京都の焼き鳥店「鶏処藤」が本物志向の大人から愛される理由

京都市の中心地から西へ約4kmのJR円町駅近くにある焼き鳥専門店「鶏処藤(とりどころ ふじ)」。素材を吟味した、丁寧な仕事が評判を呼び、店の雰囲気や味に価値を見出す層のニーズをキャッチ。2023年10月のオープン以降、月商も右肩上がりに上昇している。

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こだわりの焼き鳥を売りに40代以上のファンを獲得!

京都駅から3駅目にあるJR円町駅周辺は、繁華街のような派手さとは無縁の閑静なエリア。この地域の飲食店に訪れる客の大半は地域の住民か、ほかの地域から目的を持って来店する人ばかりだ。

2023年10月に焼き鳥専門店「鶏処藤(とりどころ ふじ)」をオープンしたオーナーシェフの藤本 哲也 氏が、円町を出店地に選んだ理由もそこにある。「地域に根差し、素材と調理へのこだわりを理解してくださるお客様をターゲットに商売がしたかった」と藤本氏は語る。開業までに焼き鳥専門店で約10年修業し、その後、京都府亀岡市にある養鶏場で2年働いた経験を活かし、良い食材を最高の状態で提供する方法を追求している。

大衆酒場のカジュアルさと高級店の特別感を合わせ持つ店内空間。席はカウンターのみで当初は12席だったが、居心地の良さや料理・サービスのクオリティーの担保のため、1席減らして11席で運営している

「料理がおいしい」という評判は口コミで広まった。現在の客単価は、開業前の想定より1,000円以上高い6,000円代後半。カウンター11席のみで、一日平均1.5回転し、繁忙期は月商240万円に。着実に人気を集めている理由について、藤本氏は「気に入っていただいたお客様が、良いお客様を連れてくる好ループが続いているのだと思います」と分析。

ただ、開業当初は順調ではなく、オープンから3カ月ほどは月商160万円前後を推移。「当時はファミリーも狙い唐揚げなども提供していて、今よりも広い層を狙いすぎていたのかもしれません」(藤本氏)。そこで、ややアッパー層を狙って唐揚げなどはやめて焼き鳥メインのメニュー構成に変更。すると、狙い通り40代以上のカップルや近隣の会社経営者などがファンになり、高い確率でリピーターになってくれた。「値段は多少高くても、落ち着いた店で、おいしい焼き鳥を食べたい、というニーズにマッチしたんだと思います」と藤本氏は笑顔を見せる。

【店舗Data】
鶏処藤
業態:焼き鳥
席数:11席(カウンター席)
客単価平均:6,000~7,000円
客層:40代のカップル・夫婦、会社経営者などのアッパー層
住  所:京都府京都市中京区西ノ京南円町135
アクセス:JR円町駅から徒歩4分
営業時間:17:00~22:00(L.O21:30)、水曜日定休
https://r.gnavi.co.jp/n15333jn0000/
https://www.instagram.com/toridokorofuji/

繁盛へと導いた、3つのポイント

【POINT1】素材に応じた丁寧な仕事で、おいしさを引き出す
【POINT2】酒好きの期待に応える日本酒やワインを入荷
【POINT3】客とのコミュニケーションにも注力しリピーター獲得

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【POINT1】素材に応じた丁寧な仕事で、おいしさを引き出す

皮で胸肉を巻いた「だきみ」(写真右380円)は胸肉の印象を覆すほどジューシー。希少な「こころのこり」を使う「心」(同中央300円)。弾力のある「ソリレス」(同左350円)

フードメニューはアラカルトのみで50種ほどをラインナップ。その中心に据えているのが焼き鳥だ。

鶏肉は藤本氏が修業した養鶏場が生産する「七谷(ななたに)地鶏」と、鳥取の銘柄鶏を使用。鶏肉の状態に合わせて串の打ち方やポーションを変えて食べやすくするなど、丁寧な仕事が光る。パサパサしがちな胸肉は、皮の脂を活かしてジューシーに焼き上げる。七谷地鶏を使った「ももたたき」「むねたたき」は、鮮度のよさと肉質の柔らかさが評判に。「こころ」は鳥取の銘柄鶏を使用しており、心臓の根本部位「こころのこり」を肉の内側に巻き込むひと手間を加えることでジューシーな風味とプリッとした食感を強調。ファンの多いメニューになっている。また、養鶏場で修業した人脈を生かし、一羽の鶏肉からわずかしか取れない「ソリレス(腰肉)」など希少部位も提供。皮面はパリッと焼き、こした岩塩を使うことで繊細に肉の味を引き出している。ほか、「焼き野菜」は、食品会社に勤めていた経験を活かして旬の野菜を目利き。素材の切り方や盛り付け、使う器にも趣向を凝らしている。

