昼はウナギ店に店舗を“間貸し”
個室 桜肉寿司 タテガミ 栄本店/昼だけうなぎ家[愛知・名古屋]
互いの強みと思惑がマッチ。大衆価格のうな丼が話題に
店舗の間貸しで成功しているのが、愛知・名古屋の繁華街・栄にある「個室桜肉寿司タテガミ栄本店」だ。長さ60cm のユッケ寿司が売りの居酒屋で、20~30代の女性を中心に集客。一方、「ランチにも挑戦しましたが、居酒屋のイメージが強かったせいか苦戦して断念。昼の時間帯の活用法を探していました」と、株式会社アクトコミュニティの代表取締役・柳瀬雅斗氏。
そんな中、共通の税理士を通して、「うなぎ家」(愛知県)などを営む松井歓氏と知り合ったことが転機に。「うなぎ家」は、メニューの絞り込みやオペレーションの効率化でコストを抑え、良質なニホンウナギを使ったうな丼などを低価格で提供。コストパフォーマンスの高さで人気を博してきた。「繁華街への出店も検討しましたが、家賃の高さがネックに。柳瀬さんがランチタイムの店の活用法を模索していると聞き、ランチタイムだけ間借りすれば出店コストを抑えられ、都市部でも大衆価格のうなぎ料理の提供が実現できると考えました」と松井氏。双方の思惑が一致し、協業体制を取ることになった。
ディナータイム(17:00 ~ 23:00)
「個室 桜肉寿司 タテガミ 栄本店」
「タテガミ栄本店」をうなぎ店として使うにあたり、松井氏がキッチンスペースや排煙機能などを確認。その上で、うなぎの焼き台は、持ち運び可能なものを厨房に設置し、夜の営業時には上に板を置いて作業台として使用できるようにした。「冷蔵庫は4ドアあるうち、整理して1ドア分をうなぎ店用として使用。什器などの収納場所も問題なく確保できました」(柳瀬氏)。
ランチタイム(11:00 ~ 14:00)
「昼だけうなぎ家」
最大の問題は「タテガミ栄本店」の物件が、契約上、転貸借できないものだったこと。そこで、一般的な間貸しとは異なり、アクトコミュニティがうなぎ店を運営して、松井氏にコンサルタント料を支払う形にした。この契約形態に合わせて、店舗での実務はアクトコミュニティが担当。うなぎを仕入れてさばくまでは「うなぎ家」で行ってから「タテガミ」に送り、串打ちや焼きの工程は松井氏から指導を受けた「タテガミ」のスタッフが行っている。
店名はわかりやすさを重視し「昼だけうなぎ家」と命名。2020年5月に営業をスタートすると、間借りによってコストを抑え、大衆価格でうなぎが楽しめることが話題に。コロナ禍でテイクアウトのニーズが増加したこともあり、「持ち帰りも含めて売上は過去のランチ営業の倍以上」(柳瀬氏)と好調な船出となった。松井氏も「繁華街に出店したことで、本店の認知度も上がりました」と利点を実感している。
今回の成功を受けて、松井氏は今後、「昼だけうなぎ家」をFC展開する予定。ランチタイム限定の業態で、店舗を増やしていきたいと考えている。
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