2021/02/24 特集

お店の価値を高める! 利益を出す! モーニング・ランチの新戦略(3ページ目)

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組み合わせ自由のランチで新規・常連の集客&売上の柱に!

新潟肉と海鮮・50種の地酒 つるまる【新潟・新潟駅】

“夜定食”としても提供! ドリンク付きセットも好評

 2007年に新潟県糸魚川市で創業した「新潟肉と海鮮・50種の地酒 つるまる」は、村上牛のほか、新潟のブランド豚・鶏などの肉料理や、豊富な日本酒が売りの居酒屋。新潟駅前に移転後、今年2月に9周年を迎えた。

20種のおかずから自由にチョイス。ランチ客の8割がオーダー!

「選べるおかずの組み合わせ定食」(2種880円、3種1,000円、4種1,200円)。写真は3種セットで、「唐揚げ」「刺身」「本日の焼き魚(銀鮭)」の組み合わせ。これにご飯(写真は「大」)・小鉢・サラダ・漬物・みそ汁が付く。おかずは、豚の生姜焼き、ポークソテーなども人気

 夜の営業のみだった「つるまる」では昨年春にランチをスタート。現在、大好評なのが「選べるおかずの組み合わせ定食」だ。「昨年2月の段階でコロナへの危機感を覚え、すぐにメニューを考案して、3月から提供を始めました。ランチ営業は4年前まで行っていて、経験がなかったというわけではありませんでした」と、代表の鶴田雄介氏は振り返る。まずは約10種類の定食からスタート。その後間もなく、「世間の気持ちが落ち込んでいるからこそ、食べる楽しさや喜びを表現できる店にしよう」(鶴田氏)と考え、店のこだわりの一つでもある、羽釜で炊いた糸魚川産コシヒカリを前面にアピール。それに合う10種のおかずから、2種または3種を選べる「組み合わせ定食」を導入(2種880円、3種1000円)。ご飯のサイズは極小から特盛まで5段階あり(スタート当初は4段階)、「大(500g)」までは追加料金なしで提供している。

「組み合わせ定食」は、選べるおかずとご飯のサイズがひと目で分かるよう、メニューブックでは見開きにまとめた
ランチ時は、メニューブックのランチページをそのまま外看板にして、店の前を通る人にアピール

 さらに昨年11月、「組み合わせ定食」のおかずの種類を20種に増やしつつ、おかずが4種選べるセットの提供も開始。おかずの組み合わせを変えることで飽きることがなく、週4~5日通う常連も生まれた。また、この時におかず3種の組み合わせ定食を1080円から現在の1000円に変更したところ、注文が増加。お釣りが不要で会計がスムーズになるという効果も生まれた。

 おかずの中では、糸魚川時代から変わらない味付けの唐揚げの人気が高く、原価率の高い刺身は1日10食に限定することで、刺身を目的とする人が早めに来店するなど、ランチの混雑回避にもつながっている。加えて、一度来店した人が後日、会社の同僚を連れてきたり、コロナ禍の影響が一旦落ち着きを見せた昨秋頃は、ランチで店を知った人たちが夜の飲み会にも利用するといった継続的な集客にもつながっている。「ランチをきっかけに新規のお客様が増えており、近くの飲食店で働く若者が出勤前に来てくれることもあるなど、少しずつ今後につながる輪が広がっている実感があります。ほとんどのメニューを夜のお通しにも利用したり、真空パックを使うことで日持ちするメニューも開発しています」(鶴田氏)。地域の社食のような存在になってきており、客層は男性ビジネス層が8割で、女性の来店も増えているという。現在は店全体の売上の半分以上をランチが占めるほどで、経営の欠かせない柱となっている。

  • 今年1月から「組み合わせ定食」を夜も提供。ワンドリンク付きセットの場合、550円の生ビールが実質400円となり好評だ
  • 「組み合わせ定食」以外のランチメニューも充実している。おかずの味や量のほか、羽釜で炊く糸魚川産コシヒカリがおいしいと評判に

女性に大好評!創業からの人気メニュー

石焼カルボナーラ(800円)は、昼・夜共通メニュー。糸魚川での創業時から提供している名物だ。1日50食出たこともあるほどの人気ぶりで、カレー味もある。特に女性のオーダー率が高く、リゾット風にして食べるためのご飯を無料で勧めている

 今年1月からは夜営業時に、ランチの「組み合わせ定食」をプラス100円で楽しめる“夜定食”も始めた。さらに、さらに、ビールやサワーなどを1杯選べる「ワンドリンク付き組み合わせ定食」も提供。追加のアルコール注文にもつながっている。今後は選べるおかずのブラッシュアップや、昼の食事会プランなども考案する予定だ。

新潟肉と海鮮・50種の地酒 つるまる【新潟・新潟駅】
新潟県新潟市中央区東大通1-7-30 ホワイトビル1F
https://r.gnavi.co.jp/g1dnemmw0000/
新潟駅から徒歩約2分。新潟産の牛・豚・鶏肉と、海鮮をメインに据えた居酒屋。豊富な地酒は純米酒が中心で、地元客はもちろん、県外からの出張・観光客も多く、新潟へ行くたびに訪れるというリピーターも多数。
代表 鶴田雄介氏(左) 副店 長笠間大典氏(右)
鶴田氏は大手居酒屋チェーンのSVを務めたのち、37歳で独立。笠間氏は学生時代のアルバイトから入り、将来の独立を視野に研鑽を積んでいる。

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