寿司酒場×イタリアン「不二子 名駅店」の大胆リニューアル戦術

愛知・名古屋駅周辺の繁華街から離れた立地に2024年4月オープンし、同年12月には月商1,000万円を突破した「不二子 名駅店」。創業3カ月で「寿司酒場×イタリアン」というユニークなコンセプトへのリニューアルが成功し、SNSを含めた集客戦略によって短期間で大きな成果を上げている。

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開業3カ月でのコンセプト一新が繁盛への分岐点に

2024年4月に愛知・名古屋にオープンした「不二子 名駅店」。宮城・仙台で人気を博してきた「大衆すし酒場 不二子」と東京・高円寺のイタリアン「バール・タッチョモ」をかけ合わせた「寿司酒場×イタリアン」の独自スタイルが話題。三陸・石巻直送の鮮魚で握る本格寿司や創作イタリア料理が女性を中心に人気を集めている。

客層は20代後半から30代前半の女性が7割を占める。最近では仕事帰りのビジネス層や忘年会などの宴会利用も増えてきている
【店舗Data】
不二子 名駅店
業態:イタリア料理×寿司
席数:68席(カウンター36席、テーブル32席)
客単価平均:5,500円
客層:20代後半~30代前半の女性が7割。サラリーマンの利用も増加中
住  所:愛知県名古屋市西区名駅2丁目29-3
アクセス:JR名古屋駅から徒歩約6分
営業時間:17:00~23:00 (料理L.O.22:00 ドリンクL.O.22:30)
https://www.instagram.com/fujiko_nagoya/

繁盛へと導いた、3つのポイント

【POINT1】おしゃれかつ機能性も備えた空間設計 
【POINT2】寿司酒場×イタリアンの独創的なメニュー
【POINT3】来店ごとに変わる日本酒とこだわりのワイン

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【POINT1】おしゃれかつ機能性も備えた空間設計

仙台の店舗と同じデザイナーに設計を依頼。入り口付近に円形テーブルのカウンター席を配し、おしゃれな空間に仕上げた

店内は洗練された和モダンなデザインで、気軽に立ち寄れるカジュアルさと居心地の良さを感じさせる。入り口付近には大きな円形カウンターと円卓、その奥にL字カウンターがあり、さらにその奥に30人規模の宴会にも対応できるテーブル席がある。「カジュアルに寿司を楽しんでいただきたいというコンセプトから、円形カウンターを配置するなどして、全体的に柔らかい空間設計にこだわりました。奥のテーブル席を見て『意外と広いんだね』とよく言われます。おひとり様から大人数の宴会まで対応できるのが強みです」と菊地氏は話す。

店舗奥に広がるテーブル席。カウンター席とは趣を変えた広々とした空間で、貸切利用にも対応することで宴会需要を取り込んでいる
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【POINT2】寿司×イタリアンの独創的なメニュー

「名物!三陸5貫盛り」(1,200円)。写真は「マグロ」「ハダガレイ」「タコ」「灰干しサーモン」「ブリ」。宮城県産ササニシキを使用し、赤酢を使ったシャリは甘さを抑えた味わい

オープン当初からの人気メニューが「名物!三陸5貫盛り」(1,200円)。小さめに握るシャリには赤酢を使用しており、日本酒やワインとの相性を考え、甘味を控えたキリッとした味に仕上げている。開店当初はネタを名古屋で仕入れていたが、仙台の本店のつてを活かして三陸・石巻直送の鮮魚に切り替えることで、食材の質を担保しながら大幅なコストダウンを実現した。「流通に乗らない魚なども合わせて送ってもらうことで、旬の魚を安価で提供しながら利益を確保できる体制を構築できました」(菊地氏)。

握り寿司を提供する際には、ネタに醤油を塗ってそのまま食べられる状態で提供。客席に醤油を置く必要が無いので、ロスを抑えるメリットもある
火山灰に埋めて熟成させた半生状態の干物を使った「熟成灰干し寿司」も売り。「灰干しサーモン」(380円)など3種類の握りを用意

開業時は、この握り寿司と貝料理をメインに提供していたが、高単価中心のメニューが若い女性中心の客層に合わず、コンセプト自体も周辺の飲食店と明確な差別化ができていなかったことから、想定より客数が伸び悩んでいた。

そこで、経営母体である東京・高円寺のイタリアン「バール・タッチョモ」のシェフを招き、オープン3カ月後の7月に思い切ったリニューアルを決行した。店長の菊地 保宏 氏は、「リニューアルをきっかけにお客様の反応が大きく変わりました」と振り返る。

リニューアル後、若い女性を中心に人気を集めたのがイタリアで修業したシェフが作る和の要素をアレンジしたイタリア料理だ。「寿司居酒屋のペスカトーレ」(1,550円)は、トマトベースではなく、魚介のアラから煮出した出汁を使用し、コクのある深い味わいを表現した。カダイフで巻いて揚げることでパリパリの食感が楽しめる「パリパリ衣のアジフライ」(1個450円)もリピート率が高い一品。このほか、トリュフ醤油とトリュフ薫るオリーブオイルで味わう「炙り牛タンカルパッチョ」(1,650円)なども人気を集めている。注文はアラカルトが7~8割ほど。週末になると食事目的で来店する常連客も多いという。

