2017/12/26 特集

人気店の経営者へ10の質問 2018年、そしてその先へ 後編(4ページ目)

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成長期だからこそ、内部のチーム力を強化します

株式会社C.F.C.company武本 一利氏COMPANY PROFILE2006年設立。2011年に郊外型居酒屋「ぎょぎょすけ」の1号店「ぎょぎょすけ飯塚店」をオープン。その後、「炉ばた しんがり」「サンパチキッチン」を、福岡を拠点に展開。2017年末には、人材確保も念頭に、カフェと餃子で2ブランドを開発。現在はFCを含む、5ブランド15店舗を運営している。KAZUTOSHI TAKEMOTO PROFILE1982年、福岡生まれ。中学時代に外食で訪れた居酒屋に感動し、飲食業界を目指す。高校卒業後、居酒屋の現場を経験し、24歳で独立。独立当初運営していた地元のカフェや居酒屋などは経営譲渡し、現在は、繁盛ブランドの開発と運営に力を注ぐ。

2017年を振り返って

これまで、居酒屋「ぎょぎょすけ」「炉ばたしんがり」、380円均一のイタリアンバル「サンパチキッチン」の3ブランドを展開してきましたが、会社の継続的な成長のため、11月末~12月にかけて、2つの新ブランドをオープンしました。1つは、熊本で出店した「PANNA COFFEE」。喫茶店とカフェの中間のような業態で、場所はおしゃれなショップが多い熊本市内の上通(かみどおり)エリア。もともと100坪ほどのカフェだった物件を居抜きで活かし、ファミリーも取り込めるメニューを開発しています。人気店に成長させ、いずれ福岡に“逆輸入”したいと考えています。

もう1つは、福岡随一の繁華街・天神の南側、春吉にオープンした餃子専門店の「博多一口餃子たけとら」です。ブランド開発にあたっては、特に大衆受けすることを狙っており、中でも餃子専門店という業態は以前から注目していました。このエリアは需要がまだあると見込んでおり、自信もあります。軌道に乗れば、早い段階でセントラルキッチンを設け、多店舗展開も視野に入れています。

2016年から、当社は成長期に入っていると実感しています。2017年は新ブランドとは別に、「ぎょぎょすけ大野城店」もオープン。店舗数も増えました。それらに併せ、3期にわたって取り組んでいるのが人材育成を含む内部強化。今年は、女性の就業環境改善につながる「準社員制度」についても検討を始めました。

2018年の展望とキーワード

3期にわたった内部強化の集大成となるのが2018年。「TEAM OF TEAMS」を合言葉に、会社が目指す方向性を社員30名と200名のアルバイトスタッフが共有し、チーム力を強化させていきたいですね。今までの取り組みのなかでスタッフ間の関係は確実によくなり、それぞれが自分の役割を再認識し、先に進み始めた感があります。柔軟な発想で開発した業態で時代に対応し、長く続く企業を目指していますので、若い世代を育てることで、目標が達成されると考えています。

自社店舗のエリアの状況

エリアによって明暗がはっきり分かれていると感じています。好調なのは、やはり福岡。インバウンド対策ができている店舗は、さらに盛況の印象があります。福岡は、例えば売上が落ち込む月があっても、翌月にはそれを挽回するなど、トータルでバランスが取れるエリアだと思います。顕著な人口流入に象徴されるように、街全体に活気がありますね。

「人材問題」への対策

飲食業に対するイメージは世代による開きがあり、そこをクリアにすることが人材問題への対応だと考えています。そこで大切になってくるのが、コミュニケーション。その一貫として会議の数を増やし、その場で率直な意見交換を行うことで、世代間のズレを調整しています。社内の20代、30代、40代がよりよい関係を築き、世代間でうまくバトンをつなぎながら、会社として成長したいです。

10年後の自社未来図

直近の数字として掲げているのは、2年以内に年商10億円。これは達成できると思います。年々、店舗数が増えていくことは確実ですが、ブランド開発も含め、店舗数の具体的な数字は思い描いていません。なぜなら、その目標に引っ張られ、目の前の問題がおろそかになる可能性があるからです。ただ、出店エリアは当面九州全体を考え、“九州ドミナント”を進めていきます。地元で実績を積み上げ、人材も強化し、盤石の態勢が整ったら、東京や海外進出も考えています。

気になる食材

今は特にありませんが、ブランド開発の軸である、「世界に通用する日本の食文化」に合致するものが出てきたら、積極的に取り入れたいですね。

注目している業態

大衆受けする日本の食文化全般です。将来的に開発の視野に入れているラーメンは、以前から気になっています。

ベンチマークしている店

特定の店舗はありませんが、餃子店はよく見ています。

尊敬している経営者3人

4名になってしまいますが、もつ鍋「一藤」(株式会社ウィリングハンズ)の大嶋洋平さん、九州で多店舗展開をするアトモスダイニング株式会社の代表・山口洋さん、同専務取締役で、九州・博多のこだわり飲食店の会「ic∞会(イコーカイ)」の会長でもある吉原英一さん、そして居酒屋「はかた風土」などを展開する有限会社ウィナーの竹田修治さんです。共通しているのは、人としての温かみ。私は24歳で独立し、少し前まで売上や店舗数など、数字面で実績を残す経営者に影響を受けていましたが、現在は大切なのはそれだけではないと思うようになり、先輩方とゴルフなどを通じて多くのことを学ばせてもらっています。

マイブームや趣味

2017年からゴルフを本格的にやるようになり、スタッフとも一緒に行きます。いずれは「C.F.Cコンペ」を開催して、社内交流の一環にしたいですね。

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