2011/07/05 特集

シェフの見せ場!商品価値の高め方(6ページ目)

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いつもの一皿をスペシャルプレートに!~手軽に始められるエコカービング

カービングインストラクター 志村 麻衣 氏本格的なカービングには専用のナイフが必要だが、このページで紹介している3点のように、簡単なものならぺティナイフで作ることもできる。本来なら捨ててしまう部分を使ったエコカービングを含め、今日からでもすぐにできるデザインをカービングインストラクターの志村麻衣氏より紹介。

カービングとは?その歴史

英語で「彫刻」を意味するカービング。 タイで長い歴史を持つ「フルーツ・ベジタブルカービング」は、旬の食材で王宮料理を飾ったことがルーツとされています。植物や動物など、生命感に満ちたデザインをナイフ一本で野菜や果物に彫り込んでいく繊細な美しさは目を見張るほど。今も伝統芸術として親しまれています。

素材には野菜や果物を使用

旬の食材を積極的に取り入れて、季節感を大切にします。ただ、カービングには「熟れ過ぎ」や「柔らか過ぎ」は禁物。また繊維が多いものもナイフの刃先が引っかかるので注意が必要です。素材を選ぶところから創作が始まっているのは、料理と同じ。シェフのセンスと目利きが活きる、まさに"食の芸術"です。

カービングに必要な道具

身近な道具で楽しめるのもカービングの魅力。簡単なものなら、飲食店にあるぺティナイフや料理ばさみ、時には彫刻刀などを使って作品を仕上げることができます。種類が豊富な「抜き型」も便利なグッズ。大根やカブなど、白い素材を型抜きした後、食紅で好みの色に染め、料理に添えても素敵です。

【ぺティナイフ】
野菜や果物の皮をむく小形の洋包丁。由来はフランス語の「プチ(petit)」から。
【カービングナイフ】
薄刃で先端が鋭いのが特徴。初心者用(下)と「古典ナイフ」と呼ばれる上級者用(上)がある。

PART:1【トマトで作るバラの花】

トマトの皮を使って、お皿に真っ赤なバラを咲かせましょう。制作時間はわすか2分、ポイントは飾る直前に作ることです。前菜やサラダの盛り付けに使える大輪の花。華やかで個性的な上に、残った実はそのまま料理に活用できます。同様にオレンジの皮でもデザートプレートに似合うアレンジになりますよ。

へたを下にして持ち、ナイフで皮に軽く切り目を入れる
均等な幅で皮をむく(つなげてでも、途中で切れても大丈夫)
むき終わった部分から、やや強めに巻き始める
巻き終わったら、そのまま両手でくるりと裏返す

PART:2【キャベツのレース風】

キャベツの外葉で作る飾り皿は、簡単で使い勝手のいいデザイン。そのまま飾るなら模様を全体に、料理を盛り付けるなら手前だけにとアレンジを利かせて。紫キャベツでもまた違った印象が演出できます。

葉を丸・スペード・木の葉型などにカットする
周囲と芯を三角のギザギザ状にカットする。はさみでも可能
葉脈の間に、ネコの目状の切り込みを入れていく

PART:3【ラディッシュのS字模様】

ギリシャ語で「早く育つ」という学名を持つラディッシュ。鮮やかな色と愛らしい姿をそのまま生かしたこのデザインは前菜やサラダの飾りにぴったり。カルチャー教室でも主婦や子供に人気のデザインです。

ささくれだった部分など、葉の付け根をきれいに処理する
ラディッシュへ直角にナイフを当てて、S字を描く
2の線に対して、斜めにナイフを当てて抜き取る

カービングナイフで本格カービング!

夏はやっぱり、スイカのカービングがおすすめ。身近で手に入りやすい旬の食材は、季節感をアピールするのに最適です。細工を施すにはカービングナイフが必要ですが、最近はインターネットでも手に入ります。日ごろからナイフに慣れたシェフなら上達も早く、習い始めて数カ月でスイカの大玉を丸ごと使った大作でお客様をもてなしたという人も――。

スイカを使った花の器。
デザインを引き立たせる活用法。例えばフルーツポンチで

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