6種類の前菜を盛り合わせた「不二子の前菜盛り」(1人前750円)。「自家製のローストポーク」(写真中央)、寿司屋を意識した「イワシのバッテラ~サルサヴェルデ~」(同手前)、「鶏のパテドカンパーニュ」(同左)の定番3品に、日替わりで3種が加わる
  • 「うふマヨ(イカ墨マヨ)」(380円)。卵とマヨネーズにイカ墨を加えることで、見た目のインパクトとオリジナリティーを強調
  • 「パリパリ衣のアジフライ」(1個450円)。カダイフで巻いて揚げサクサクした食感に仕上げた。自家製トマトソースとの相性も良い
「寿司居酒屋のペスカトーレ」(1,550円)。トマトベースのソースを使うのではなく、鮮魚のアラが取っただしを使用することで“寿司屋らしさ”を前面に打ち出した。魚のうま味を凝縮したソースが食欲をそそる一品だ
「メニュー開発については系列店も含む会社全体でアイデアを出し合っています」と菊地氏。系列店の人気メニューを取り入れることも多い

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【POINT3】来店ごとに変わる日本酒とこだわりのワイン

  • 「寸鉄」(写真右・グラス500円)など東北各地の地酒をそろえる一方、愛知の「二兎」(左から2番目・グラス800円)など東海地区の銘柄も。「不二子の隠し酒」(グラス1,100円)では埼玉「花陽浴」(右から2番目)や岐阜の「津島屋」(左)などを提供
  • 写真左から、バランスがよくどんな料理にも合う「ランゲ・ロッソ」(5,200円)と「ランゲ・ビアンコ」(5,200円)、柑橘の香り漂う「アナトリーノ」(7,200円)、フルーティで魚介との相性が良い「フラワーパワー」(4,200円)

ドリンクは、東北地方の日本酒を中心に、常に銘柄を入れ変えており、来店するたびに異なる銘柄が楽しめるのが売りだ。また、リニューアルを機にワインのラインナップも充実させた。イタリア産を中心にボトルで15種類、グラスで7種類を用意。酸味と果実味が穏やかでどんな料理にも合わせやすいピエモンテ「ランゲ・ビアンコ」(880円)など、自社栽培ブドウで上質なワインを作る家族経営のワイナリー「マルヴィラ」の銘柄を中心にナチュラルワインを用意している。

「寿司とイタリアンの両方に合うよう、ワインと日本酒のセレクトは料理との相性を意識しています」と菊地氏。料理とドリンクのペアリングによって多くのリピーターを引き寄せている。

「寸鉄」と「伯楽星」(グラス600円)以外は、なくなり次第入れ替え。来店のたびに新しい銘柄を楽しめるように工夫している
オーナーが現地のワイナリーレストランで修業した縁から「マルヴィラ」を始めイタリア産のナチュラルワインを中心にそろえている

当初は名古屋での知名度がなく、月商500万円前後で推移していたが、日々のミーティングでQSCの改善について議論しながらブラッシュアップを重ね、リニューアルに合わせて公式ホームページを刷新し、Instagramでの情報発信にも力を入れた。プロのカメラマンに撮影してもらった料理写真を投稿するなどした結果、フォロワー数は3,000人を超えるまでに増加。SNS経由での来店者も急増して、2024年12月には月商1,000万円を突破した。

「SNS映えする料理を投稿したことで、女性の来店が増えたと感じます。料理の盛り付けにこだわるのはもちろん、写真の画角などの統一感も重視し、掲載する画像は数十枚からセレクトするようにしています」と菊地氏。こうした視覚的な工夫が店舗のブランドイメージを強化し、新規顧客を獲得している。

モバイルオーダーを導入しているが、お客様との接点も重視。「最初に売りの料理を説明するときに、スタッフがメニュー表の売りの料理に赤ペンで印をつけながら紹介するなどして、印象に残る接客を心がけています」と菊地氏は話す。

また、名古屋市内の金山エリアへの新規出店も視野に入れており、「不二子」ブランドのさらなる拡大を計画中だ。「仙台の本店では、誰も見向きもしないような立地で人気を集め、地域に新たなにぎわいが生まれました。『不二子名駅店』でもこれと同じような“街づくり”ができたら」と菊地氏。今後は、地元住民や近隣のファミリーをターゲットに、普段使いから宴会まで幅広いニーズに応える店づくりを目指す。

店長 菊地 保宏 氏
高校卒業後、アパレル販売を経て飲食業界に。仙台市内の居酒屋店などで経験を積んだ後、知人の紹介で「大衆すし酒場 不二子」へ。名駅店ではオープン時から店長を務める。

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