2016/06/14 特集

リーダーが変われば店も変わる! 最強チームを生む 店長の心得(4ページ目)

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POINT5 “適材適所”の役割分担を考える/POINT6 “ユーモア”で笑顔を引き出す

POINT5 “適材適所”の役割分担を考える

相乗効果を生み出すのは、適材適所の配役

チームのメンバーが、お互いに助け合い、刺激し合い、補い合って相乗効果が発揮されたとき、そのチームは最高のパフォーマンスを発揮します。人間は、強いところや得意な分野が違っているのですから、それぞれの長所がチームのなかで最大限に生かされたときに、最強のチームになることができるのです。

そんなチームになるためには、適材適所の役割分担が必要です。店長がスタッフの個性や性格をよく観察して把握し、それぞれにふさわしい役割を考えて、相乗効果を引き出すように働きかけるのです。

このときの役割は、キッチンやホールといったオペレーション上の業務分担ではありません。チームがチームとして機能するための配役と言ってもよいかもしれません。

例えば、口数が少なく目立たないけれど、作業は誰よりも的確でていねいな「縁の下の力持ち」的存在、少し落ち着きがないけれど、常に場を明るくする「ムードメーカー」的存在、始めはとっつきにくいけれど、実は面倒味がとてもいい「お父さん」的存在、みんなをぐいぐい引っ張っていく「リーダー」的存在などです。店長は頭の中で、メンバーにこうした役を当てはめ、それぞれに適した仕事を割りふり、ときにはみんなの前でほめたりして自信をつけさせます。その結果、メンバー同士の関係性が深まり、相乗効果が生まれてきます。

もちろん、店長がチームに必要だと考えている役割に適した人材が見あたらないこともあるでしょう。そのときは、スタッフの中から、その役を担えそうな人物を探し出し、成長を促します。あるいは、次の新規採用のときに、求める役割に相応しい人材を見つけ出すようにすることもできます。また、あえてもともとのキャラクターとは違う役を当てて、スタッフの可能性を伸ばすこともできるばずです。

こうした適材適所の役割分担が成功するかどうかは、店長の観察眼と働きかけにかかっています。

POINT6 “ユーモア”で笑顔を引き出す

笑いを意識的に生むことでなごやかな雰囲気をつくる

最後に、飲食店にとって特に大切なチームづくりのポイントとして、「ユーモアと笑い」をあげたいと思います。

そもそも仕事というのは、どんな内容でもできるだけ楽しくありたいもの。まじめに業務をこなすことが基本ではありますが、そうかといって一日中、笑いも何もない職場では、誰も長続きはしません。ましてや飲食店は、遊び盛りの若いスタッフが多い傾向があります。彼らはつまらないと感じると、すぐに辞めてしまいます。

クスッと笑うだけでも、ニコッと笑顔になるだけでも、人の気分は大きく変わります。忙しくてバタバタしているときほど、ユーモアのあるひと言でふっと心が和み、不思議と活力が出てくる経験は、誰しも持っているのではないでしょうか。

しかも、飲食店はお客様に喜んでもらうのが仕事。飲食店には、楽しげな雰囲気とスタッフの笑顔が不可欠な要素なのです。お客様の前でだけ笑顔を見せていても、店の雰囲気はよくなりません。スタッフ全員が楽しく働くことができてこそ、お客様も笑顔になれるのです。

ですから、店長には、ぜひ笑いを意識してほしいと思います。ちょっとした冗談でもかまわないので、スタッフが笑顔になれるコミュニケーションをとれるのが理想です。なかには、笑わせることが苦手という店長もいるかもしれません。そのときは、店長自身が努力するのと同時に、得意な人にその役を担ってもらうように働きかけてもよいでしょう。

この点、関西の笑いの文化はとても参考になります。実際、関西の店の店長には、人を笑わせることが上手な人が多いです。ときには、ちょっとやり過ぎと思うほど笑わせてくれる店長さんもいます。

もちろん、店は職場ですから、締める場面では締めることも大事です。でも、緩めるときは大いに緩めて、スタッフが店に来ることが楽しみになるような、ユーモアと笑いが連鎖するチームを目指してほしいと思います。

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