昼は「専門店化」で“二毛作”
魚と炭火 炉ばたのぎんすけ 中津店[大阪・中津]
オペレーションの軽減と利益の出る原価を両立
大阪・梅田から1駅の中津駅近くに、2020年3月オープンの「魚と炭火炉ばたのぎんすけ中津店」は、居酒屋「ぎんすけ」ブランドを展開する株式会社遊人の最新店舗。開店以来、夜のみの営業を続けてきたが10月に方針転換し、昼は汁なし担々麺専門店、夜は居酒屋という、いわゆる“二毛作”を開始した。現在では昼の営業が、新たな売上の柱へと成長しつつある。
汁なし担々麺専門店
「起業した時からランチは絶対にしないと決めていました。スタッフの就業時間が長くなり、薄利多売になりがちだからです」と話すのは代表取締役・麻田俊樹氏。ただ、コロナの影響が長引くなか、9月頃から検討を始め、10月中旬にランチをスタートした。「看板の『汁なし担々麺(ダイブ飯付き)』(800円)は、『炉ばたのぎんすけ 中津店』オープン時からシメの一品として人気が高く、味も自信作。原価率が30%弱なので、専門店化できれば勝機があると考えました」と麻田氏は話す。
特にこだわったのが、オペレーションの簡素化だ。担々ダレや具材はまとめて仕込んで急速冷凍し、麺も冷凍の極太麺を使用。そのため、店内調理はネギを刻むだけという徹底した省力化を図り、スタッフの負荷増大という難題もクリアした。「元々、夜のメニューに汁なし担々麺を加えたのも、仕込みの手間を減らせるから。ランチなら1.2人で回せます」と麻田氏。初月から客数600人、売上50万円、20万円以上の利益を確保することに成功した。
「ぎんすけのポテサラ」(写真右・390円)や「淡路玉ねぎのトロトロ焼き」(左・390円)など、原価を抑えながらも満足度が高い一品も開発
汁なし担々麺専門店のメリットは、初期投資を抑えられる点にもある。「炉ばたのぎんすけ中津店」の場合、のれんやのぼり、器類などの準備で10万円程度。昨年秋以降、経営者仲間からFCのようなかたちでのオープン依頼が入り、すでに2社が営業を始め、今年も2社が決定。今後は全国に輪を広げていく予定だ。「FC化など考えてもいませんでしたが、デリバリーにも向いていますし、オフィス街なら需要はあるはず。少しでも力になれればうれしいですね」(麻田氏)。効果的な“二毛作”が業績回復の妙手となっている。
大阪府大阪市北区中津1-13-8
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