2019/01/15 特集

正しく扱えば、もっとおいしい&売りになる。ジビエ再考(5ページ目)

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藤木シェフがおすすめする ジビエの基本レシピ

シカのロースト

【材料】 1人前
シカ肉(ロース)・80g、塩・適量、バター・25g
ソース:シカの骨とスジを赤ワインで煮出し、ジンを加えたもの
付け合わせ:季節の野菜や果物

【作り方】
①シカ肉のスジを取り除く
②フライパンにバターを入れ、弱火にかける。バターが溶け始めたら塩をふったシカ肉を入れる
③溶けたバターを肉にかけながら、ゆっくり加熱する。火力はごく弱火。裏面も同様にし、合計10分ほど加熱
④火を止め、コンロの近く(温かい位置)に置いて約10分休ませる
⑤表面をオーブンで温め、カットし、ソース、付け合わせとともに盛りつける

Chef's Comment

シカ肉は、フルーツとの相性がよいので、このシカが育った長野産のリンゴとミカンを添えました。ジビエが獲れた地域の食材を使うことで、土地の恵みを一皿に表現できます。

【POINT】
シカ肉に付いているスジは、加熱すると硬くなるため、ていねいに取り除く。スジをつまんで、肉との間に包丁を入れ、スジを引っ張りながら削いでいく
【POINT】
フライパンが温まらないうちにバターと肉を入れ、終始ごく弱火で加熱する。フライパンの熱の上昇とともにゆっくり肉の温度を上げていくのが目的。バターを焦がさない程度の火力が目安
【POINT】
肉全体の色が変わったら、火を止め、焼き時間と同じだけ休ませ、余熱で中心まで熱を通す。コンロの近くなど、温かい場所に置くこと
ロース(中央)とバラ(左)をパーツごとに分割し、スジを取り除いた状態。スジ(右)は出汁などに活用

イノシシのラケ

【材料】 1人前
イノシシ肉(皮付きバラ)・80g、塩、砂糖・各適量
ソース:黒蜜・40g、ナツメグ、シナモン、コリアンダー、
黒コショウ・各適量
付け合わせ:季節の蒸し野菜

【作り方】
①イノシシ肉を塩と砂糖でマリネし、真空パックにする
②85℃のスチームコンベクションオーブンで6時間加熱
③ソースの材料を混ぜ合わせ、カットした肉の皮面に塗る
④220℃のオーブンで10 分焼き焦げ目をつける
⑤付け合わせとともに盛り付ける

Chef's Comment

今回は、秋に獲れた宮崎産の皮付きイノシシを使用しました。脂がのり始めたばかりの秋のイノシシは、ロースの背脂肪で2.5cmほどですが、冬になると赤身とほぼ同量の5cmほどになります。

【POINT】
イノシシの皮は硬いが、長時間加熱して柔らかくすると、トロっとした食感に。スチームコンベクションオーブンがなければ、85℃の湯で6時間加熱してもOK
【POINT】
スパイスをブレンドしたソースは、マガモの料理によく使う、フランス料理では定番のもの。イノシシの柔らかくなった皮や脂にも、キリっとした味わいがマッチする。フランス料理のレシピはハチミツだが、黒蜜を使って和風にアレンジしている

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