2020/04/14 特集

今、飲食店がやれることーー経験したことのない経営の危機を乗り越えるために(6ページ目)

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【収束後に向けた体制整備】外食ニーズの“戻り”を逃さず飲食店の価値を高める準備を!

住宅地の店は客層に変化も新規客を確実に再来店へ

 今後の集客戦略は、新型コロナウイルス感染症の収束の時期と密接に関わってくる。7、8月頃までに収束が見えれば、お盆を中心にした夏の集客戦略に力を入れることができる。だが、実際には、収束がいつになるかの判断は難しい。「確かなのは、抑圧された消費は、必ず反動による“戻り”があること」と二杉氏。2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災の後でも、消費の戻りが見られた。だからこそ、収束後に予想される消費の戻りに対応できる準備を、今から整えておく必要がある。

 そのためには、本来行うはずだった販促を見失わずに進めることが、まずは大切。季節に合わせたメニューの準備や、常連客へのアプローチなどだ。並行して、「日々の営業に紛れて後回しにしていた課題に向き合うことも重要」(二杉氏)。おろそかになりがちだったスタッフ育成、顧客情報の整理、新規客の開拓などにじっくり向き合って、集客の戦略を練るとよい。集客減少によって狂いが生じた年間の売上計画も、見直しておこう。

 また、収束後の取り組みとして、ぜひ注目してほしいのが、「外食の価値を感じられるアプローチ」と二杉氏は呼びかける。自粛下の人々は、収束後の宴会やパーティーなどの外食シーンを楽しみにしながら、今を耐えている。外食の楽しみや価値を改めて認識している人も少なくないはずだ。「収束後には、“せっかくの外食”という期待にしっかり応えられる“手の届くご馳走感”や、“おもてなし”が喜ばれるのでは」と二杉氏は言う。さらに、中止した歓送迎会など年度替りの恒例行事を、収束後に開催することも考えられる。あるいは、規模や形を変えつつ、自粛期間にできなかった集まりを再開することもありえるだろう。こうした消費動向に注意を払いつつ、準備をしっかり行うことが、集客の鍵を握る。

 もっとも、短期的には自粛の後遺症が長引く可能性も否定できない。大型宴会が敬遠され、1人客や少人数のグループが多くなり、接触機会の少ない個室や換気のよいテラス席などが好まれる可能性もある。そういった設備がある店は、それらの積極的な発信が功を奏するケースもありそうだ。

 さらに、在宅勤務が増えたことで、都心に通勤していたビジネス層が昼間も住宅街におり、特にランチは、オフィス街にあった需要が郊外の住宅街に移行していることも押さえておきたい。自宅周辺で食事をする人たちが増え、郊外や住宅立地の店では、新たな客層が生まれる可能性がある。こうした店では、「新規客を確実にリピートにつなげる作戦が不可欠です。次回来店時に使えるクーポンなどの検討を」と二杉氏は話す。機会を逃さず、リピーターやファンづくりにしっかり取り組みたい。

 そのほか、いま最も影響が大きいインバウンドは、「この事態で消えた需要は、必ず大きな反動があるでしょう」と二杉氏は語る。その波を逃さずに、取りこぼしなく獲得する体制を整えておきたい。

 最後に、集客とは異なるが、一斉休校による子どもたちへの支援を始めた飲食企業の動きにも注目したい。全国チェーンだけでなく、地元密着の小さな飲食店などでも、子ども向けメニューや弁当を安価に提供し、子育て世帯を支援する動きが見られた。こうした活動をすることで、未曾有の社会状況の中でも飲食業の価値が認知され、ひいては地域で愛される店につながっていくといえるだろう。

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