

メニューの柱は名物の「原始焼き」。囲炉裏でおこした炭の遠赤外線を横から当て、日替わりの鮮魚を丸ごとじっくり焼き上げる。「目の前で魚が焼き上がる光景を、お客様に楽しんでいただいています」(久野氏)。

一方、女性を中心に人気なのが、和食をベースに洋のエッセンスを取り入れた創作メニュー。福岡の郷土料理「ごまサバ」をヒントに、カンパチでアレンジした「ごまカンパチ」(1,380円)をはじめ、だしで炊いた大根を揚げた「大根の唐揚げ」(580円)、季節ごとに果実が替わる「果実とチーズ生ハム包み」(650円)など、工夫を凝らした料理が並ぶ。サツマイモの紅はるかを蒸して中身をくり抜き、スイートポテトに仕立てて詰め直した「焼き芋風スイートポテト」(750円)など、ビジュアルにこだわったスイーツも好評だ。「季節のおすすめや日替わりの鮮魚もそろえ、何度訪れても新しい味に出合えるようにしています」と久野氏は自信をのぞかせる。

  • 「ごまカンパチ」(1,380円)は、脂の乗ったカンパチに、甘味を効かせたオリジナルのごまじょうゆを絡めて味わう看板メニュー
  • 「大根の唐揚げ」(580円)は、だしでじっくり炊いた大根に衣をつけて揚げ、トリュフ塩をアクセントに。軽めのおつまみとして人気
  • 日本酒との相性も良く女性人気の高い「果実とチーズ生ハム包み」(650円、写真はいちじく)。果実は季節ごとに替わり、いちごなども登場する
  • 「焼き芋風スイートポテト」(750円)。紅はるかを蒸して中身をくり抜き、ペースト状にして詰め直すことでとろける食感に仕上げる
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【POINT2:ドリンク】日本酒の多彩な楽しみ方を提案

日本酒は常時20種前後を日替わりで用意。「雨後の月」「常山」などの定番に加え、希少な「本日の隠し酒」も。好みに合わせた提案や、3種の利き酒セットも楽しめる

3種類を少量ずつ楽しめる「利き酒おまかせ3種」(1,200円)も用意し、さまざまな銘柄との出合いを「体験」として楽しめる。さらに特徴的なのが、日本酒の新しい楽しみ方を提案している点だ。「純米ハイボール」「純米ソニック」(各650円)や「日本酒レモンサワー」(650円)など、料理にも合わせやすく気軽に楽しめる飲み方を取り入れ、日本酒になじみのない層や女性でも日本酒を楽しめるように工夫している。

「純米ハイボール」「純米ソニック」(各650円)や「日本酒レモンサワー」(650円)など、日本酒を楽しめるドリンクを含めて多彩なラインナップ

このほか、「妙香園の焙じ茶ハイ」「こだわりの緑茶ハイ」(各650円)や、パプリカやパレルモなどの野菜を使った自社オリジナルの「NO SPACEクラフトジン」(890円)も人気を集める。こうした多彩なドリンク提案が支持され、売上に占めるドリンクの割合は約4割に達する。

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【POINT3:接客】「人」を大切にした店作りがファンを生む

オープンキッチンでホールと厨房を分業せず、全員が接客に関わるのが特徴。かけ声やあいさつを徹底し、活気ある店づくりで客の心をつかむ

久野氏が創業当初から大切にしてきたのは、かけ声やあいさつ、初来店客への店の紹介など、飲食店としての「当たり前」を徹底することだ。「やるべきことを愚直に続けることが、結果的に他店との差別化につながったと思います」(久野氏)。厨房はオープンキッチンとし、料理人もカウンターの客と積極的にコミュニケーションを取っており、いきいきと働くスタッフも店の魅力の一つとなっている。

人材育成にも力を入れ、全社員と半年ごとに面談を実施。約20項目の「スキルアップシート」で自己評価と会社側の評価をすり合わせ、評価・役職制度も整備している。こうした日々の積み重ねが口コミやSNSを通じたファンの獲得につながり、店名に込めた「人がイキイキと働ける空間」が、客を惹きつける好循環を生んでいる。

2023年11月には「炉端ヒトイキ。」の近くに「小粋酒場 ゲロッパ!」、2025年12月には栄に「食財とお酒 の/すぺゐす」を開業。さらに名古屋・丸の内エリアでの出店も検討している。

ただ、久野氏が目指すのは大規模な多店舗展開ではない。将来は名古屋市内で8~10店舗を運営し、各店特色ある店づくりを進める考えだ。さらに、「社員の働き方の選択肢を増やすため、一次産業への進出を考えています」と久野氏。オリジナルクラフトジンの酒販免許取得や、生産者と連携した農業への参入も構想。事業の幅を広げながら物価高騰などにも負けない、強く魅力ある企業を目指している。

株式会社HITO-IKI 代表取締役 久野 浩明 氏
1990年愛知県出身。学生時代に4年間、飲食店でアルバイトを経験。卒業後は、焼き肉店などを展開する飲食企業に入社し、肉バル業態の新規立ち上げ責任者として、7年間で7店舗の開業に携わる。2019年に独立し株式会社HITO-IKIを設立。現在は名古屋市内で3店舗を経営している。

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