2018/02/13 特集

スタッフが変わる「叱り方」~行動の改善が本来の目的!~(5ページ目)

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【Step 4】メリットを伝え、行動につなげる

「快感情」で終わらせ、前向きな気持ちに

「叱るときは“何を言うか”も大事ですが、“どんな気持ちにさせるのか”ということもとても重要です」と齋藤氏は語る。人間は、不快な感情のときは消極的になり、“快感情”のときは積極的になるもの。せっかく、「望ましい行動」がわかり、やるべきことが明確になったのに、叱られたというマイナスの感情を引きずったままその時間が終わってしまうと、「よし、やろう!」という前向きな気持ちになりにくい。行動改善に積極的になってもらうためにも、“快感情”を持てるように導くことが大切だ。

「叱ったときの場の雰囲気を変えることは、叱られた側にはできません。叱った側が意識して変えてあげないと、叱られた側は不快感情を払拭することが難しいのです」(齋藤氏)。叱った側は、それまでの重い空気を意識的に転換するように働きかけることが必要なのだ。

例えば、「挨拶をきちんとされたり、大きな声で伝わると、きっとお客様は笑顔になるよね。店全体も明るい雰囲気になって、活気が出ると思うよ」など、行動が改善できたときのシーンをイメージしながら、メリットを伝えると、暗くなりがちな気持ちも前向きになりやすい。また、スタッフの強みに注目し、「仕事ぶりはとてもていねいだよね。それは強みだから、大切に伸ばしていこう」などと励ましの言葉をかけると、モチベーションも叱る側への信頼感もアップできる。

もちろん、「ところで、学校はどう?勉強は順調?」など、仕事とは関係のない話題を振って、その場の雰囲気を変えてもよいだろう。いずれにしても、落ち込んだ気分を、プラスに向けることが大切だ。よく、相手に「すみません、気をつけます」と言われると、それに満足して話を終わらせることがあるが、謝罪や反省で終わると、不快感情を引きずることになるので、気をつけてほしい。

そして、終了(クロージング)するときは、「今日(明日)もよろしくね」などと言ってスパッと終わろう。重い空気を仕事に持ち込むような終わり方はしないようにしよう。

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