宇都宮の玄関口にできた、モダンなネオ餃子店
2020年、JR宇都宮駅隣接の商業施設「宇都宮パセオ」のリニューアルとともにオープンした「餃子といえば芭莉龍」。提供するのは角切り肉がゴロゴロ入った餃子で、これまでの「ひき肉とたっぷりの野菜を使ったヘルシーな餃子」という宇都宮餃子の概念を覆すような新感覚系である。
栃木県宇都宮市川向町1-23 宇都宮駅ビルパセオ 1F
https://r.gnavi.co.jp/c87bn7tc0000/map/
https://bariron-ec.team-barisuta.com/
目次
・聖地・宇都宮の、客足の絶えない餃子店
・【POINT1】変わり種で餃子のラインナップが豊か!
・【POINT2】遊び心&栃木県産をプラスしたメニュー考案
・【POINT3】スタッフの教育が、活気につながる
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聖地・宇都宮の、客足の絶えない餃子店
餃子の激戦区で凄まじい勢いを見せる「餃子といえば芭莉龍」。運営は株式会社チームバリスタ(代表:磯 信太郎 氏)で、栃木県宇都宮市を中心に16の飲食店を経営するなかの、餃子業態だ。
店内は広々としており、中央にキッチンを挟み、テーブル席中心のダイニングエリア、カウンターとソファ席からなるバーエリアに分かれている。モダンカジュアルな雰囲気の中でいくつものペンダントライトが光り、懐かしさと新しさの両方を感じさせる。
新幹線の停車駅ということもあり、来店者数は平日が約400人、週末は600人以上にのぼる。男女比は4対6で、年齢層は幅広く、ファミリーや学生に社会人、年配の人の姿もある。そして2024年はインバウンド観光客の利用も増加している。
気になる平均月商は、驚きの3,300万円超え。「うちはコースがなく、予約も受け付けていないので、忘年会などの季節的な需要に左右されることはありません。ただ、観光シーズンや連休、フェスなどのイベントがあると来店数が増えます」と話すのは、店長の土屋 俊介 氏。
また、営業時間は10~24時までと長い。ランチタイムは餃子メインの定食を提供し、ディナータイムになると、そこに串などのおつまみ系が加わる。さらにカフェメニューもそろっているため、アイドルタイムでも客足が引くことはない。
【POINT1】変わり種で餃子のラインナップが豊か!
宇都宮餃子といえば、ひき肉とたっぷりの野菜を使ったヘルシーさが特徴だが、他のお店にはない味や楽しさを提供したいという思いから、逆転の発想で、肉をメインにしているという。
豚肉は、豚バラと肩ロースを1センチ角にカットしたものを使用。ゴロっとした存在感が生きるよう、味付けはシンプルに仕上げている。また、ジューシーな肉汁を守るために、皮はやや薄めで大判な特注品を使用。皿に乗せた時にしっかりとひだの高さも出るため、見栄えも美しく、食欲を掻き立てるのだという。
名物の「焼餃子」は、パリっとした皮と爽やかなショウガ、食べ応えのある豚肉がマッチ。酢コショウを付けると油っぽさが中和され、重さを感じない。
これを基本に「麻辣焼餃子」や「パクチー焼餃子」、各種水餃子といった変わり種餃子を複数ラインナップしている。
ほどよい辛さとしびれの奥にうま味を感じ、一度食べたら癖になる「麻辣焼餃子」。「パクチー焼餃子」は、餃子が見えないほどパクチーがたっぷり。特製パクチーソースがクッションとなり、餃子をさっぱりといただける。
【POINT2】遊び心&栃木県産をプラスしたメニューの考案
他の店にはない味・楽しさを提供したいという気持ちや、「栃木の食材を使いたい」という地元愛は、餃子以外のメニューにも共通している。人気の遊び串「芭莉龍的推薦串」は、どれもひと工夫がプラスされ、串目当ての常連もいるという。
売れ筋は「生どんこ串」と「ねぎ盛りレバー串」。「生どんこ串」は、栃木県産の肉厚なシイタケにだしとイクラをのせた一本で、食べ応えのあるどんことイクラのプチプチ食感が楽しい。「ねぎ盛りレバー串」は、串を覆いつくすほどのネギがたっぷりと乗り、ごま油の風味が食欲を刺激する。他に、「ラムと玉ねぎ串」(528円)も人気でよく出るという。
栃木県のブランド卵「極み卵」とニラを使用した「栃木のニラ玉」(748円)や「極みの白いプリン」(528円)、ドリンクでは栃木県産のクラフト焼酎やクラフトビールもラインナップ。
「栃木県で焼酎を造っていることはあまり知られていないので、そのおいしさを広められれば」(土屋氏)と、地元を応援する気持ちがあふれている。どちらも、県外からの観光客やインバウンド観光客を中心に好評だ。
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【POINT3】スタッフの教育が、活気につながる
「餃子といえば芭莉龍」を運営するチームバリスタは、「喜ばれることに喜びを」という理念のもとに事業を拡大してきた。そのため職種に関係なく、全スタッフが常にお客様を元気に出迎え、おもてなしすることがモットーだ。
「日本一おもてなしができる餃子店を目指していて、アミューズメントパークのような、お客様を楽しませる店作りを意識しています」と土屋氏は語る。そのため、工房で餃子を手包みするスタッフたちも、時折手を振ったり、完成した餃子を見せたりといったパフォーマンスをして、楽しませてくれるというわけだ。
客に非日常を味わってもらうためには、明るく活気があることがマストだ。その空間を実現させるため、スタッフがイキイキと働く「活気のある職場」を作る社内サポートが手厚い。
例えば、アルバイトとして採用された場合、約1時間の座学で企業理念などを学んでから店舗に入る。情報をシェアする文化が根付いているため、飲食店でのアルバイトが初めての人でも安心して勤務できる。「わからないことは、質問すればすぐに教えてもらえます。それは業務的なことに関わらず、店舗経営といった学びも同じ」と土屋氏。
開かれたお客様アンケートと社内考査も、スタッフの仕事へのモチベーションが高い理由だ。
アンケートには、満足度や改善点を聞くほか、その日に一番輝いてたスタッフを尋ねる項目がある。「この票を毎日店舗で集計しています。同様に会社の方でも集計していて、忘年会などのタイミングで表彰式を行っています」(土屋氏)。さらに全スタッフ自身が、アンケートの改善点をチェックして次に生かしている。
並行して360度評価も行っており、上司・同僚・部下からの評価を元に昇給が決まる。問われるのは、日ごろから理念に沿った行動がとれているかどうかだ。土屋氏は「技術だけでなく、お客様ファーストな対応ができているかが重要」と話す。
今後の展開として、新たな業態で新店舗の計画がある。ただ事業拡大だけではなく、地元栃木を元気にする活動に力を入れる。各イベントへの参加で栃木を盛り上げたり、月に1回系列16店舗が持ち回りで「子ども食堂」を実施し、助けが必要な家庭に弁当を無料提供したりと、地域への貢献をも広げている。
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