2026/08/03 コラボ企画

大井町「立呑み8」は自由な価値空間へ。8坪で“4度おいしい”自社ビル戦略に迫る!

東京・大井町「立呑み8(ハチ)」は、8坪の狭小地に建てた4階建て自社ビルに、立ち飲みフロア・個室・ルーフトップバーを配置し、多様な過ごし方ができる店として人気を集め、今や月商900万円を売り上げる目的来店型の立ち飲みへと変化した。「店づくりは街づくり」を実感し、大井町の変化をつぶさに見続けてきた株式会社H(エイチ)代表・中田 一(ナカダハジメ)氏に立ち飲みを“自由に過ごせる価値空間”へと変えた発想を聞いた。

URLコピー

※スマイラー123号(2026年6月)より転載

“港区”にありそうな店を、大井町仕様に落とし込む

「立呑み8(以下、ハチ)」開業前の大井町は大衆的で”呑んべえ横丁”のイメージだった。

「立ち飲みと言えば角打ちみたいなところしかなかった」と中田氏は語る。そんな中、和食ダイニングの店を開業。「最初の店はちょっと港区にありそうな感じの店なんですが、大井町に合った価格設定や、雰囲気・サービスに寄せて街となじませるよう心掛けていました」。“大井町らしからぬ店”として人気を集めた。今から20年前のことだ。

もとは駐車場だった8坪に建てた自社ビル。立ち退きとなった旧店舗は写真右隣の場所にあった

2016年、系列店の隣の空き物件に出店したのがハチだ。屋号の「8」は“無限”の「∞」に由来する。「飲食店を10年続けるってすごく大変だな、無限に続けていきたいなと思って付けたんです。うちはちょっと感度のいいサラリーマンたちが、大衆的でないお洒落な店で軽く食べたいっていうところにターゲットを絞りました」と中田氏。

<関連記事>
客単価2,000円以下で勝つ!明確なターゲット選定から紐解く繁盛店のつくり方
繁盛店「均タロー」を生んだジュネストリー・東明 遼 氏のヒット業態開発術

▼ほかの記事が気になる方はこちら▼
ぐるなび通信トップページ

▼ぐるなび公式アカウント▼
【LINE】ぐるなび通信デジタル
週1~2回新情報をお届け。ぜひ友だち追加をお願いします!

立ち飲みは、「罪悪感フリー」な業態

なぜ“立ち”だったのか。「(系列店を)お待ちいただくお客様も多くて、(待っている間に)軽く飲みたいと話すお客様の声をたくさんいただいていたので、ウエイティング利用として作ったんです。今は目的来店が結構多いですね」。

待ち利用だった店が、いつの間にか“ハチに行こう” の店になっていた。一方で当時、低客単価の立ち飲みが流行っていた。「隣がお洒落な和食レストランだから、そこに共通する、気軽に飲める店を作ろうということで、価格を安くするためにどうしたらいいかと考えました。こっちは隣の半分の客単価3,000円で設定して、単価を下げた時に立ち飲みにたどり着いた感じですね」。

映える小皿料理

中田氏は立ち飲み業態の気軽さに「ちょっと気配りをする。例えばテーブルの高さだったり、腰掛けられるところだったりと心掛けて店作りしています」。

中田氏は立ち飲みを“コミュニケーションツール”と表現する。「全員着席したらお客様みんなでしゃべれないけど、イベントとか立食パーティだったらぐるぐる回るのでみんなと話したりするじゃないですか。それが立ち飲みなんですよね。まぁ10年も立ち飲みやってると結構疲れてくるんですけど(苦笑)、ただ立って飲むんじゃなくて、おいしいものも食べられて楽しかったりすると時を忘れて2時間、3時間いるお客様もいます。でも自分の気が向いたまま30分で帰れる。人気店で小皿1品食べてぱっと帰るって、ちょっとできないじゃないですか。そういう時、立ち飲みっていうのはさっと行って1、2杯飲んで1品頼んで帰ることもできるんです」。

立ち飲みは30分でも3時間でも気ままに過ごせる“罪悪感フリー”な場なのだ。

ぐるなびからの最新情報を受け取るのはLINEが便利!
配信頻度は、週1~2回ほど。ぐるなび通信の新記事や、旬な情報が通知されて便利です!ぜひご登録ください。
「ぐるなび通信デジタル」
ご登録はこちらから

