2018/02/13 特集

スタッフが変わる「叱り方」~行動の改善が本来の目的!~(2ページ目)

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【Step 1】事実を確認する

改善するべき行動を明確化。主観を交えず事実を伝える

「叱る」ことの目的は、相手の行動を変えること。そのためには、どの行動を変えるのかを互いの共通認識にする必要がある。それが「事実の確認」だ。「そんなの簡単」と思うかもしれないが、「ここで大切なのは、主観を交えないこと。意外と難しいので、注意が必要」と齋藤氏は言う。主観を交えて叱ると、叱る側は「やってない、できていない」と一方的な言い方になり、叱られる側は「やってるのに…」と意見が食い違うことになりかねない。

例えば、入店時の「いらっしゃいませ」という挨拶。スタッフの声が聞こえない場合、店長は「声が小さい」とスタッフを叱るケースが多いだろう。しかし、齋藤氏は「『声が小さい』は主観で、感じ方の問題。スタッフは、聞こえていると思って声を出しているのかもしれません」と指摘。したがって、ここで大事なのは「挨拶の声が入口にいるお客様には聞こえないよ」と事実を伝えることだ。すると問題行動が客観的かつ、具体的になり、改善するべき行動も「入口まで届く声で挨拶すること」と明確にできる。

だが、改善するべき行動が明らかになっても、一方的に指示・命令するのはNG。齋藤氏は「行動の改善をスムーズに促すためには、相手の言い分を聞くことが不可欠」と語る。スタッフは、自分の声は入口まで聞こえていると思い込んでいたのかもしれないし、そもそも入口まで聞こえなくてもよいと思っていたのかもしれない。なぜできなかったのか、その背景を明確にしなければ、的確な指導はできないのだ。

事情がわかれば、それに合わせて改善の方法を提案。入口まで聞こえていると思っていたのなら、その誤解を解き、必要な声量を教えればよい。入口まで聞こえなくてもよいと思っていたのなら、聞こえることの大切さを話して、納得してもらえば解決する。大事なのは、改善への道筋を作ることだ。

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