2018/04/24 特集

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【訪日外国人】集客・対応事例 CASE:1外国人用セットメニューで客単価&満足度アップ!

【東京・新宿】 慶 -KEI-

店の入口に看板を設置。道ゆく外国人の目に止まるようにデジタルサイネージも
店の情報が掲載されているサイトや、英語メニューがあることをアピール
英語と中国語のメニューブックを設置し、気軽な入店を促進

接客は日本人同様に「当たり前の対応」で迎える

「和牛の高級感」や「自分で焼く」スタイルで、訪日外国人に根強い人気がある日本の焼肉店。新宿駅近くの「慶」も、店頭に外国語メニューブックを置き、「LIVEJAPAN」などでもアピールして多くの外国人客を獲得している。その半数は中国人で、SNSや友人の勧めで店を知り、「『慶』に行きたいから、新宿に宿をとった」という人もいる。リピーターも多く、来日のたびに足を運ぶファンも少なくない。

「外国人のお客様が目立つようになったのは10年ほど前から」と話すのは、専務の木島秀明氏。近隣に新たな商業施設ができ、店の前を通る外国人が増加。また近くのホテルに紹介されて来店する外国人も増えてきた。そこで、木島氏が考えたのが、外国人向けのセットメニューだった。「日本人と違って、海外の方は“1人ずつ”のニーズが高い。そこで、ご飯・サラダ・キムチ・肉をセットにし、肉の追加オーダーもできる基本スタイルを作りました」(木島氏)。また、英語と中国語のメニューブックも作成。最初は文字のみでセットメニューも3種だったが、まもなく写真を入れ、「慶セット」など様々なメニューを追加して、選択肢を充実させていった。それが「わかりやすく、味や量も満足」と好評を博し、メニューブックや肉の画像がSNSで拡散。画像をスタッフに示してオーダーする人もいて、客単価もアップした。

一方、接客では「日本人と同じように、普段と同じサービスでもてなすことを徹底しています」と木島氏。笑顔で迎え、必ず席まで案内すること、ドリンクは1人ひとりにきちんとサーブすること、オーダーミスを防ぐために外国語メニューブックを指差して復唱することなどを欠かさず、楽しい時間の提供を心がけている。「日本の文化とは違うので、困ることもありますが、今では外国人客は欠かせない存在です。滞在時間が短いこと、日本人のピークと重ならないことが多いのも大きなメリット」と木島氏。今後も、絆や縁を大切に、集客に力を入れていく。

メニューブックには2種類の自家製タレや、焼肉の楽しみ方も掲載(右下)。多様な外国人限定セットメニューは、わかりやすく、注文しやすいよう紹介。いちおしの「Sセット」「SPセット」は大きな画像で(下)
訪日外国人向けサイト「LIVE JAPAN」でも、店の情報を発信
株式会社 大慶商事 専務
木島秀明氏バーテンダーから飲食業界に入り、イタリアン、スパニッシュ、和食など様々な業態を経験。マニュアルは作らず、接客も経営戦略も臨機応変に。柔軟な発想で店づくりを進める。
慶 -KEI-
東京都渋谷区代々木2-6-8 B1
https://r.gnavi.co.jp/e656200/新宿駅南口から徒歩約1分の好立地にある、創業30年の焼肉店。国産和牛のみをリーズナブルに提供し、ランチや宴会の利用で好評。周辺にはホテルやオフィスも多く、ビジネス層はもちろん、観光客からも人気。

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