飼料にカシスを使っている七谷地鶏の柔らかい触感が楽しめる「ももたたき」(写真1,100円)や「むねたたき」(1,000円)が人気
  • 数量限定の「燻製カマンベール」(500円)。炭火であぶって仕上げており、中から溶け出すチーズのまろやかな風味と燻製の香が楽しめる
  • 肉厚にカットした「ズッキーニ」(300円)。仕上げにパルミジャーノチーズを振りかけることで塩味とうま味を添えている
  • 「市川蓮根」(700円)。焼き野菜は時期によって仕入れが異なり、冬は茨城県産の市川蓮根を使用。断面に焼き色をつけることで香ばしい一品に
  • 名物の「焼おにぎり」(480円)は、しょうゆベースのタレで焼いた俵型のおにぎりの上に卵黄をトッピングしたインパクトのある一品
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【POINT2】酒好きの期待に応える日本酒やワインを入荷

お酒好きからも好評の日本酒やワインをそろえている。日本酒は希少銘柄を1割程度入荷し飽きがこないように工夫

アルコールは、日本酒とワインのほか、焼酎などもそろえる。オープン当初は有名な銘柄を中心に入荷していたが、常連客の要望を叶える形で徐々に希少銘柄も仕入れるようになった。仕入れは、飲食業界で長年働いた人脈を活かして5社と取引。フランスでワインづくりを学んだエキスパート・金井 麻紀子 氏がセレクトしたワイン「マキコレワイン」を京都で唯一扱う店とも取り引きしており、ワイン好きが注目する銘柄も仕入れている。「希少銘柄を売りにしているわけではありません」(藤本氏)と言いつつも、酒のラインナップを充実させることでリピート率アップにつなげている。

日本酒は来店客の要望を取り入れることも。「黒龍 大吟醸 CRYSTAL DRAGON」(写真中央・1合1,500円)は飲食店限定の大吟醸酒。「黒龍 いっちょらい」(同右・1合1,200円)は癖がなく飲みやすいタイプ。老舗蔵元が醸す純米吟醸酒「磯自慢」(同左・1合1,200円)も人気
ワインは「シャルドネ(白)」や「メルロー(赤)」(各6,000円)などを用意。ワインのエキスパート・金井 麻紀子 氏がセレクトしたオーガニックワイン「マキコレワイン」も入荷している

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【POINT3】客とのコミュニケーションに注力しリピーター獲得

来店客とのコミュニケーションを何より大切にしており、営業中はワイワイとにぎやかな雰囲気に包まれる。「いかに楽しく過ごせたかが、リピートにつながると考えています」と藤本氏

独立までの経験から、藤本氏は「店のファンになってもらうには来店客との会話と居心地のいい空間づくりが重要」と実感。カウンター越しのコミュニケーションも重視している。記念日使いもできるような洗練された空間だが、肩ひじ張らずに食事を楽しめるよう積極的に話しかけるようにしており、料理や調理法、素材の話を交えながら店の魅力を伝えることにも成功している。「たとえば『厳選八種盛合せ』(2,400円)を注文された方には、飲んでいるお酒に合う部位を提供して、お酒と部位の相性などをご説明することで喜んでいただけたり、会話のきっかけになったりしています」(藤本氏)。

販促については、SNSでの情報発信はあえて行っていない。そこに注力する時間を、メニュー考案などに充てたいためだ。「さらに店の個性を磨き30年続く店を目指します」と語る藤本氏。おいしい焼き鳥店という看板を不動にすべく、仕事に励んでいる。

オーナーシェフ 藤本 哲也 氏
食品業界を経て、30代から本格的に飲食業界へ。京都の祇園や四条河原町の焼き鳥店で腕を磨き、系列店の新規出店にも尽力するなど、豊富な経験を積んだ後に独立開業した。

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