繁盛店づくりのサポートは「ぐるなび」におまかせください!
▼詳細はこちらから
0円から始める集客アップ。ぐるなび掲載・ネット予約【ぐるなび掲載のご案内】

狭小ビルを価値空間に。1軒で“4度おいしい”複合空間

4階建ての同店は1階と2階は立ち飲み、3階は個室、4階は貸切のルーフトップバーと複合的な空間を提供している。そこには旧店舗から続く背景がある。

1階店内、厨房は小さい(画像左)。2階店内(画像右)は開店して間もない時に有名ハリウッド俳優が来店したという
3階の個室は6人席で完全予約制(画像左)、4階(画像右)の完全予約制ルーフトップ席。セルフでドリンクをサーブし、肉を焼くBBQスタイル

「前の店はワンフロアだったんです。そこに地下があって、6席ぐらい座れる半個室みたいなスペースがあったんですよ。立ち飲みなのにここだけ座れる、って結構人気があったんです。移転して形は変わるけどファンの思いやストーリーを持っていくにはどうしたらいいのかって考えて3階にその個室を設けました。エレベーターのない3階までどうやって足を運んでもらえるか考えて、3階だけ座れる贅沢(ぜいたく)感を喜んでもらっています。今日は1階にしよう、2階にしよう、今度年配の友達がいるし個室にしてみよう、と何回来ても楽しめるっていうのがコンセプトですね」と中田氏。

1軒の中で利用目的によって過ごし方を変えられるのだ。

ポーションは1~2人向け

また現在のメニューは、店の回しやすさを意識して構成。「立ち飲みはスピード感が大事だし、調理が簡単でシンプルで、でもインパクトのある料理を心掛けています。ひとりのお客様も多いので、ポーションは二人でも食べられるけど一人でも食べられるというようなバランスを考えて調整していますね」。

店づくりは、街づくり。「椅子がない」を価値に変える

株式会社H(エイチ)代表 中田 一(ナカダ ハジメ)氏

大井町は大きく変わろうとしている。今春、駅前に大型複合施設が完成し、ハチ2号店を出店した。

「以前は人通りも少なかったんですよ。大体8、9割は駅近の商店街ばっか歩くんです。それが今はもう5対5ぐらいになっています。動線が変わりましたね。店があることによって街が変わるし、人の流れも変わる。2号店もお客様がいっぱい来てくれて、それによって地場で当てたここ(ハチ本店)とお客様が連動するんですよ」。

今から立ち飲みを始める人にアドバイスするなら「なんですかね、『立ち飲みの気持ちがわかる』ってことですかね。立ち飲みって椅子がないしコストも安そうな反面、難しさもある。やはり椅子があるって強いので、なくても行きたくなるような店を作る、そこまで考えることが大事。椅子がないことはデメリットでもあるけど、そこのいいところを探し出すというか、そこじゃないかな」。

今後については、「ハチグループとして新しいものにチャレンジしたいですよね。お客様が喜ぶ、求めているものを創っていきたい。30代、40代の勢いのある、もしくは50代の、元気でお金を持っている頑張った人たちがちゃんと価値を求めてわかってくれる業態づくりがしたい。飲食は価値を売っていかないといけないと思います」。

立ち飲みは、“短時間業態”ではなくなりつつある。

文:高山 浩子
株式会社テンポスホールディングス 広報課所属。月刊飲食業界誌「スマイラー」の特集記事、飲食店レポートの編集・取材・執筆を主に担当。店舗運営のヒントが隠れた「面白い読み物」を届けたく、日々励んでいます。食べ盛り男子2人の母。趣味はこだわりカレー店巡り。
株式会社H
住所:東京都品川区東大井 5-9-19
https://www.instagram.com/ooimachi_h/

立呑み8(hachi)
住所:東京都品川区東大井5-12-3
https://r.gnavi.co.jp/3wjynw4x0000/

■飲食業界誌「スマイラー」

“飲食店の笑顔を届ける”をコンセプトに、人物取材を通して飲食店運営の魅力を発信。全国の繁盛店の紹介から、最新の販促情報、旬な食材情報まで、様々な情報を届けている。毎月15,000部発行。飲食店の開業支援を行う「 テンポスバスターズ 」にて配布中!

「スマイラー」公式サイトはこちら!

Googleビジネスプロフィール(GBP)の運用代行サービスは、ぐるなびで!

ぐるなびによるGBP(旧Googleマイビジネス)を活用したMEO対策・クチコミ対応を含む、飲食店に特化した集客支援・運用代行サービスを紹介します。

【ぐるなび】飲食店向けGoogleビジネスプロフィール(GBP)集客支援・運用代行サービス

飲食店の集客や販促は「ぐるなび」におまかせください!
資料請求・お問い合わせはお気軽にどうぞ

「ぐるなび通信」の記事を読んでいただき、ありがとうございます。

「ぐるなび」の掲載は無料で始められ、飲食店のあらゆる課題解決をサポートしています!

▼ほかの記事が気になる方はこちら▼
ぐるなび通信トップページ