ブランド豚の熟成肉を看板とするサムギョプサル店
運営は、韓国出身の代表取締役、趙 宣燁(ジョ・ソンヨプ)氏が率いる株式会社YOPU。「専門店」が主流である韓国の食文化を背景に、「ヨプの王豚塩焼 新大久保本店」は2015年、東京・新大久保の通称“イケメン通り”にサムギョプサル専門店としてオープンした。
当初は岩手県産ブランド豚・岩中豚(いわちゅうぶた)を熟成させた看板メニューのサムギョプサル(豚の三枚肉を使用した焼き肉料理)で勝負していたが、日本での経営を重ねるなかで、国内の食文化や客のニーズに寄り添い徐々に変化。10年の時を経た現在はメニューの幅を広げ、さまざまな店オリジナルの味を提供している。
3フロア120席の大箱で、韓国ドラマやK-POPアイドルファンである30~40代の女性を中心に支持を集め、夜の客単価は約4,500円、平均月商は4,000万円超。SNSでの動画発信や韓国の人気アイドル来店などの話題性も相まって、2026年5月には最高月商4,700万円を突破した。
スタッフがテーブルで肉を焼き上げ、料理の食べ方や特徴を説明する丁寧な接客も、店の人気を支えている。活気ある雰囲気を大事にしながらも、若者向けの韓国居酒屋に寄りすぎず、幅広い客層が楽しめる店づくりを重視。現在は全国に10店舗を展開し、セントラルキッチンを導入して全店舗で味やサービスの品質をそろえる体制を構築している。
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片側がベンチのゆったりとした席。テーブルは韓国から運んだもので、中央にロースターが組み込まれている -
店内にある熟成室はガラス張りで、豚肉の塊が見える構造
熟成肉専門店 ヨプの王豚塩焼 新大久保本店
業態:韓国料理
座席:120席(1F46席・2F30席・3F44席)
客単価:昼3,000円、夜4,500円
客層:30~40代女性、SNS情報からの目的訪問
リピーターも多い、男女比3:7
アクセス:JR山手線新大久保駅より徒歩3分、JR総武線大久保駅より徒歩5分
営業時間:11:00~23:30
定休日 :無し
https://www.instagram.com/yopu_official
https://r.gnavi.co.jp/gxpb00f30000/map/
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繁盛へと導いた、3つのポイント
【POINT1:品質】全店舗の食材や調理方法を統一
【POINT2:メニュー】香ばしく焼き上げる厚切りサムギョプサル
【POINT3:販促】デジタル発信と立地に合わせた接客でファンを増やす
【POINT1:品質】全店舗の食材や調理方法を統一
「ヨプの王豚塩焼」は、東京都内では新大久保本店を含めて新橋、赤坂、吉祥寺、足立などに7店舗を構え、福岡、大阪にも店舗を広げて全国に10店舗を展開している(2026年6月現在)。立地によって客層が異なり、新大久保本店では韓国文化を好む30~40代女性が中心だが、新橋店や赤坂店は男女比がほぼ半々で、ビジネス層の飲み会需要が高い。
客層は違っても、各店で提供するメニューは変わらない。服部栄養専門学校で学んだ代表の趙氏は、何よりも「味へのこだわり」を最優先している。
「全店舗で同じ品質の料理を出せるよう、仕込みはすべてマニュアル化しています。さらに食材はセントラルキッチンで一括管理して各店舗へ配送することで、味がぶれない体制を徹底しています」と、株式会社YOPU マネージャーの林 徳明(イム・ドクミョン)氏は話す。
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アラカルトメニュー。サイドメニューのページには、売りの食材・岩中豚や、おいしい食べ方を添えている -
「トッポキ」や「チヂミ」など、徐々に客のニーズに合わせてメニューを増やし、現在はバラエティー豊かなラインナップ
【POINT2:メニュー】香ばしく焼き上げる厚切りサムギョプサル
看板メニューは、店内の熟成室で14日間熟成させた岩手県産「岩中豚」を用いた、厚さ3.5cmで食べごたえのある「熟成サムギョプサル」(1人前2,178円)。岩中豚はやわらかな肉質と口に広がる脂の甘みが特徴だ。もっともおいしく肉を焼ける温度(220~250℃)の鉄板でスタッフが焼き上げてカットし、野菜や漬物など豊富な付け合わせと共に提供する。
最近人気が沸騰しているヒットメニューは、鍋料理の「ナッコプセ」。タコ、エビ、牛ホルモンを特製ソースで炒め煮した一品で、海鮮の香りとホルモンの脂のうま味がバランスよく重なる味と程よい辛みが好評だ。2019年に冬限定メニューとして登場したが、客からの要望が相次いだため現在は通年で提供している。「通販で販売を始めたナッコプセのミールキットも人気です。1カ月で約2,000個を売り上げたこともあります」と林氏。
サイドメニューとして、食感が楽しい「とびっこおにぎり」や、期間限定のトリュフをトッピングした「トリュフチーズジャガイモチヂミ」など、他にはないオリジナルメニューも好評を得ている。
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「とびっこおにぎり」(1,188円)。とびっこ、韓国ノリ、青ネギなどを盛り付けた状態で提供 -
スタッフが客の目の前で韓国式の小さな丸い形に仕上げる
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新トリュフシリーズのオリジナルメニューは5品 -
トリュフの華やかな香りと濃厚なチーズが絶妙にマッチする「トリュフチーズジャガイモチヂミ」(1,848円)。千切りジャガイモの「カリッ」、チーズの「もちっ」とした食感が癖になる
ドリンクは、生ビールが人気。サムギョプサルと相性のいい日本のブランドを吟味して、サントリー「生)プレミアムモルツ<香る>エール」を採用している。ほかに「チャミスル」や韓国の瓶ビール「TERRA」(1本1,188円)も人気が高い。
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【POINT3:販促】デジタル発信と立地に合わせた接客でファンを増やす
認知拡大の大きなフックとなっているのが、SNSを活用した情報発信だ。代表の趙氏はYouTubeやTikTokでチャンネル「ヨプの台所」を運営しており、TikTokではライブ配信を実施。国籍を問わず幅広い層へアプローチを続けている。
さらに、新大久保という立地特有のイベントに合わせた集客も行う。「店内でアイドルの映像を流したり、ファンの方々にデザートをサービスすることがあり、そこから常連になったお客様もいます」と林氏。
こうしたイベント時の工夫に加え、日々の地道かつ丁寧な接客がリピーター獲得の決定打となっている。スタッフが各テーブルを回り、肉の食べごろやおすすめの食べ方を丁寧に説明。マニュアルだけでは補えないケースバイケースの対応は、林氏がこれまで培ったノウハウをスタッフに直接指導し、常にサービスの質を磨き上げている。
今後について尋ねると、「3フロア120席を備える本店の強みを生かし、比較的ゆとりのある時間帯の稼働率をさらに高めて月商5,000万円を目指したいです」と林氏は先を見据える。
現在、FC(フランチャイズ)は吉祥寺の1店舗。今後増やしていく予定だが、無理に店舗数を増やすのではなく、“ヨプらしさ”を崩さずに、「韓国料理といえばヨプの店」と言われるブランドに育てていく構えだ。
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