ハシゴ酒で勝つ!坪月商90万円「あんぽんたん」(高円寺)の収益術

サブカルチャーの街、東京・高円寺で20代の若者を中心に支持を集める居酒屋「あんぽんたん」は、酒が進む名物料理とスタッフの個性が生きた接客、至近にある系列店への回遊を促す仕組みで、月商1,000万円を実現している。オーナーの梶田 雅之 氏に、繁盛の理由や今後の地方展開の構想を聞いた。

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広域から感度の高い若者を呼び込む!高円寺の高架下で坪月商90万円を生む店づくり

高円寺駅の高架下に位置する約11坪の「あんぽんたん」

2019年10月、高円寺駅から徒歩2分の高架下にオープンした居酒屋「あんぽんたん」。高円寺を訪れる若者を取り込み、現在は店のスタッフと同年代の20代半ばが主な客層で、女性が7〜8割を占める。来店のきっかけはSNSや常連客からの紹介が多く、客が客を呼ぶ形で月商は平均1,000万円に達している。

スタッフ同士の仲の良さも魅力。楽しそうに働く雰囲気の良さが店全体に広がる

オーナーの梶田 雅之 氏は、独立前に「楽コーポレーション」で11年間勤務。そこで身につけたのが、「自分たちが楽しそうに働けば、その空気はお客様にも伝わる」という考えだ。「料理でも雰囲気でも、接客でもいい。お客様に心から楽しんでいただき、また来ていただくことの繰り返しが大事だと思っています」(梶田氏)。

スタッフ自身が店を楽しみ、店づくりに関わる姿勢が「あんぽんたん」独自の雰囲気を作り、SNSでの発信と相まって、広域から若者を呼び込む店へと成長してきた。

【店舗Data】 
あんぽんたん
業態:居酒屋
座席:31席(カウンター、テーブル、立ち飲み席)
客単価:3,800円
客層:20~30代の男女(女性7~8割)、他エリアからの来客多数
住  所:東京都杉並区高円寺南4-49-1
アクセス:JR「高円寺駅」南口から徒歩2分
営業時間:17:00~翌0:00(L.O. 料理23:00 ドリンク23:30)
定休日 :不定休
URL:https://r.gnavi.co.jp/ntbmgb640000/

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繁盛へと導いた、3つのポイント

目次
【POINT1:商品力】酒が進むアテで「もう一杯」!トータル原価率27%の秘訣
【POINT2:接客】笑顔のスタッフが客を呼ぶ、「居酒屋の神様」仕込みの人間力接客
【POINT3:系列店送客】徒歩30秒で3店を回遊!満席時の客を逃さない連携術業

【POINT1:商品力】酒が進むアテで「もう一杯」!トータル原価率27%の秘訣

名物の「馬とろ生つくね」(680円)や、缶ごと提供する「サバ缶味噌マヨグラタン ガーリックトースト」(830円)といった、酒が進む独自の創作つまみは400〜800円台が中心。少人数でも追加しやすいポーションにして、「もう一品」を促して単価を引き上げている。

創業からの定番メニュー「サバ缶味噌マヨグラタン ガーリックトースト」(830円)
3大名物メニューの一つ、ユッケ風馬刺しの「馬とろ生つくね」(680円)
  • バター醤油の味わいが酒によく合う「とうもろこしの唐揚げ」(780円)
  • 果実感あふれる「いちごとカルピスのお酒」(画像左、550円)と、マルスウイスキー使用の「あんぽんたんハイボール」(画像右、480円)

店全体の原価率は平均27%を維持。料理を「酒が進むアテ」として設計し、利益率の高いドリンクへの注文につなげて、トータルの原価をコントロールしている。「うちはお酒が出る杯数が多いです。料理ばかりに集中すると、酒を売る力がなくなってしまう」と梶田氏。料理だけでなく、店の楽しい雰囲気やスタッフとの軽快なやり取りで、もう一杯の注文へとつなげている。

メニューづくりも現場主導だ。近隣への配慮から店外席が使えなくなった際には、スタッフの発案で刺身盛り合わせを新たに導入。席数が減った分、客単価を上げて売上を補う工夫をした。梶田氏自身、ここ数年はメニューにほとんど口を出していないという。

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【POINT2:接客】笑顔のスタッフが客を呼ぶ、「居酒屋の神様」仕込みの人間力接客

梶田氏の接客の根底には、「居酒屋の神様」と呼ばれる宇野 隆史 氏率いる楽コーポレーションで学んだ、「働く側がまず楽しむ」という姿勢がある。「こちらがニコニコしていれば、向こうもニコニコしてくれる。その楽しさを伝染させれば、お客様がまたお客様を呼んでくれます」と梶田氏。マニュアルで縛らず「スタッフ自身が仕事を楽しむこと」を徹底。仕込み中からスタッフ同士で和気あいあいと会話し、営業中もその延長線上で客との距離を縮めている。

オープンキッチンの店内。スタッフとの距離の近さも魅力
  • 手書きのグランドメニュー。店のライブ感と親しみやすさを演出
  • 刺身は日替わり。単価アップのために「おまかせ5点盛り」(1人前980円)は2026年6月から開始

元々は「あんぽんたん」の常連客で、店の楽しげな空気に惹かれてアルバイトや社員になったメンバーも多い。スタッフの個性を抑えるのではなく、店づくりそのものに生かすという梶田氏の人間力重視の経営が、若い客層を引き寄せ、リピーターの獲得につながっている。

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【POINT3:系列店送客】徒歩30秒で3店を回遊!満席時の客を逃さない連携術

大家から格安の戸建て物件を紹介されたことをきっかけに、「あんぽんたん」から徒歩30秒の裏路地に、立ち飲み店「ちびぽんたん」を2025年10月にオープンした。満席時に来店客を断るのはもったいないと考え、予約なしで「あんぽんたん」を訪れた客に「まずは向こうで一杯どうですか」と案内している。「ちびぽんたん」は7坪で月商約300万円と、満席時の客の受け皿としても機能している。

さらに2026年7月には、その2階に1時間2,000円で飲み放題・歌い放題のカラオケバー「うたぽんたん」をオープンし、二次会の場として誘導を始めた。3店舗はそれぞれ異なるスタイルで営業しながら連携し、系列店内で自然にはしごしてもらうことで、機会損失を防いでグループ全体の売上アップに貢献している。

1階に「ちびぽんたん」、2階に「うたぽんたん」が入る一軒家。各階7坪、築50年の格安物件
  • 炒め物とつまみが売りの立ち飲み空間「ちびぽんたん」
  • グループでの貸切宴会にも対応するカラオケバー「うたぽんたん」

今後の目標として梶田氏は、石川・金沢への出店を皮切りに、地方展開の構想を描く。「金沢はインバウンド需要に加えて、東京よりも家賃や人件費を抑えやすい点にも可能性を感じています」(梶田氏)。出店の背景には、成長したスタッフに次のステージを用意し、店長としての経験や将来の独立につなげてほしいという思いがある。一人一人が力を発揮できる場を広げ、働きがいのある会社を目指していく。

株式会社あんぽんたんカンパニー 代表取締役社長 梶田 雅之 氏
「楽コーポレーション」で11年間の修業後、2019年に高円寺で「あんぽんたん」開業。2023年に株式会社あんぽんたんカンパニーを設立。2024年には喫茶店「梶田珈琲」(東京・中野)、「居酒屋 まる」(ベトナム)を開業し、現在は高円寺に立ち飲み屋「ちびぽんたん」、カラオケバー「うたぽんたん」も展開する。

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